283 / 604
トレジャーハントに挑む、三人の公務員
PHASE-25
しおりを挟む
「では――――」
故意なものだという事が理解できたところで、肆號君にお願いして、再び眠ってもらう。
自然と祈りの所作をやっていた。
「しかし、いいのかな?」
「なんです? ゴートさん。やっぱりお叱りが怖いですか」
僕も怖いですよ。
「それもあるけど、故意なら証拠として現場保存するべきでは?」
流石は警務局だ。
「第三者が起こしたって事が分かればいいので。探そうにも、隠密でここに来れる人物、もしくは組織。相当の実力を有していると考えられます。まず捕まらないでしょう。保存するより、すでにカグラさん達の勢力によって埋められて厳重に守られてます。ってした方が、こっちも回収できなかったって理由が出来るんで。かなり強引な言い訳ですけども」
「その辺りは我々の方で、この事を知っている者たちに、伝えておきましょう」
「ありがとうございます」
「我々の思いを尊重していただいたピート殿にこそお礼を。カグラ様も喜ぶでしょう」
うむ、カグラさんご本人に会って、お礼を笑顔で言ってもらいたい。
「まあ、炎竜王殿サイドで伝えてくださるなら、助かりますな」
ゴートさんもそれならと、納得してくれたご様子。
強引な内容だけど、理解してくださり助かる。感謝だ。
――――。
「チョイサ、チョイサ――――」
勤労君シリーズは伊達じゃない! 肆號君が綺麗に埋めていってくれてる。
傷が付かないように、柔らかな土で埋めていって、その上から岩や石の混じった土で補強していく。
「いい仕事です」
ンダガランさんもお褒めだ。
「ふぅ……」
張り詰めてたのか、安堵の息を一つ打っている――――?
「疲れてます?」
カグラさんの右腕であるンダガランさんでも疲労を感じる事があるのかな?
「色々とありまして」
ここに立ち入った時から、多忙そうだったもんな。
僕たちだけにかまってはいられないと口にしてたから、てっきりトレジャーハンターが森に入った事が原因だったと思ってたんだけど、そうじゃないみたいだな。
端から、両ギルドを相手にもしてなかったし、何か他に、心を煩わせる原因があるのかな?
「差し支えなければ聞かせてもらえますか。出来る事なら協力しますよ」
「あ……」
ん? 何か言いそうだったけど、口を一文字にして、出る言葉を堰き止めたみたいだ。
それに、一瞬見せた弱々しい表情。こりゃ、本当になんかあったな。
「お気持ちだけで、その言葉だけで救われます」
可愛い笑顔が返ってきた。
でも、その前の表情を見てしまったから、素直に喜べなかった。
――――。
綺麗に埋葬したところで、今一度、お祈りの所作。
「心労もだけど、空腹もね……」
との事。
緊張感あるのかないのか分からんな。ゴートさんって。本当に自然児だ。
ぐぅ~。
ふむん…………。僕も人の事は言えないようである。
恥ずかしい、皆さんの耳朶に届くくらいに大きかったからね。
「詰め所に食事を準備しております」
やったね!
