拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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王都潜入

PHASE-14

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「違うな……。さっきも言ったが、単純にお前が強くなりすぎてるんだ……」

「言い訳です。他者で比べるんじゃなく、自身の回顧で答えを出すべきですね。胸を張って行動しているなら、自身の矜持の方が大きいはずです。他者を賞賛して弁解するよりも先に、自分の膂力を信じたかった発言を口にしてこそ悔しさは相手にも伝わりますから。それから相手への敬意を発すれば、それはちゃんと伝わります。なので貴男の賞賛は伝わりません。無様なだけです。合理主義ではなく、貴男のはだだの自堕落です!」
 ボロクソだな……。喋々と……。
 今回のサージャスさんは、僕の知らないサージャスさんだな。ここまでなじるとはね。
 なんだかんだで、こいつらに対して溜まってるものはあるんだろうな。

「そこまでだ」
 あ!
 ザイオン氏……。

「ごめん……」
 捕まってしまったか……。流石に動きも速く、障害物を無視して移動出来る亡者から逃げるのは難しかったようだ。
 ザイオン氏で逃げれないとなると、僕たちは逃げる事すらかなわないぞ。
 グリーの命令を本当に聞き入れているようで、ザイオン氏の事を亡者たちが拘束している。

「さあ、これでお終いだ。サージャスはパーティーを見捨てる事はしないもんな。俺が作った違反金を未だに払ってるようなお人好しだし」
 野郎!

「動くなよ公務員。俺を狙えば、小麦色ちゃんの首元にがぶりだ」
 大きく口を開く亡者。
 優勢に立っていると思っているのか、愉悦に浸った笑みを浮かべている。
 自分がこの場を仕切っていると、そう考えているんだろう。

「立てよミッシェル」

「まさか……お前に救われるなんてな……」

「感謝しろ。ほら、他も動くなよ。この子が死んじゃうよ~」
 むかつく顔だな。完全に勝ち誇ってやがる。

「おい! リザードマン! 動くなよ」
「貴様に仕切られる道理はない」
「道理はこれだ」
「関係ない。その子も、死を覚悟で戦いに参加している。各員、引き続き行動しろ」
「本気か? お前の部下は動きに躊躇が見られるが」
 ――――歯を軋らせる百人長。
 口では冷たい事を言っているけど、実際は真逆の考えを持つかただからね。
 
 脅迫に屈しない態度を見せて、状況を変えようと画策したみたいだけど、調子に乗ってる馬鹿には通用しなかったようだ。

「さて、こいつら捕らえてトップのとこに連れて行こうぜ。それだけでも報酬が出るだろうさ。あ、女は全員おれの手元に置くから」
「ゲス」
「妬くなよサージャス。ちゃんとお前も仲間に入れてやる」
「冒険者が人質とか、ここまでクズに成り下がるなんて。成長どころか、矜持が奈落に落ちた元パーティー。その中でも悪い意味で秀逸なのは、やはりグリー。貴男だ」
 紫水晶アメジスト色の両眼で睨みを利かせて罵倒すれば、小者は笑みから不機嫌な表情に変わる。
 劣勢であるのに、それに屈しないといった姿を見せる存在に、怒りを覚えるのが小者の特徴だ。
 大物なら感嘆するからね。

「さんを付けろって言ってんだろうが!」
 怒りと共に火球ファイヤーボールを放つ。
 ――――と、同時に、
「躱すなよ!」
 ザイオン氏を自分の方に引き寄せて、サージャスさんを脅してくる。
 渋面になりつつも、その言葉に従って、直撃を受けるサージャスさん。
 
 ――――炎と爆発に包まれる…………。
 ザイオン氏がそれを目にして、絹を裂くような声でサージャスさんの名を口にした。

「本当にゲスだよ」
 隣では整備長が怒りに染まっている。
 それ以上に僕の方が怒りに支配されているわけだけど!
 何も出来ない自分の存在にも苛立ちを覚える。
 
 ――――爆煙が晴れる。
 不動の姿勢で立つサージャスさん。

「で? これが何? こんな魔法がボクに何の効果があるの? 本当に一人だけレベルが低い。極端にね。グリー」
 なぜにここまで挑発的なのか?
 余裕の笑みを見せて、辛辣にグリーを罵れば、言われる当人は更に怒りに震える。

「ああそうかよ!」
 ワンドを空へと掲げると、
雷柱トニトルス!!」
 上空にどす黒い雲が発生すると、雷を生み出し、サージャスさんの頭上にそれを落とす。
 
 雷独特の、バリバリといった音と共に、大地が揺れた……。
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