277 / 604
トレジャーハントに挑む、三人の公務員
PHASE-19
しおりを挟む
「そんなのやだ~」
何がやだって、整備長が【職場の上司は語る】みたいな内容で、僕をボロクソに語るっていう未来がはっきりと見えるよ。
「落ち着きなさい」
「どう、落ち着けと!」
止めてくださいゲイアードさん。そんなに落ち着き払ってるなら、止めてくださいよ。
周りを見てください。既にガリンペイロもバラクーダも蜘蛛の子を散らした状態で、戦闘放棄してますよ。
隅っこで震えてますよ。
「なんてヤツだ。公務員なのに大魔法を使用してやがる!」
やめて! そんな感じで僕を評価しないで。これ僕の力じゃないんで、違うんで!
くそ~、あのリザードマンめ! どえらいもんを弾に封じてたな。
流石は鬼の百人長だ、考え方が違う。僕みたいな素人にはそこそこのでいいはずなのに、こんな殲滅兵器みたいな火力を要しやがって! 城でも陥落させろってか!!
そこそこのでいいの!!
今後の事を考えて、次回からは、演習弾として使用した、スタンのヤツを送ってもらおう。
いきすぎた力は悲しい破壊しか生まない。
とにかく、この度が過ぎる破壊魔法をどうにかしなければ!
――――お!
「あ、そっか! 空に向ければ破壊は収まるや」
これで解決、安堵だ。
「ふう」
「ピート君! それは愚策だ!」
おう、ゲイアードさんが慌ててらっしゃる。
直ぐに慌てる理由が理解できたよ。時すでに遅しだけども……。
「はあぁぁぁぁぁぁ! 助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「それだけの質力からなるものが落下してくると、どうなるかな?」
学舎じゃないんだから、問題出すみたいな感じで言わないでいただきたい!
ひぃぃぃぃぃ――、この世の終わりだ! ドッカンドッカンと、大きな音と、地面を大きく抉る衝撃を、僕の銃から現出した氷柱がやらかしていくよ。
大地が壊れる…………。
「どめじぐれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ゛――――――――」
――――――はぁ、はぁ……。
「ようやく止まった……」
心臓が痛い……。動悸だけで破裂しそうだ……。
長かった、とてつもなく長かった……。撃ちきるまでにどれだけかかってるんだよ……。
――――やらかしてしまった。
これはどうなってしまうんだろうか。とりあえず、大魔法とカウントしても、一発だからOKだよね? しかも、王都から離れてるもんね。
発動中と同様の言い訳を反芻する僕。
――――。
「これは……派手にやりましたね…………」
「手違いがありましてですね。決して悪意からではないのですよ」
褐色の肌のンダガランさん再登場。
苦笑いである――――。
今回も炎の柱みたいなのが現出してからの派手な登場だ。
これは派手さによって、視覚的に威圧しているのだろうか? そんな事しなくても、僕は正座でスタンバイですよ。
だって、これだけめちゃくちゃにしましたから。必ず誰かしらがお叱りに来るとは思ってました。
今なら、ンダガランさんとエルンさんが、正座で待機していた時の気持ちが痛いほど分かってしまうよ。
「以前とは立場が逆になりましたね」
「はい……まったくもって仰るとおりです」
汚い言葉を吐き捨てられようとも我慢しますよ。
整備長が以前、貴方方に威圧をした経緯もありますので、その分も存分に僕にぶつけてください。
それで溜飲が下がれば幸いでございます。
「本当に申し訳なく。弁解の余地もありません」
「撃退は出来たようで」
「はい、代償は大きかったですが」
明らかに両ギルドの実力差と比較しても、この攻撃力は過剰すぎるものだ。
「責任は全てにおいて僕にありますので、王都に対しての陳状は、僕だけを原因として伝えていただければ――――」
落ち着いた語り方からして、怒ってはいないだろうけども、ここは全てにおいて誠意を見せなければならない。
――――公務員として。
なので、もし許しの光明が見えても、調子に乗っては行けない。
油断、怠りなく誠意の姿を維持しなければならない。
――――公務員として。
何がやだって、整備長が【職場の上司は語る】みたいな内容で、僕をボロクソに語るっていう未来がはっきりと見えるよ。
「落ち着きなさい」
「どう、落ち着けと!」
止めてくださいゲイアードさん。そんなに落ち着き払ってるなら、止めてくださいよ。
周りを見てください。既にガリンペイロもバラクーダも蜘蛛の子を散らした状態で、戦闘放棄してますよ。
隅っこで震えてますよ。
「なんてヤツだ。公務員なのに大魔法を使用してやがる!」
やめて! そんな感じで僕を評価しないで。これ僕の力じゃないんで、違うんで!