――――。
空間魔法って便利だな。三日かかった道のりが一瞬だよ。
一週間の予定が半分ですみそうだ。
流石に中腹にある館とはいかないけども、麓にある詰め所は建物としては立派な部類に入る石造り。
一つの岩から造ったって感じだね。継ぎ目がない。魔法的なもので立てた建築物だな。
この森で頼っていたテントとは比べものにならない、守られているという安心感を与えてくれる建物ですな。
風が吹いてもびくともしない。当たり前か。
中に入ると、暗がりがないほどの明かりが、全体に行き届いている。
席が用意されているところには、詰め所とは考えられないくらいに豪奢なシャンデリアがつり下げられている。
灯火の光源は、蝋燭じゃなくて蛍火の魔法が使用されてるみたいだな。
魔法の持続力が長い。即ち、この蛍火を唱えた方は、やり手という事だな。
「探訪には満足かい?」
どうしましたゲイアードさん。この文明の恩恵である建物に感謝しましょうよ。
「あんまり、ジロジロしたり、触ったりするのは失礼だよ」
注意された……。
ゲイアードさんの部屋でも同じ事をやって注意されたのに、学習能力がないな。僕……。
用意された椅子に静かに座って待機だ。
故意なものだという事が理解できたところで、肆號君にお願いして、再び眠ってもらう。
自然と祈りの所作をやっていた。
「しかし、いいのかな?」
「なんです? ゴートさん。やっぱりお叱りが怖いですか」
僕も怖いですよ。
「それもあるけど、故意なら証拠として現場保存するべきでは?」
流石は警務局だ。
「第三者が起こしたって事が分かればいいので。探そうにも、隠密でここに来れる人物、もしくは組織。相当の実力を有していると考えられます。まず捕まらないでしょう。保存するより、すでにカグラさん達の勢力によって埋められて厳重に守られてます。ってした方が、こっちも回収できなかったって理由が出来るんで。かなり強引な言い訳ですけども」
「その辺りは我々の方で、この事を知っている者たちに、伝えておきましょう」
「ありがとうございます」
「我々の思いを尊重していただいたピート殿にこそお礼を。カグラ様も喜ぶでしょう」
うむ、カグラさんご本人に会って、お礼を笑顔で言ってもらいたい。
「まあ、炎竜王殿サイドで伝えてくださるなら、助かりますな」
ゴートさんもそれならと、納得してくれたご様子。
強引な内容だけど、理解してくださり助かる。感謝だ。
――――。
「チョイサ、チョイサ――――」
勤労君シリーズは伊達じゃない! 肆號君が綺麗に埋めていってくれてる。
傷が付かないように、柔らかな土で埋めていって、その上から岩や石の混じった土で補強していく。
「いい仕事です」
ンダガランさんもお褒めだ。
「ふぅ……」
張り詰めてたのか、安堵の息を一つ打っている――――?
「疲れてます?」
カグラさんの右腕であるンダガランさんでも疲労を感じる事があるのかな?
「色々とありまして」
ここに立ち入った時から、多忙そうだったもんな。
僕たちだけにかまってはいられないと口にしてたから、てっきりトレジャーハンターが森に入った事が原因だったと思ってたんだけど、そうじゃないみたいだな。
端から、両ギルドを相手にもしてなかったし、何か他に、心を煩わせる原因があるのかな?
「差し支えなければ聞かせてもらえますか。出来る事なら協力しますよ」
「あ……」
ん? 何か言いそうだったけど、口を一文字にして、出る言葉を堰き止めたみたいだ。
それに、一瞬見せた弱々しい表情。こりゃ、本当になんかあったな。
「お気持ちだけで、その言葉だけで救われます」
可愛い笑顔が返ってきた。
でも、その前の表情を見てしまったから、素直に喜べなかった。
――――。
綺麗に埋葬したところで、今一度、お祈りの所作。
「心労もだけど、空腹もね……」
との事。
緊張感あるのかないのか分からんな。ゴートさんって。本当に自然児だ。
ぐぅ~。
ふむん…………。僕も人の事は言えないようである。
恥ずかしい、皆さんの耳朶に届くくらいに大きかったからね。
「詰め所に食事を準備しております」
やったね!
――――。
空間魔法って便利だな。三日かかった道のりが一瞬だよ。
一週間の予定が半分ですみそうだ。
流石に中腹にある館とはいかないけども、麓にある詰め所は建物としては立派な部類に入る石造り。
一つの岩から造ったって感じだね。継ぎ目がない。魔法的なもので立てた建築物だな。
この森で頼っていたテントとは比べものにならない、守られているという安心感を与えてくれる建物ですな。
風が吹いてもびくともしない。当たり前か。
中に入ると、暗がりがないほどの明かりが、全体に行き届いている。
席が用意されているところには、詰め所とは考えられないくらいに豪奢なシャンデリアがつり下げられている。
灯火の光源は、蝋燭じゃなくて蛍火の魔法が使用されてるみたいだな。
魔法の持続力が長い。即ち、この蛍火を唱えた方は、やり手という事だな。
「探訪には満足かい?」
どうしましたゲイアードさん。この文明の恩恵である建物に感謝しましょうよ。
「あんまり、ジロジロしたり、触ったりするのは失礼だよ」
注意された……。
ゲイアードさんの部屋でも同じ事をやって注意されたのに、学習能力がないな。僕……。
用意された椅子に静かに座って待機だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる