457 / 604
集結
PHASE-20
しおりを挟む
「う~んとね……ラゼン殿の代わりに、このテトが説明するよ」
――――ちびっ子の説明内容。
王都内での活動は、ここにいる壌獣王軍、風雷王軍の両軍からなる少数精鋭部隊と、冒険者を含めた戦力で威力偵察にて敵の戦力を測り、その後、本隊が到着するまでの間にゲリラ作戦を実行し、可能ならば城壁のタレットなど、攻め手に不利になる建築物の占拠、もしくは破壊工作を実行せよとの事。
大公様が言ったように、僕たち素人は道案内役。
兵を兵として使用したいからこそ、案内役は土地勘のある者から選出した結果、僕たちなんだそうだ。
「王都内部には地下道を使用し、潜入してもらう」
ここで、息の整った大公様がちびっ子と交代。いまだに僕の事を睨んでくるけども、
「君たちが頼りだ」
長い呼気を行い、怒気を吐き出すと、頭を下げてきた。
「我々は問題ありません」
なんとな!? タモンさん! ブンゴさんも首肯で返してる。冗談ではない。なぜに乗り気なんですか。というか、ここに来たのってそういう事だったの。
「マジで言ってるのか」
整備長が聞けば、
「おう、あそこには勤労君シリーズの殆どを残してきてるからな。戦力になるから持ち出さないと」
「戦力つっても、攻撃は出来ないだろう」
「解除するのさ」
「いいんですか!?」
口をはさんでしまう。
舗装、修復の為の存在。
壊すんじゃなくて、築いていく存在を、戦闘用として起動させるのは嫌なはず。
「平時では必要ないから攻撃能力をオミットにしておいただけだ。こんな時には解除しないとな。俺のポリシーなんて二の次だよ」
なんとも寂しそうに言うじゃないか……。
ブンゴさんにも目を移せば、
「タモンさんの覚悟だからね。何も言う事はないよ」
覚悟を決めているようだ。
仕方ないな……。
「じゃあ、僕もいきますよ」
「マジか!」
「いや、整備長もですよ」
「やだ! 行きたくない」
「開発局のお二人が行くんですよ。こっちの責任者は整備長なんですから、参加するのは当たり前です」
「暫定局長が――――」
おっさんの口を塞ぐ。
まったく最低な発言をしようとしたな。
ロールさんを代わりに行かせようとかとんでもない考えだぞ。
「私は行くつもりですよ」
何をケロッと発言してんですかね。
「駄目にきまってるでしょ」
「ピート君に権限はないから。私が暫定局長だから。私が指示を出す立場です」
うぬぬ……。
公務員は上からの指示にはめっぽう弱いのである……。
「後はお願いします! 暫定局長」
清々しく恰好の悪い事を言ってんじゃないよ……。情けないおっさんだ。
「整備長もですから。暫定局長命令です」
「馬鹿な……」
局長のために、肉の壁として頑張っていただきたいですな!
「大丈夫ですよ。こっちには優秀な方々がいらっしゃるんですから」
確かに。百人長の実力は知っているからな。
演習中に、龍人のアクシャイさんを軽々と殴り飛ばした豪腕の持ち主だからな。
サージャスさんもいるし、戦力としては十分に高いものだ。
パーティーの補助に回らなければの話だけども……。
この他にも、演習中に僕たちをしごいた面々が戦闘に参加。
シナンさんにアズナさんが先行したから、僕に話しかける機会を逸したみたいだけど、ロウさん、ググタムさんにアクシャイさんと、演習を共にしごかれて過ごした面々もいる。
新兵といっても、実力は本物だからな。
演習中と違って実戦だから、魔法だって使用出来る。この方々の本気の力を見る事ができるぞ。
――――ちびっ子の説明内容。
王都内での活動は、ここにいる壌獣王軍、風雷王軍の両軍からなる少数精鋭部隊と、冒険者を含めた戦力で威力偵察にて敵の戦力を測り、その後、本隊が到着するまでの間にゲリラ作戦を実行し、可能ならば城壁のタレットなど、攻め手に不利になる建築物の占拠、もしくは破壊工作を実行せよとの事。
大公様が言ったように、僕たち素人は道案内役。
兵を兵として使用したいからこそ、案内役は土地勘のある者から選出した結果、僕たちなんだそうだ。
「王都内部には地下道を使用し、潜入してもらう」
ここで、息の整った大公様がちびっ子と交代。いまだに僕の事を睨んでくるけども、
「君たちが頼りだ」
長い呼気を行い、怒気を吐き出すと、頭を下げてきた。
「我々は問題ありません」
なんとな!? タモンさん! ブンゴさんも首肯で返してる。冗談ではない。なぜに乗り気なんですか。というか、ここに来たのってそういう事だったの。
「マジで言ってるのか」
整備長が聞けば、
「おう、あそこには勤労君シリーズの殆どを残してきてるからな。戦力になるから持ち出さないと」
「戦力つっても、攻撃は出来ないだろう」
「解除するのさ」
「いいんですか!?」
口をはさんでしまう。
舗装、修復の為の存在。
壊すんじゃなくて、築いていく存在を、戦闘用として起動させるのは嫌なはず。
「平時では必要ないから攻撃能力をオミットにしておいただけだ。こんな時には解除しないとな。俺のポリシーなんて二の次だよ」
なんとも寂しそうに言うじゃないか……。
ブンゴさんにも目を移せば、
「タモンさんの覚悟だからね。何も言う事はないよ」
覚悟を決めているようだ。
仕方ないな……。
「じゃあ、僕もいきますよ」
「マジか!」
「いや、整備長もですよ」
「やだ! 行きたくない」
「開発局のお二人が行くんですよ。こっちの責任者は整備長なんですから、参加するのは当たり前です」
「暫定局長が――――」
おっさんの口を塞ぐ。
まったく最低な発言をしようとしたな。
ロールさんを代わりに行かせようとかとんでもない考えだぞ。
「私は行くつもりですよ」
何をケロッと発言してんですかね。
「駄目にきまってるでしょ」
「ピート君に権限はないから。私が暫定局長だから。私が指示を出す立場です」
うぬぬ……。
公務員は上からの指示にはめっぽう弱いのである……。
「後はお願いします! 暫定局長」
清々しく恰好の悪い事を言ってんじゃないよ……。情けないおっさんだ。
「整備長もですから。暫定局長命令です」
「馬鹿な……」
局長のために、肉の壁として頑張っていただきたいですな!
「大丈夫ですよ。こっちには優秀な方々がいらっしゃるんですから」
確かに。百人長の実力は知っているからな。
演習中に、龍人のアクシャイさんを軽々と殴り飛ばした豪腕の持ち主だからな。
サージャスさんもいるし、戦力としては十分に高いものだ。
パーティーの補助に回らなければの話だけども……。
この他にも、演習中に僕たちをしごいた面々が戦闘に参加。
シナンさんにアズナさんが先行したから、僕に話しかける機会を逸したみたいだけど、ロウさん、ググタムさんにアクシャイさんと、演習を共にしごかれて過ごした面々もいる。
新兵といっても、実力は本物だからな。
演習中と違って実戦だから、魔法だって使用出来る。この方々の本気の力を見る事ができるぞ。
0
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる