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トレジャーハントに挑む、三人の公務員
PHASE-37
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「では――――話を聞こうか」
「はい?」
「いや、口頭で伝えると言っていた事だよ。後、この化石の報告書の事も話したかったけど、昨日の状況では無理だったからね」
ああ、そうだね。全くもってそっちは進んでなかったね。
「しかし、第三者達による破壊行動だと、よく気付いたね」
たまたまですよ。僕も、よく気付いたもんだと思っております。真面目に仕事をこなしていたら、そういうのが見抜ける技量が、自然と身についてくるんだろうね。
「何者でしょうか。こんな芸当をしておいて、化石を得ようとしなかったんですから」
「きっと、隠遁は出来ても、炎竜王殿に見つからずに、化石を確保するのは難しかったのかもしれないね」
憶測だけども、それが一番の理由にはなりそうだよね。
――――カグラさんの事が出てきた事だし――、
「局長は、昨日の事は耳にしてましたか」
「耳にとは?」
「もちろん僕が、応接室で暴力を受けていた時の内容です」
「ああ……うん」
申し訳なさそうに、視線を逸らした。
気にしてませんよ。僕が悪いんですから。
でも、ここの長である局長には、止めに入ってほしかったかな~。なんてね。
「すまない」
「いいですよ」
「で、何かな?」
ノムロのおっさんがカグラさんの事を、脅威としていないと、口走った事を耳にしたかを聞いてみる。
「聞いていたよ。あれだけ大音声で言い放ったからね。大したものだよ。炎竜王殿を脅威にしていないとは、あの方の力を理解できていない、典型的な凡愚だね」
さらりと毒を吐いているところから考えると、局長もノムロのおっさんのこと、嫌いなんだろうな。
「ブラフだろう」
「そうでしょうか」
「と――――言うと?」
化石を確保に赴いた時の、ンダガランさんが見せた焦燥が気になってしまった事を、事細かに伝えた――――。
局長は天井を眺めてから息を大きく漏らす。
「う~ん」
続いて腕組みをして、唸る。
眉間に皺をよせて強く目を閉じ、口は真一文。
しじまの訪れ――――。
妙な緊張に支配されてしまう。僕は僕で、いたたまれなくて、小さく深呼吸。
「ブラフじゃないのかな~」
結局、同じ回答か……。
「私と一緒に発言を耳にした局員たちも、気にしていなかったよ。発言に対して、馬鹿馬鹿しいと、鼻で笑っていた者もいたな」
確かに、ンダガランさんの時折みせた焦燥を目にしていないと、ブラフとか、カグラさんに対して無知な人の発言としか考えないよな。
それにしても――、鼻で笑う暇あるなら、僕を助けに来いよそいつ! 誰ですかそいつは? 整備長ですか?
「そのだね。焦燥感を感じ取ったというのは、ウィザースプーン君がかな?」
「はい。ゲイアードさんも気付いてたかもしれませんが――」
気付いたのは僕が早いかもしれない。
ゲイアードさんもゴートさんも、基本は王都での仕事。ンダガランさんに会うって事はほぼないだろう。
この二人だと、魔石鏡を使用してやり取りをしている分、ゲイアードさんが接している時間は長そうだけど、直接あって話すってのはないだろうから、普段のンダガランさんの事は知らないと思う。
森で出会った時は、ゴートさんは畏怖して、ゲイアードさんは口論に発展していたっけ。
熱くなっていたンダガランさんが本来の姿と思っているかもしれない。
僕も深く知るわけじゃないけど、激情するタイプではないんだよね。ンダガランさんて。
落ち着きがあって、節義を重んじるタイプなんだよ。
じゃなきゃ、カグラさんの腹心なんて勤まらないだろうし、違反を起こしたエルンさんたち一行と一緒に、正座で待つなんてスタイルはしないと思う。
あの苛立ちは焦燥から来てると思うし、料理をすれば、気を紛らわせることが出来る。って、言ってたっけ。
「カグラさんに何かあったんじゃないでしょうか? 推測ですが、それを子爵様は知っていた。だから強気にケルプト山への進入を僕たちに指示してきた。子飼いの方々を行かせて刺激するのではなく、念には念をで、刺激を避けるために、カグラさん達と関係のある僕たち公務員を使った。そう考えると、化石を見つけた存在と、子爵様はやはり繋がって――――」
「ウィザースプーン君!」
「はい!?」
ビックリした~。
急に大声なんだもの。
喋々と、得意げなのがよくなかったのかな?
