拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ

PHASE-11

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「バロニアとザンデは、ウィザースプーンさんの護衛につけ。お前達の中心であるマリアンは死んでるしな」

「マリアンがいなくても戦えるって」

「別に戦うなとは言っていないぞバロニア。護衛をしながら戦え。ウィザースプーンさんの目的は調査だからな。前戦に立っていただくのがいいだろう。大丈夫だ、この方は肝が据わっている。足枷にはならんよ」
 なんて迷惑な配慮と高評価! 余計な事しないでよ。ナイゼルさん! 僕は離れた位置から適当に見学しますから。
 ガチ勢と一緒に最前線とか絶対に行かないからな! 行けば逝く事になるだろ!

「いこっか」
 ヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤア!
 待っててば! ザンデさん待って、手をつながないで。ソードダンサーって職なのにマメもなく、白魚のような手に握られるのは悪くないけども、待ってください。
 行こっか。なの? それとも、逝こっか。なの? 後者はNotWelcomeですからね。
 僕に笑みを向けないでください。キラキラと虹彩の輝きがない瞳で見られての笑みは、ホラーですよ……。



「きたぁぁぁぁぁ!」
 先頭から、興奮と楽しみが混じった大音声。
 それに続いて大爆発。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ! 体がちぎれるぅぅぅぅぅぅぅ」
 爆風で、すでに死の淵に立たされそうな僕。

「「「「ヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」」」
 反面、それを合図として、大喜びで更に前へと突き進んでいく皆々様。

「相手からの進行の合図だよ」
 僕の手を引きながらの説明なんていりませんから! ザンデさん!! 今すぐこの手を離してください。

「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」
「ドララララララララララララ!」
「ハオ! ハオ! ハオ! ハオ!」
「ギョワ! ギョワ! ギョワ! ギョワ!」
 後半は遊牧民族の出自がいたのかな? 快活なかけ声が飛び交ってますけども?

「スピード上げるよ。バロニア、私の前に」
「おう! 頼むぜ!」
疾風脚ボルゾイ。行ってこい」
「ヒャッハー!!」
 ザンデさんの魔法で、バロニアさんの足に風が纏う。岩肌を滑空しながら突き進んでいく。
 その魔法、郷土愛を持った、特産の羊毛を首に巻いてたおっさんのゆう――、
「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 ちょっと待て! 僕にも使わないでよ。やだ怖い。

「大丈夫、ちゃんと手をつないでてあげるから」
 無理ですから、手をつないでも、足が自分の意思とは裏腹に、勝手に動くんですけど。
 股関節が限界開放だよ。左右に足が広がっていくよ。
 股が裂けるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!

「ザンデさん前!」
 大木が僕たちの目の前に! 生命に迫る脅威が直ぐそこに!

魔風甲ソニックシェル
 駄目、間に合わないんじゃないんですかね……。

「ぎゃん!」

「ぐふっ!」

「どむっ!?」
 ――……ハハハハ…………。

「生きてた」

「こんなんじゃ何の問題もないから」
 振り返って勝ち気な笑顔を見せてくれますけども、実際に大木に体を打ち付けてるからね。風の鎧的なのが僕を守ってはくれたみたいだけど、衝撃は体の芯まで届いてますよ。
 この人、ノープランなんじゃないの? 目の前に木があろうとも、回避しないで直進なんですけど。
 木は避けるものじゃない。なぎ倒していくものだ! って、感じだよ。
 
 ――。
 
 ああ……、魔法で守られていたとはいえ、体はがっしゃ、がっしゃだよ……。

「元気じゃん。さすがはナイゼルが認めてるだけある」
 いつ認められたんだよ。
 
 ――――ただ引っ張られただけだけど、なぜか息切れが酷いよ。
 いたずらじみた笑みを浮かべて――。ザンデさんめ、僕が怖がってるのを分かっててやってるな。
 腰抜けの所なんて――――、見せたかもしれないけど、ここからは見せないぞ! 
 こんなところで置いてけぼりなんて嫌だからね。見捨てられないように、胆力に気合いを入れないといけないな。
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