拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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PHASE-10

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 薄暮が空を支配するなかで、迎賓館から離れの方に移動する道すがら、
「サージャスさん達だね」
 ガボゼのある庭園で腰を下ろして食事をとっているパーティーをロールさんが見つける。

「夕飯ですか」

「ピートさん。それにロールさんにニーズィーさん」
 わざわざ立って挨拶をしてくれる。
 ――――先ほどの話をしながら食事をとっているそうだ。
 宿を利用しているのかと思えば、男爵様の母屋の部屋を借りているとの事。
 まあ、無駄にでかいからな。これで離れと迎賓館もあるんだから。
 どうやったらこんな大きな所に住めるのやら。
 
 他の御一行も大公様のご厚意で、男爵様の敷地を利用出来ているそうで、寝食の全てが無償で提供されているそうだ。
 大公様のご厚意ってところが引っかかるけどね。私物化するなよ……。
 僕たちだけでなく、冒険者一行にまで提供となると、結構な食費になるだろうな……。
 王都からの兵の方々も、鎮守府の方でお世話になっているらしいし、これだけ提供しているだけでも、男爵様が王様に対して忠誠を誓っているって思えるよ。
 今ごろ、忠誠を示せと脅迫されて、大公様にこき使われているんだろうな……。
 
 ――ほほう、ローストビーフですか。
 サージャスさんからは考えられない贅沢な食事だ。
 ドレークさんはこれでもかというくらいに山盛りにしてるけど、それはもはや味を楽しむという食べ方ではないな。

「贅沢な物をいただいてます」
 喜んでもらえて何よりです。
 食事に寝具、全てが豪華で、パーティーに使用人が一人ついてるらしい。
 人手不足のなかで、よくやってくださっている。
 皆さん忙しなく働いてるからな。大体は大公様の重圧が原因だけど。

「最高だぜ」
 山盛りのローストビーフに、炻器製のタンカードに入ったビールを美味しそうに飲んでらっしゃる。
 根無し草の冒険者には贅沢きわまりないからな。
 この様に、いい物を与える事で士気を高めるのも、計画のうちなんだろうな。

英気えいきを養ってください」

「おうさ!」
 鋭気えいきな返事の褐色お馬鹿っ子。口周りをソースでよごしてる。幼子かよ。

「返事は元気だが、少しはましになったのか?」
 お! 僕と同じような事を聞きましたね。整備長。

「連携はばっちりさ」
 と、ここでもザイオン氏が返答。
 へ~と、返しながら首肯する整備長の横で、僕は少しばかり嘲笑してしまう。

「なんだよ」
 凄んできたよ。先日の元気発言でなんとかしようとしているザイオン氏が凄んできましたよ。

「お三方は魔法を使えないんでしょ。クリネアまで行って、初歩も使えないんでしょ」
「そこはサージャスが補ってくれるから」
「それでいいんですか?」
「仕方ないじゃん。あたいには無理なんだから。覚えられないの! 以前も言ったでしょ。馬鹿なの?」
 僕はね、馬鹿に馬鹿って言われるのが一等――――、許せないんだ。

「端から無理と言ってる人間が、無理な事にでも挑む気概のあるサージャスさんのパーティーに入るんじゃないよ。弁解は志の低い人間である証拠だよ」
 結構きつめに言ってあげた。
 やはりストレートに言ってやると分かりやすいのか、落ち込んでいる。
 でもこれからの戦いで、サージャスさんにばかり頼っているとかじゃ駄目なんだよ。サージャスさんが頼りにしたいと思える存在になってくれないと。

「い、言うじゃねえか」

「返す言葉もありませぬ」
 フォークを静かにテーブルへと置いて、代わって男二人が返答してきた。
 こちとらヴィン海域で地獄見てきてんだ。反論すればするほど弱く見えてくるってもんだよ。
 だから、素直に認められるところは評価しますよ。

「まあまあ……」
 サージャスさんが止めに入る。
 後ろではロールさんが僕の肩に手を置いて、落ち着くように促してくる。
 なんだろう、思いの外、僕の表情は本気で怒っていたようだ。
 馬鹿と言われたから怒っているのではなく、寄生的な考え方に怒りを抱いているんだ――――。多分。

「時間がある時は教えてたりもするんですけどね。こればかりは時間を要しますから」

「そ、そうだよ。あたいだって少しは頑張ってたんだ。大体、魔法を覚えるのは、すげー難しいんだからな」
 懸命に言い返してきたよ。
 少しは頑張ってたんだ――――。か。少ししか頑張ってないんだろ。
 後、本気で学ぼうとする人間は、すげーなんて軽い言葉は使わないよ。
 ――――って、畳み掛けるように言ってしまうと、泣きそうだから、ここは口には出すまいよ。
 女性陣からの好感度が下がるのは避けたいからね。

「絶えず努力し、それを維持してください。目の前に素晴らしい手本がいらっしゃるんですから」
 懸命に違反金を払うために、一人の時でも必死にやってらっしゃった方なんだから、その方に見合うくらいの努力をするんだね。
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