「はい?」
「いや、口頭で伝えると言っていた事だよ。後、この化石の報告書の事も話したかったけど、昨日の状況では無理だったからね」
ああ、そうだね。全くもってそっちは進んでなかったね。
「しかし、第三者達による破壊行動だと、よく気付いたね」
たまたまですよ。僕も、よく気付いたもんだと思っております。真面目に仕事をこなしていたら、そういうのが見抜ける技量が、自然と身についてくるんだろうね。
「何者でしょうか。こんな芸当をしておいて、化石を得ようとしなかったんですから」
「きっと、隠遁は出来ても、炎竜王殿に見つからずに、化石を確保するのは難しかったのかもしれないね」
憶測だけども、それが一番の理由にはなりそうだよね。
――――カグラさんの事が出てきた事だし――、
「局長は、昨日の事は耳にしてましたか」
「耳にとは?」
「もちろん僕が、応接室で暴力を受けていた時の内容です」
「ああ……うん」
申し訳なさそうに、視線を逸らした。
気にしてませんよ。僕が悪いんですから。
でも、ここの長である局長には、止めに入ってほしかったかな~。なんてね。
「すまない」
「いいですよ」
「で、何かな?」
ノムロのおっさんがカグラさんの事を、脅威としていないと、口走った事を耳にしたかを聞いてみる。
「聞いていたよ。あれだけ大音声で言い放ったからね。大したものだよ。炎竜王殿を脅威にしていないとは、あの方の力を理解できていない、典型的な凡愚だね」
さらりと毒を吐いているところから考えると、局長もノムロのおっさんのこと、嫌いなんだろうな。
「ブラフだろう」
「そうでしょうか」
「と――――言うと?」
化石を確保に赴いた時の、ンダガランさんが見せた焦燥が気になってしまった事を、事細かに伝えた――――。
局長は天井を眺めてから息を大きく漏らす。
「う~ん」
続いて腕組みをして、唸る。
眉間に皺をよせて強く目を閉じ、口は真一文。
しじまの訪れ――――。
妙な緊張に支配されてしまう。僕は僕で、いたたまれなくて、小さく深呼吸。
「ブラフじゃないのかな~」
結局、同じ回答か……。
「私と一緒に発言を耳にした局員たちも、気にしていなかったよ。発言に対して、馬鹿馬鹿しいと、鼻で笑っていた者もいたな」
確かに、ンダガランさんの時折みせた焦燥を目にしていないと、ブラフとか、カグラさんに対して無知な人の発言としか考えないよな。
それにしても――、鼻で笑う暇あるなら、僕を助けに来いよそいつ! 誰ですかそいつは? 整備長ですか?
「そのだね。焦燥感を感じ取ったというのは、ウィザースプーン君がかな?」
「はい。ゲイアードさんも気付いてたかもしれませんが――」
気付いたのは僕が早いかもしれない。
ゲイアードさんもゴートさんも、基本は王都での仕事。ンダガランさんに会うって事はほぼないだろう。
この二人だと、魔石鏡を使用してやり取りをしている分、ゲイアードさんが接している時間は長そうだけど、直接あって話すってのはないだろうから、普段のンダガランさんの事は知らないと思う。
森で出会った時は、ゴートさんは畏怖して、ゲイアードさんは口論に発展していたっけ。
熱くなっていたンダガランさんが本来の姿と思っているかもしれない。
僕も深く知るわけじゃないけど、激情するタイプではないんだよね。ンダガランさんて。
落ち着きがあって、節義を重んじるタイプなんだよ。
じゃなきゃ、カグラさんの腹心なんて勤まらないだろうし、違反を起こしたエルンさんたち一行と一緒に、正座で待つなんてスタイルはしないと思う。
あの苛立ちは焦燥から来てると思うし、料理をすれば、気を紛らわせることが出来る。って、言ってたっけ。
「カグラさんに何かあったんじゃないでしょうか? 推測ですが、それを子爵様は知っていた。だから強気にケルプト山への進入を僕たちに指示してきた。子飼いの方々を行かせて刺激するのではなく、念には念をで、刺激を避けるために、カグラさん達と関係のある僕たち公務員を使った。そう考えると、化石を見つけた存在と、子爵様はやはり繋がって――――」
「ウィザースプーン君!」
「はい!?」
ビックリした~。
急に大声なんだもの。
喋々と、得意げなのがよくなかったのかな?
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