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変転
PHASE-15
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兄妹げんかの内容を語ってやろうと、熱弁を始める局長――――。
調子づいた邪神に不快感を覚えた戦女神。
人類を巻き込んだ兄妹げんかで使用されたのが、戦女神が作り出した対邪神の兵仗。
それによって、邪神は封印された。
が、その後、問題が生じた。
地上に存在するどの武具よりも秀でた兵仗の存在は、戦女神によりそれを与えられた者達に、邪な心を芽生えさせたそうだ。
返還するのが惜しくなり、どうしても自分の所有物として欲した者が現れる。
心清き者でも、心を歪めるくらいに魅了する兵仗。
そんな中、対邪神で筆頭だった勇者パルティナは、与えられた兵仗を戦女神へと素直に返還し、皆の範になった。
その結果、清き存在として、パルパーナの古代遺跡の一つ、オルプラ神殿に祭られるようになった。
パルティナに続いて返還されると思われたが、邪神を封じる兵仗と、戦女神が所有していた物いがいは、返ってくることはなかった。
力に魅了された勇者たちは、邪神に取り憑かれたように、自分が手にする兵仗を使用し、力で訴え、他の者が所有する兵仗奪取に躍起になり、同時に領土争いに波及していった。
邪神の脅威から解放された力なき人たちは、今度は、守り手であった者達からの脅威にさらされるようになった。
――――ここまでの内容だと、勇者たちが悪いぞ。
「その通り。勇者たちに咎ある」
あ……、はい……。もういいよ。覗くなよ。僕の心を。
「だが、神でありながら、人の心底を見極めず、兵仗をまき散らした魔王が絶対悪だ」
「それに関しては、そなたの発言にも一理ある。よもや勇者が、幼子のようにぐずるとは思いもよらなんだ」
認めたぞ。
「だからこそ、妾は魔王を称したのじゃ」
うん? 何がどういうことで魔王なの?
大事なところが抜け落ちてるよ。
「今度は妾が説明せねばならんな」
「うん、お願い」
――……ついつい、体がレインちゃんだから、【はい、お願いします】ではなく、【うん、お願い】と、フランクに言ってしまった。
不遜だよね。しばかれるんだろうか?
――…………気にしていない感じで、スルーしてもらった。
局長に代わって、魔王さんのターン。
対邪神用だったはずなのに、人々に厄災を与える存在となってしまった兵仗。
それを止めるために、戦女神が選んだ道が、自らを魔王と称し、配下の方々もそれに従って、魔族と名乗って悪しき存在を演じた。
その後、邪神に変わって、地上侵攻を開始。
争っていた勇者たちは、自分の手にする兵仗を失ってしまうことを恐れて、兵仗を守るかのように互いに結託し、共通の敵となった魔王さんに戦いを挑むことになった。
それによって、力なき人々は権力闘争から解放され、勇者も本来の目的である、悪と戦うという事に、世代が新しくなるにつれ、立ち戻っていった。
その間も、魔王さんと配下の方々は戦い続けるが、戦闘は配下の方々が受け持ったそうだ。
魔王さん。自身が作り出した兵仗に自らの力を使用しているため、本来の力を有しておらず、戦うという事が不可能になっていた。
魔王さん自身に力がなく、対して、人類も長く続く戦いに疲弊、厭戦し、様々な打開策が考えられていた。
大きく転換したのが、今から四十年前、前王が嘆願して開かれた魔王さんとの会談。
これにより、その後の戦い方の様相が変わった。
魔王軍は侵攻をやめ、統治に力を入れていく。
一般人を戦闘に可能な限り巻き込まない。
元々が神族とそれに属する方々だから、統治に関しては、善政を施した。
不死王さんがいい例だろう。
これによって、勇者、冒険者と、魔王軍の戦闘は、散発的なものに変わっていった。
――――別に魔王って名乗らなくてもいいんじゃないのかと突っ込みたい。
「戦女神より、魔王の方が畏れの対象になるであろう」
皆して、僕の心を覗くな。魔王さんの場合は、僕の表情から読み取ったんだろうけども。
「じゃが、力に溺れた勇者たちにも良心はあった。邪神を封じていた兵仗には手を出さなかったからの」
「単純に、邪神を増やしてしまうのが嫌なだけだったのかもしれんがな。それに、それ以外の兵仗も、貴様らは未だに回収できていないだろう。勇者に良心はないよ」
