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ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-11
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「バロニアとザンデは、ウィザースプーンさんの護衛につけ。お前達の中心であるマリアンは死んでるしな」
「マリアンがいなくても戦えるって」
「別に戦うなとは言っていないぞバロニア。護衛をしながら戦え。ウィザースプーンさんの目的は調査だからな。前戦に立っていただくのがいいだろう。大丈夫だ、この方は肝が据わっている。足枷にはならんよ」
なんて迷惑な配慮と高評価! 余計な事しないでよ。ナイゼルさん! 僕は離れた位置から適当に見学しますから。
ガチ勢と一緒に最前線とか絶対に行かないからな! 行けば逝く事になるだろ!
「いこっか」
ヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤア!
待っててば! ザンデさん待って、手をつながないで。ソードダンサーって職なのにマメもなく、白魚のような手に握られるのは悪くないけども、待ってください。
行こっか。なの? それとも、逝こっか。なの? 後者はNotWelcomeですからね。
僕に笑みを向けないでください。キラキラと虹彩の輝きがない瞳で見られての笑みは、ホラーですよ……。
「きたぁぁぁぁぁ!」
先頭から、興奮と楽しみが混じった大音声。
それに続いて大爆発。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ! 体がちぎれるぅぅぅぅぅぅぅ」
爆風で、すでに死の淵に立たされそうな僕。
「「「「ヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」」」
反面、それを合図として、大喜びで更に前へと突き進んでいく皆々様。
「相手からの進行の合図だよ」
僕の手を引きながらの説明なんていりませんから! ザンデさん!! 今すぐこの手を離してください。
「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」
「ドララララララララララララ!」
「ハオ! ハオ! ハオ! ハオ!」
「ギョワ! ギョワ! ギョワ! ギョワ!」
後半は遊牧民族の出自がいたのかな? 快活なかけ声が飛び交ってますけども?
「スピード上げるよ。バロニア、私の前に」
「おう! 頼むぜ!」
「疾風脚。行ってこい」
「ヒャッハー!!」
ザンデさんの魔法で、バロニアさんの足に風が纏う。岩肌を滑空しながら突き進んでいく。
その魔法、郷土愛を持った、特産の羊毛を首に巻いてたおっさんのゆう――、
「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ちょっと待て! 僕にも使わないでよ。やだ怖い。
「大丈夫、ちゃんと手をつないでてあげるから」
無理ですから、手をつないでも、足が自分の意思とは裏腹に、勝手に動くんですけど。
股関節が限界開放だよ。左右に足が広がっていくよ。
股が裂けるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
「ザンデさん前!」
大木が僕たちの目の前に! 生命に迫る脅威が直ぐそこに!
「魔風甲」
駄目、間に合わないんじゃないんですかね……。
「ぎゃん!」
「ぐふっ!」
「どむっ!?」
――……ハハハハ…………。
「生きてた」
「こんなんじゃ何の問題もないから」
振り返って勝ち気な笑顔を見せてくれますけども、実際に大木に体を打ち付けてるからね。風の鎧的なのが僕を守ってはくれたみたいだけど、衝撃は体の芯まで届いてますよ。
この人、ノープランなんじゃないの? 目の前に木があろうとも、回避しないで直進なんですけど。
木は避けるものじゃない。なぎ倒していくものだ! って、感じだよ。
――。
ああ……、魔法で守られていたとはいえ、体はがっしゃ、がっしゃだよ……。
「元気じゃん。さすがはナイゼルが認めてるだけある」
いつ認められたんだよ。
――――ただ引っ張られただけだけど、なぜか息切れが酷いよ。
いたずらじみた笑みを浮かべて――。ザンデさんめ、僕が怖がってるのを分かっててやってるな。
腰抜けの所なんて――――、見せたかもしれないけど、ここからは見せないぞ!
こんなところで置いてけぼりなんて嫌だからね。見捨てられないように、胆力に気合いを入れないといけないな。
「マリアンがいなくても戦えるって」
「別に戦うなとは言っていないぞバロニア。護衛をしながら戦え。ウィザースプーンさんの目的は調査だからな。前戦に立っていただくのがいいだろう。大丈夫だ、この方は肝が据わっている。足枷にはならんよ」
なんて迷惑な配慮と高評価! 余計な事しないでよ。ナイゼルさん! 僕は離れた位置から適当に見学しますから。
ガチ勢と一緒に最前線とか絶対に行かないからな! 行けば逝く事になるだろ!
「いこっか」
ヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤアヤア!
待っててば! ザンデさん待って、手をつながないで。ソードダンサーって職なのにマメもなく、白魚のような手に握られるのは悪くないけども、待ってください。
行こっか。なの? それとも、逝こっか。なの? 後者はNotWelcomeですからね。
僕に笑みを向けないでください。キラキラと虹彩の輝きがない瞳で見られての笑みは、ホラーですよ……。
「きたぁぁぁぁぁ!」
先頭から、興奮と楽しみが混じった大音声。
それに続いて大爆発。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ! 体がちぎれるぅぅぅぅぅぅぅ」
爆風で、すでに死の淵に立たされそうな僕。
「「「「ヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」」」
反面、それを合図として、大喜びで更に前へと突き進んでいく皆々様。
「相手からの進行の合図だよ」
僕の手を引きながらの説明なんていりませんから! ザンデさん!! 今すぐこの手を離してください。
「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」
「ドララララララララララララ!」
「ハオ! ハオ! ハオ! ハオ!」
「ギョワ! ギョワ! ギョワ! ギョワ!」
後半は遊牧民族の出自がいたのかな? 快活なかけ声が飛び交ってますけども?
「スピード上げるよ。バロニア、私の前に」
「おう! 頼むぜ!」
「疾風脚。行ってこい」
「ヒャッハー!!」
ザンデさんの魔法で、バロニアさんの足に風が纏う。岩肌を滑空しながら突き進んでいく。
その魔法、郷土愛を持った、特産の羊毛を首に巻いてたおっさんのゆう――、
「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ちょっと待て! 僕にも使わないでよ。やだ怖い。
「大丈夫、ちゃんと手をつないでてあげるから」
無理ですから、手をつないでも、足が自分の意思とは裏腹に、勝手に動くんですけど。
股関節が限界開放だよ。左右に足が広がっていくよ。
股が裂けるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
「ザンデさん前!」
大木が僕たちの目の前に! 生命に迫る脅威が直ぐそこに!
「魔風甲」
駄目、間に合わないんじゃないんですかね……。
「ぎゃん!」
「ぐふっ!」
「どむっ!?」
――……ハハハハ…………。
「生きてた」
「こんなんじゃ何の問題もないから」
振り返って勝ち気な笑顔を見せてくれますけども、実際に大木に体を打ち付けてるからね。風の鎧的なのが僕を守ってはくれたみたいだけど、衝撃は体の芯まで届いてますよ。
この人、ノープランなんじゃないの? 目の前に木があろうとも、回避しないで直進なんですけど。
木は避けるものじゃない。なぎ倒していくものだ! って、感じだよ。
――。
ああ……、魔法で守られていたとはいえ、体はがっしゃ、がっしゃだよ……。
「元気じゃん。さすがはナイゼルが認めてるだけある」
いつ認められたんだよ。
――――ただ引っ張られただけだけど、なぜか息切れが酷いよ。
いたずらじみた笑みを浮かべて――。ザンデさんめ、僕が怖がってるのを分かっててやってるな。
腰抜けの所なんて――――、見せたかもしれないけど、ここからは見せないぞ!
こんなところで置いてけぼりなんて嫌だからね。見捨てられないように、胆力に気合いを入れないといけないな。
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