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公務員が接待するけど私的なら関係ないよねっ
PHASE-18
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「はぁ~」
感嘆の息を漏らしているバイジャンさん。
僕もそうなんですけども。それどころじゃないよね。
お兄様を凝視してしまう。きっと鬼のような表情になっていたかもしれない。お兄様が僕を見て及び腰だし。
「いいって言ったんだけど。自分がこうと決めたら、それを貫くじゃない」
語尾に進むにつれ、弱々しくなっていくお兄様。
――――まあ、同意しますけども。
「ロールさん……」
なにやってんですか……。
すっごく似合ってるじゃないですか。
仕事の時のサイドテールでも、プライベートの髪を下ろしているスタイルでもない。
美しい銀髪を巻き貝のようにアップにしてる。シェルヘアってやつかな? すっごく艶っぽいし、大人の色香が出てるな。
もしかして、薄化粧を仕事場でしてたのは、このための練習だったのか?
それに…………、
「けしからん! 実にけしからん!!」
「ん?」
ん? じゃないですよ! 胸元を出して。普段のつなぎ姿からは想像できないよ。
はだけてるよ。恥ずかしくないんですか。船旅ではタンクトップにホットパンツという健康的な露出でしたが、現在は、胸元、鎖骨、肩を露出させた純白のロングドレス。
ドレスと同色のスティレットヒール。
ヒールの細さたるや。
いまにも折れそうなんですけど。
バランスをとるの大変そうだ。それを補うためなのか、歩き方は、前に足を出す度に、交差させるような歩き方。
でもそれが、何とも妖艶だ。
歩く度に太ももがチラチラと見えるほどに、深く切り込みが入ったスリットが、妖艶さに拍車をかける。
「すみません。この子、僕につけてもらっていいですか。おいくらですか?」
「もう酔ってるんですか?」
何を店員さんみたいに言ってるんですか。
酔ってますとも。ロールさんの美しさに。ベッタベタな感想だけど、鼻の下が伸びに伸びてますよ。
――――じゃないよ!
「何してんですか」
「役に立ちたいなと」
「駄目ですよ!」
「駄目じゃないの。ハイどうぞ」
「あ、どうも」
エードを注いでもらう。色からしてグレープ系だな。バイジャンさんの赤ワインに合わせてくれたんだろう。
僕の専属ならばどれだけ最高か。
こういうところで、全財産どころか、借金してまで通う人の気持ちが分かる気がした。
だって、傾国クラスが化粧することで、更に傾いちゃうんだもの。
国が傾くんだから、個人の資産が枯渇するなんて当たり前だよ。
それくらい、お金を注ぎ込んで、お気に入りの美人様に振り向いて欲しいと思う殿方が、この世には多くおられるんですよ。
――――僕は何を心で語っているんだ? なぜに世の中の殿方を代弁するかのようなことを、頭の中で力説しているんだ?
ああ……、僕の隣には座らないんですね……。ですよね。僕の隣には他の美人さんが座ってるし。でも、ロールさんに座っていただきたい。
お金か! お金で指名すればいいのか!
「落ち着けよボーイ……。俺ちゃんの財布を奪おうとしないでくれ」
ふぅぅぅぅぅぅ。こんなにも我を忘れてしまうのか。もし入り浸ることになってしまえば、僕は一ヶ月で破産だな……。
だって、お気に入りの女の子に振り向いてほしいんだもの!
プレゼント毎回あげるよ。
このような場に足繁く通う、世の殿方のように!
「どうぞ」
「どうも」
僕だけの笑顔であってほしかった……。
バイジャンさんの隣の空いた席に誘導されて、ロールさんが着席。席を空けていたのはこのためだったのか。
笑顔で接客を始めました。
羨ましいぞ……、バイジャンさんよ~。何とも緩んだ笑顔ですな。
最初の入店を断ろうとしていた時の貴男は何処に行ったのか。胸を見るんじゃないよ!
さぞ、楽しいんでしょうね。酒のペースが上がってますわ。
恐るべし! ロールさんと、レオニアさんの包囲接客。
しかし――――、女性って、髪型一つで可愛く見えたり、妖艶になったりするんだな。
「お口を開けてください」
と、レオニアさん。
当たり前のようにバイジャンさんが従い、口を開けば。
「はい、どうぞ」
と、笑顔のロールさんがミートパイをお口に運ぶ。大きく切ったものを入れられて、頬ばりながら食べると、
「わ~すご~い」
「ね~」
と、食いっぷりが素敵だと、僕たちの横についている助っ人美人さんお二人が、ロールさん達を掩護するように、バイジャンさんに拍手を送る。
四人の美人にもてはやされて、いい気分になっておられる。
口の中のミートパイを胃に流すように、レオニアさんが赤ワインをグラスになみなみと注ぎ、ロールさんがそれを諸手で優しく手にして渡すと、ガブガブと豪快に飲む。
シュパーブ君の流儀ならば、邪道な飲み方だな。
でも、それで酒量が増えることが、僕たちの思惑でもあるからな。
羨ましいけど……。
感嘆の息を漏らしているバイジャンさん。
僕もそうなんですけども。それどころじゃないよね。
お兄様を凝視してしまう。きっと鬼のような表情になっていたかもしれない。お兄様が僕を見て及び腰だし。
「いいって言ったんだけど。自分がこうと決めたら、それを貫くじゃない」
語尾に進むにつれ、弱々しくなっていくお兄様。
――――まあ、同意しますけども。
「ロールさん……」
なにやってんですか……。
すっごく似合ってるじゃないですか。
仕事の時のサイドテールでも、プライベートの髪を下ろしているスタイルでもない。
美しい銀髪を巻き貝のようにアップにしてる。シェルヘアってやつかな? すっごく艶っぽいし、大人の色香が出てるな。
もしかして、薄化粧を仕事場でしてたのは、このための練習だったのか?