「そうじゃな。お前が指にはめている看破の乙女がよい例じゃ」
封印塚なんかで使用された物じゃないのか? あの指輪。
調子づいた邪神に不快感を覚えた戦女神。
人類を巻き込んだ兄妹げんかで使用されたのが、戦女神が作り出した対邪神の兵仗。
それによって、邪神は封印された。
が、その後、問題が生じた。
地上に存在するどの武具よりも秀でた兵仗の存在は、戦女神によりそれを与えられた者達に、邪な心を芽生えさせたそうだ。
返還するのが惜しくなり、どうしても自分の所有物として欲した者が現れる。
心清き者でも、心を歪めるくらいに魅了する兵仗。
そんな中、対邪神で筆頭だった勇者パルティナは、与えられた兵仗を戦女神へと素直に返還し、皆の範になった。
その結果、清き存在として、パルパーナの古代遺跡の一つ、オルプラ神殿に祭られるようになった。
パルティナに続いて返還されると思われたが、邪神を封じる兵仗と、戦女神が所有していた物いがいは、返ってくることはなかった。
力に魅了された勇者たちは、邪神に取り憑かれたように、自分が手にする兵仗を使用し、力で訴え、他の者が所有する兵仗奪取に躍起になり、同時に領土争いに波及していった。
邪神の脅威から解放された力なき人たちは、今度は、守り手であった者達からの脅威にさらされるようになった。
――――ここまでの内容だと、勇者たちが悪いぞ。
「その通り。勇者たちに咎ある」
あ……、はい……。もういいよ。覗くなよ。僕の心を。
「だが、神でありながら、人の心底を見極めず、兵仗をまき散らした魔王が絶対悪だ」
「それに関しては、そなたの発言にも一理ある。よもや勇者が、幼子のようにぐずるとは思いもよらなんだ」
認めたぞ。
「だからこそ、妾は魔王を称したのじゃ」
うん? 何がどういうことで魔王なの?
大事なところが抜け落ちてるよ。
「今度は妾が説明せねばならんな」
「うん、お願い」
――……ついつい、体がレインちゃんだから、【はい、お願いします】ではなく、【うん、お願い】と、フランクに言ってしまった。
不遜だよね。しばかれるんだろうか?
――…………気にしていない感じで、スルーしてもらった。
局長に代わって、魔王さんのターン。
対邪神用だったはずなのに、人々に厄災を与える存在となってしまった兵仗。
それを止めるために、戦女神が選んだ道が、自らを魔王と称し、配下の方々もそれに従って、魔族と名乗って悪しき存在を演じた。
その後、邪神に変わって、地上侵攻を開始。
争っていた勇者たちは、自分の手にする兵仗を失ってしまうことを恐れて、兵仗を守るかのように互いに結託し、共通の敵となった魔王さんに戦いを挑むことになった。
それによって、力なき人々は権力闘争から解放され、勇者も本来の目的である、悪と戦うという事に、世代が新しくなるにつれ、立ち戻っていった。
その間も、魔王さんと配下の方々は戦い続けるが、戦闘は配下の方々が受け持ったそうだ。
魔王さん。自身が作り出した兵仗に自らの力を使用しているため、本来の力を有しておらず、戦うという事が不可能になっていた。
魔王さん自身に力がなく、対して、人類も長く続く戦いに疲弊、厭戦し、様々な打開策が考えられていた。
大きく転換したのが、今から四十年前、前王が嘆願して開かれた魔王さんとの会談。
これにより、その後の戦い方の様相が変わった。
魔王軍は侵攻をやめ、統治に力を入れていく。
一般人を戦闘に可能な限り巻き込まない。
元々が神族とそれに属する方々だから、統治に関しては、善政を施した。
不死王さんがいい例だろう。
これによって、勇者、冒険者と、魔王軍の戦闘は、散発的なものに変わっていった。
――――別に魔王って名乗らなくてもいいんじゃないのかと突っ込みたい。
「戦女神より、魔王の方が畏れの対象になるであろう」
皆して、僕の心を覗くな。魔王さんの場合は、僕の表情から読み取ったんだろうけども。
「じゃが、力に溺れた勇者たちにも良心はあった。邪神を封じていた兵仗には手を出さなかったからの」
「単純に、邪神を増やしてしまうのが嫌なだけだったのかもしれんがな。それに、それ以外の兵仗も、貴様らは未だに回収できていないだろう。勇者に良心はないよ」
「そうじゃな。お前が指にはめている看破の乙女がよい例じゃ」
封印塚なんかで使用された物じゃないのか? あの指輪。
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