拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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公務員が接待するけど私的なら関係ないよねっ 

PHASE-01

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 ――……幸せな一日は始まらないもので……。


「…………」

「困るよ。ピート君」
 淡々として素っ気ない語調。普段の僕には使用しない語調だ。
 違反を犯した方にだけ使用される語調だよ……。受ける側になると怖いよ。背筋が真っ直ぐになるね。
 サージャスさんの気持ちが理解できたよ。

「前代未聞だよ」

「はい」
 本日から王都での仕事始めだったはずなのに……。玄関のドアを開けて、階段を下りたところには警務局六課、課長が待機してた。つまりはゴートさんなんだけども、相変わらずの優しい笑みだったから、僕が帰ってきたのを耳にして、わざわざ挨拶に来てくれたと思ったんだけど、そのまま官庁にご同行となり、違令管理課でゲイアードさんに睨まれてしまうという状況が、現在である……。

「ねえ」

「はい……」
 怖い。眼鏡がキラリと光るんですけど。狩人の目をしてるんですけど。

「何をそんなに怒っているんだ白髪ボーイ?」
「怒ってはいない。呆れながら、違反対象者に説教をしてるんだよ」
「そうなのか? ボーイ」
「そうなんだよ。君が原因でピート君は説教を受けてるんだ」
 そう――、シュパーブ君が原因なのだ。
 事の始まりは、僕が王都南門から帰ってきた時だそうだ。南門での衛兵さんに、軽い調子で挨拶をしつつ、そのまま王都に入った。
 衛兵さんもそのまま通過させたそうなんだけど、はたと我に返って、僕の背中を二度見したそうだ。
 僕が整備局員で、自然に王都に入ったから問題ないと、僕に話しかけることを怠ったそうだけど、不安になった衛兵さんは警務局に連絡して、僕の監視を依頼したそうだ。
 
 その時に話しかけなかった衛兵さんは、上役からお叱りを受けたそうな……。申し訳ない……。警務局に連絡入れただけでも及第点になりませんかね。
 
 お食事処オーシャンズへの移動時に、シュパーブ君が見られているって発言してたけど、どうやら僕に挑戦とか、美男美女の兄妹様を見ていたとかではなく、警務局の方々が僕を監視してたというのが正しい。
 
 運が良かったのは、その時の担当が警務局六課だったそうで、僕の事を信頼してくれたゴートさんが監視だけに留めておいて、休日明け、官庁にご同行という形で、朝から僕たちを違令管理課まで誘導。
 連行では決してない。と、思いたい。

「分かってるよね。整備局、局員なんだから」
「はい……」
「彼、海魔龍や水魔龍と呼ばれる種族の幼龍ドラゴネットで間違いないね?」
「はい……」
「特定危険生物だよ」
「はい…………」
「その中でも特級だ。Sランクどころか、SSSランクものだよ。貴族でも飼っていないよ。そんなランク」
「はい………………」
 ――――これ、僕が悪いの?
 まあ、違令管理課ほどでなくても、違反に対しては整備局員もしっかりとしないといけないから、怒られて当然なんだけど。
 弁解としてはシュパーブ君の愛らしさで、特定危険生物だってのをすっかり忘れていたからね……。
 弁解にならないな。コレは……。

「案件に発展しそうな時は、王都に入る前に事前に伝えてもらわないと。何を堂々と門から入って王都に帰ってきてるの……」
 疲れているかのように、眼鏡をずらして、拇指と食指で目頭部分を揉んでる。
 知らない人なら能面みたいなゲイアードさん。僕の前では表情は豊かなんだけど、僕に対してここまで呆れた顔をするのは初めてですね……。

「王都の衛兵がザルなのが問題よ~。もっと気を配らんとな~。いい勉強になっただろう」
 だよね。いくら戻った時にグライフ君の頭にちょこんと乗っていたシュパーブ君が愛らしかったからって、チェックがおろそかなのはね。
 警務局に連絡を入れたのは及第点だけどさ~。
 ゴートさんも僕が信頼できるからって、後日、監視だけに留めておくってのもね。
 僕が悪しき存在で、その日に行動してたらどうするのって話ですよ。王都に被害が出ちゃうよ。
 王都が水と氷の世界になるよ。なんたってこの愛玩二頭身は、最古参位エルダークラスの実力ですよ。しっかり門番、徹底的な監視をしてくれないと~。

「反省してるかな?」
 ズイッと僕の方に顔を近づけてきたよ……。

「はい、もちろんです……」
 いかんいかん。つい、シュパーブ君の発言に賛同してしまった。ただの逃げに走るところだった。
 僕が――――、悪い!
 10:0ジュウゼロで、僕が悪い!!
 ゴートさんの善意にまでけちつけるとは、なんて嫌なヤツなんだ。と、自己嫌悪に陥ってしまう……。

「はあ……どうするべきか……」
 滅多に聞けない、重い嘆息ですね。ごめんなさい。
 あの、違反金はやめてもらえませんかね。赤貧なんです。八億を蹴った男なんです。一公務員に大きな金額は払えません……。
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