それに…………、
「けしからん! 実にけしからん!!」
「ん?」
ん? じゃないですよ! 胸元を出して。普段のつなぎ姿からは想像できないよ。
はだけてるよ。恥ずかしくないんですか。船旅ではタンクトップにホットパンツという健康的な露出でしたが、現在は、胸元、鎖骨、肩を露出させた純白のロングドレス。
ドレスと同色のスティレットヒール。
ヒールの細さたるや。
いまにも折れそうなんですけど。
バランスをとるの大変そうだ。それを補うためなのか、歩き方は、前に足を出す度に、交差させるような歩き方。
でもそれが、何とも妖艶だ。
歩く度に太ももがチラチラと見えるほどに、深く切り込みが入ったスリットが、妖艶さに拍車をかける。
「すみません。この子、僕につけてもらっていいですか。おいくらですか?」
「もう酔ってるんですか?」
何を店員さんみたいに言ってるんですか。
酔ってますとも。ロールさんの美しさに。ベッタベタな感想だけど、鼻の下が伸びに伸びてますよ。
――――じゃないよ!
「何してんですか」
「役に立ちたいなと」
「駄目ですよ!」
「駄目じゃないの。ハイどうぞ」
「あ、どうも」
エードを注いでもらう。色からしてグレープ系だな。バイジャンさんの赤ワインに合わせてくれたんだろう。
僕の専属ならばどれだけ最高か。
こういうところで、全財産どころか、借金してまで通う人の気持ちが分かる気がした。
だって、傾国クラスが化粧することで、更に傾いちゃうんだもの。
国が傾くんだから、個人の資産が枯渇するなんて当たり前だよ。
それくらい、お金を注ぎ込んで、お気に入りの美人様に振り向いて欲しいと思う殿方が、この世には多くおられるんですよ。
――――僕は何を心で語っているんだ? なぜに世の中の殿方を代弁するかのようなことを、頭の中で力説しているんだ?
ああ……、僕の隣には座らないんですね……。ですよね。僕の隣には他の美人さんが座ってるし。でも、ロールさんに座っていただきたい。
お金か! お金で指名すればいいのか!
「落ち着けよボーイ……。俺ちゃんの財布を奪おうとしないでくれ」
ふぅぅぅぅぅぅ。こんなにも我を忘れてしまうのか。もし入り浸ることになってしまえば、僕は一ヶ月で破産だな……。
だって、お気に入りの女の子に振り向いてほしいんだもの!
プレゼント毎回あげるよ。
このような場に足繁く通う、世の殿方のように!
「どうぞ」
「どうも」
僕だけの笑顔であってほしかった……。
バイジャンさんの隣の空いた席に誘導されて、ロールさんが着席。席を空けていたのはこのためだったのか。
笑顔で接客を始めました。
羨ましいぞ……、バイジャンさんよ~。何とも緩んだ笑顔ですな。
最初の入店を断ろうとしていた時の貴男は何処に行ったのか。胸を見るんじゃないよ!
さぞ、楽しいんでしょうね。酒のペースが上がってますわ。
恐るべし! ロールさんと、レオニアさんの包囲接客。
しかし――――、女性って、髪型一つで可愛く見えたり、妖艶になったりするんだな。
「お口を開けてください」
と、レオニアさん。
当たり前のようにバイジャンさんが従い、口を開けば。
「はい、どうぞ」
と、笑顔のロールさんがミートパイをお口に運ぶ。大きく切ったものを入れられて、頬ばりながら食べると、
「わ~すご~い」
「ね~」
と、食いっぷりが素敵だと、僕たちの横についている助っ人美人さんお二人が、ロールさん達を掩護するように、バイジャンさんに拍手を送る。
四人の美人にもてはやされて、いい気分になっておられる。
口の中のミートパイを胃に流すように、レオニアさんが赤ワインをグラスになみなみと注ぎ、ロールさんがそれを諸手で優しく手にして渡すと、ガブガブと豪快に飲む。
シュパーブ君の流儀ならば、邪道な飲み方だな。
でも、それで酒量が増えることが、僕たちの思惑でもあるからな。
羨ましいけど……。
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