くそ~、あのリザードマンめ! どえらいもんを弾に封じてたな。
流石は鬼の百人長だ、考え方が違う。僕みたいな素人にはそこそこのでいいはずなのに、こんな殲滅兵器みたいな火力を要しやがって! 城でも陥落させろってか!!
そこそこのでいいの!!
今後の事を考えて、次回からは、演習弾として使用した、スタンのヤツを送ってもらおう。
いきすぎた力は悲しい破壊しか生まない。
とにかく、この度が過ぎる破壊魔法をどうにかしなければ!
――――お!
「あ、そっか! 空に向ければ破壊は収まるや」
これで解決、安堵だ。
「ふう」
「ピート君! それは愚策だ!」
おう、ゲイアードさんが慌ててらっしゃる。
直ぐに慌てる理由が理解できたよ。時すでに遅しだけども……。
「はあぁぁぁぁぁぁ! 助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「それだけの質力からなるものが落下してくると、どうなるかな?」
学舎じゃないんだから、問題出すみたいな感じで言わないでいただきたい!
ひぃぃぃぃぃ――、この世の終わりだ! ドッカンドッカンと、大きな音と、地面を大きく抉る衝撃を、僕の銃から現出した氷柱がやらかしていくよ。
大地が壊れる…………。
「どめじぐれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ゛――――――――」
――――――はぁ、はぁ……。
「ようやく止まった……」
心臓が痛い……。動悸だけで破裂しそうだ……。
長かった、とてつもなく長かった……。撃ちきるまでにどれだけかかってるんだよ……。
――――やらかしてしまった。
これはどうなってしまうんだろうか。とりあえず、大魔法とカウントしても、一発だからOKだよね? しかも、王都から離れてるもんね。
発動中と同様の言い訳を反芻する僕。
――――。
「これは……派手にやりましたね…………」
「手違いがありましてですね。決して悪意からではないのですよ」
褐色の肌のンダガランさん再登場。
苦笑いである――――。
今回も炎の柱みたいなのが現出してからの派手な登場だ。
これは派手さによって、視覚的に威圧しているのだろうか? そんな事しなくても、僕は正座でスタンバイですよ。
だって、これだけめちゃくちゃにしましたから。必ず誰かしらがお叱りに来るとは思ってました。
今なら、ンダガランさんとエルンさんが、正座で待機していた時の気持ちが痛いほど分かってしまうよ。
「以前とは立場が逆になりましたね」
「はい……まったくもって仰るとおりです」
汚い言葉を吐き捨てられようとも我慢しますよ。
整備長が以前、貴方方に威圧をした経緯もありますので、その分も存分に僕にぶつけてください。
それで溜飲が下がれば幸いでございます。
「本当に申し訳なく。弁解の余地もありません」
「撃退は出来たようで」
「はい、代償は大きかったですが」
明らかに両ギルドの実力差と比較しても、この攻撃力は過剰すぎるものだ。
「責任は全てにおいて僕にありますので、王都に対しての陳状は、僕だけを原因として伝えていただければ――――」
落ち着いた語り方からして、怒ってはいないだろうけども、ここは全てにおいて誠意を見せなければならない。
――――公務員として。
なので、もし許しの光明が見えても、調子に乗っては行けない。
油断、怠りなく誠意の姿を維持しなければならない。
――――公務員として。
0
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる