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変転
PHASE-03
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「ウィザースプーン君」
「はい」
体がビクンとなってしまった。何だろうか? 遠くを見るような視線を思い出すと、振り返る勇気がない。
背中で聞くことにする。局長もそれでいいと思ったんだろうな。
「君は王都が、治安が悪いと思っていたから、そう口にしたのかな?」
「いえ、この辺りがガラが悪そうだと思っただけで」
「そうかい――――。もう少しすれば、治安も向上するだろう」
は?
ここで僕は振り返ってしまう。あの視線よりも、いまの発言の方が勝ってしまったからだ。
しかし、振り返れば、局長の姿はすでになかった……。
え!? なんなのこれ。オカルト? 去りかたがオカルトすぎるよ。
僕が知っている普段の局長とは雰囲気がまったく違った……。
なんなんだよ、もう少しすればって。
冒険者さん達を王都から完全に閉め出したいのか?
――――。
はあ~。労働とは違う疲れだな。
西門方向からとぼとぼと帰ってきて、部屋まで続く階段を一歩一歩のぼるのがしんどい……。
「ただいま……」
「お帰りなさい」
!? 鼻の穴が膨らんでいるのが自分でも分かる。先ほどまでの疲れが一気に吹き飛んでしまった。
てっきりシュパーブ君が出迎えると思っていたら、なんと、ロールさんが部屋の奥から現れたよ。あれ、この部屋に女性が来たのって初めてじゃないの。
「ご飯、作ってるよ」
新婚生活が急に始まったのかな? 最高じゃないか!
確かにいい匂いがしてる。
「やあ」
あ、お兄様もいるのか……。なんだろう、この残念でならない気持ちは……。
「あ!? 危険ですよ!」
銃の弾が珍しかったのか、触っている。ちゃんと箱の中に入れてたのに。
もし、暴発なんてあったら、死んじゃう可能性もありますからね。
「ごめん」
「危険な物ですから」
「そうだよ。シュパーブ君がいいって言っても、所有してるのはピート君なんだから、失礼だよ」
なんて言いながら、暖かなスープを運んで来てくれる。
深皿にはいったクリーミーな色のスープは、飲むというより食べるといった感じの具だくさんなものだ。
シュパーブ君の、僕のプライベートを無視した行動もむかついたけど、それを忘れさせるいい匂い。
「クラムチャウダーですね」
「うん、運河から海の幸が今日届いたばかりだったから、奮発して買ってみたよ」
海のない王都では贅沢なことだ。以前の昼食といい、最近は贅沢品を只でいただいてるな。
二枚貝の剥き身に、ジャガイモなどの野菜がゴロゴロと入っている。
総毛立たされて冷えてしまった心にはありがたい。
なにより、僕の部屋にロールさんがいるってのが最高だ。
僕の部屋で待機とは、シュパーブ君よくやった! ここは褒めてあげる。私物を触らせたのは駄目だけど。
「じゃあ、これは元の箱に」
「いえ、それはポシェットに」
もしもの事を考えて、弾も多めに携帯しておこう。
何も起こらなければいいと強く願いたい。
つなぎに巻いたままハンガーラックに掛ける。
「必要になりそうなのかい?」
「念のためです」
「念のためになる原因があるって事だよね?」
不安な表情になるロールさん。
追跡の結果がよくないと考えたようだ。
僕は暖かいうちにと、クラムチャウダーをいただきながら、本日の結果を伝える。
見つかってしまって、追跡は失敗したということをまず最初に伝えた。
――――僕の説明を第三者が耳にすれば、局長の行動は仕事熱心なものだと思われるみたいだ…………。
僕も聞き手に回れば、同じ考えだろう。
だが、いかんせんあの目を見てしまった僕は、一抹の不安を抱いてしまうんだよね。
「はい」
体がビクンとなってしまった。何だろうか? 遠くを見るような視線を思い出すと、振り返る勇気がない。
背中で聞くことにする。局長もそれでいいと思ったんだろうな。
「君は王都が、治安が悪いと思っていたから、そう口にしたのかな?」
「いえ、この辺りがガラが悪そうだと思っただけで」
「そうかい――――。もう少しすれば、治安も向上するだろう」
は?
ここで僕は振り返ってしまう。あの視線よりも、いまの発言の方が勝ってしまったからだ。
しかし、振り返れば、局長の姿はすでになかった……。
え!? なんなのこれ。オカルト? 去りかたがオカルトすぎるよ。
僕が知っている普段の局長とは雰囲気がまったく違った……。
なんなんだよ、もう少しすればって。
冒険者さん達を王都から完全に閉め出したいのか?
――――。
はあ~。労働とは違う疲れだな。
西門方向からとぼとぼと帰ってきて、部屋まで続く階段を一歩一歩のぼるのがしんどい……。
「ただいま……」
「お帰りなさい」
!? 鼻の穴が膨らんでいるのが自分でも分かる。先ほどまでの疲れが一気に吹き飛んでしまった。
てっきりシュパーブ君が出迎えると思っていたら、なんと、ロールさんが部屋の奥から現れたよ。あれ、この部屋に女性が来たのって初めてじゃないの。
「ご飯、作ってるよ」
新婚生活が急に始まったのかな? 最高じゃないか!
確かにいい匂いがしてる。
「やあ」
あ、お兄様もいるのか……。なんだろう、この残念でならない気持ちは……。
「あ!? 危険ですよ!」
銃の弾が珍しかったのか、触っている。ちゃんと箱の中に入れてたのに。
もし、暴発なんてあったら、死んじゃう可能性もありますからね。
「ごめん」
「危険な物ですから」
「そうだよ。シュパーブ君がいいって言っても、所有してるのはピート君なんだから、失礼だよ」
なんて言いながら、暖かなスープを運んで来てくれる。
深皿にはいったクリーミーな色のスープは、飲むというより食べるといった感じの具だくさんなものだ。
シュパーブ君の、僕のプライベートを無視した行動もむかついたけど、それを忘れさせるいい匂い。
「クラムチャウダーですね」
「うん、運河から海の幸が今日届いたばかりだったから、奮発して買ってみたよ」
海のない王都では贅沢なことだ。以前の昼食といい、最近は贅沢品を只でいただいてるな。
二枚貝の剥き身に、ジャガイモなどの野菜がゴロゴロと入っている。
総毛立たされて冷えてしまった心にはありがたい。
なにより、僕の部屋にロールさんがいるってのが最高だ。
僕の部屋で待機とは、シュパーブ君よくやった! ここは褒めてあげる。私物を触らせたのは駄目だけど。
「じゃあ、これは元の箱に」
「いえ、それはポシェットに」
もしもの事を考えて、弾も多めに携帯しておこう。
何も起こらなければいいと強く願いたい。
つなぎに巻いたままハンガーラックに掛ける。
「必要になりそうなのかい?」
「念のためです」
「念のためになる原因があるって事だよね?」
不安な表情になるロールさん。
追跡の結果がよくないと考えたようだ。
僕は暖かいうちにと、クラムチャウダーをいただきながら、本日の結果を伝える。
見つかってしまって、追跡は失敗したということをまず最初に伝えた。
――――僕の説明を第三者が耳にすれば、局長の行動は仕事熱心なものだと思われるみたいだ…………。
僕も聞き手に回れば、同じ考えだろう。
だが、いかんせんあの目を見てしまった僕は、一抹の不安を抱いてしまうんだよね。
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