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王都潜入
PHASE-25
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「――――よし終わりだ」
赤く光るケース内。それが魔石にも伝播したかのように、赤く染まる。
ケースを開けて魔石を回収。
「これで九体の戦う勤労君の出来上がりだ」
笑んでいるけど、やはりどこか寂しい表情。
「戻りましょう」
ブンゴさんが柔和な表情で、タモンさんの大きな肩に手を当てて伝える。
魔道技術発展のために務めてきた者同士だからこそ、タモンさんの心境が分かるといったところか。
タモンさん。大きく首肯すると、今度は吹っ切れたような笑みを僕たちに見せてくれる。
地下室から戻れば――――、
「くそ……」
なんてこったい。
間が悪い。
「外が騒がしくなっても、こうやって、毎日のように足繁く通った成果があったな」
「ヘルム!」
「局長とはつけないのかな。ウィザースプーン君」
「とっくに局長じゃないよ。ここにいるロールさんが暫定局長だよ」
「ああ、得心がいくね。ここでニーズィー君じゃないところが、皆、慧眼を持っている」
そこだけは賛同してやる。
まあ、僕が無理矢理にロールさんを局長にしたんだけども。
だからここまでついてきてるんだけども……。
「さて、そちらの近況も聞いた事だし。タモン主任、魔石をこちらに」
「お断りですね。ここでそちらの戦力を上げるなんて馬鹿な事はしませんよ」
「こちらは戦力を上げたいんだ。どのみち、そちらでは現状、使用出来ないだろう。ふむ、地下室があったなんてね。君たちは逃げる時もそうだったようだが、モグラみたいに地下を好むのかな?」
小馬鹿にした嘲笑を向けてきたよ。
周囲には冒険者くずれが手に得物を持って、ヘルムの前で隊列を作り始める。
ヘルムの護衛をするだけあって、動きに無駄がないな。
「随分と荒らしてくれて」
「手っ取り早く破壊という案も出たが、それをこの程度で済ませた私の弁舌に感謝してもらいたいね」
「英断に感謝しますよ」
素直にタモンさんが頭を下げた。
対して、ヘルムはそうだろうと、得意げになっている。
ここは貴重な魔道具も多くあるからね。今後の事も考えるなら、破壊してまで勤労君の魔石を探すなんて事はやらない。
施設自体がそれ以上の価値があるから。
おおかた、お馬鹿な子爵が短絡的に言ったんだろう。それを諫めながら行動するってのも気苦労が絶えないってとこだな。
「その通りだよ。ウィザースプーン君。やはり、部下にほしいね」
相変わらずな能力ですね。看破の乙女。
「こちらはまだまだ戦いを行うには数が少ない。王都までならまだしも、大陸――、世界へと出るとなると、捷利嚮導の乙女だけだと、脅威を植え付けても、一体だけでは支配には時間を要するだろ。その為にも、支配権内に配置する小型の存在が必須だ。勤労君などというふざけた名前を捨てさせて、戦闘型ゴーレムを大量生産しなければならない。勤労君はその為の貴重なサンプルだ。さあ、魔石をこちらに」
「そんな事が許させるとでも! 勤労君は人々を支える力であって、威圧するための存在じゃないんです! 実際に目にするまでは、真実を受け入れたくなかったのですが、本当にこんな事を行ってるなんて! 局長は最低です」
タモンさんが反論しようとしたけども、それよりも先に、僕たちの前に立つ威風堂々たる姿。
銀髪のサイドテールをゆらして、覇気に漲った発言のロールさん。
耳にするヘルムの片方の眉が上がる。
不利な状況なのに、怖じ気づかない姿に生意気さを感じたようだ。
周囲の冒険者くずれは、ロールさんを目にした途端に表情に緩みが見えた。
が、グリーのような、にやけきったものではないので、そこそこの自制は出来る奴らだと考えた方がいいようだ。
それだけでも、グリーよりは遙かに格上だと窺い知れる。
赤く光るケース内。それが魔石にも伝播したかのように、赤く染まる。
ケースを開けて魔石を回収。
「これで九体の戦う勤労君の出来上がりだ」
笑んでいるけど、やはりどこか寂しい表情。
「戻りましょう」
ブンゴさんが柔和な表情で、タモンさんの大きな肩に手を当てて伝える。
魔道技術発展のために務めてきた者同士だからこそ、タモンさんの心境が分かるといったところか。
タモンさん。大きく首肯すると、今度は吹っ切れたような笑みを僕たちに見せてくれる。
地下室から戻れば――――、
「くそ……」
なんてこったい。
間が悪い。
「外が騒がしくなっても、こうやって、毎日のように足繁く通った成果があったな」
「ヘルム!」
「局長とはつけないのかな。ウィザースプーン君」
「とっくに局長じゃないよ。ここにいるロールさんが暫定局長だよ」
「ああ、得心がいくね。ここでニーズィー君じゃないところが、皆、慧眼を持っている」
そこだけは賛同してやる。
まあ、僕が無理矢理にロールさんを局長にしたんだけども。
だからここまでついてきてるんだけども……。
「さて、そちらの近況も聞いた事だし。タモン主任、魔石をこちらに」
「お断りですね。ここでそちらの戦力を上げるなんて馬鹿な事はしませんよ」
「こちらは戦力を上げたいんだ。どのみち、そちらでは現状、使用出来ないだろう。ふむ、地下室があったなんてね。君たちは逃げる時もそうだったようだが、モグラみたいに地下を好むのかな?」
小馬鹿にした嘲笑を向けてきたよ。
周囲には冒険者くずれが手に得物を持って、ヘルムの前で隊列を作り始める。
ヘルムの護衛をするだけあって、動きに無駄がないな。
「随分と荒らしてくれて」
「手っ取り早く破壊という案も出たが、それをこの程度で済ませた私の弁舌に感謝してもらいたいね」
「英断に感謝しますよ」
素直にタモンさんが頭を下げた。
対して、ヘルムはそうだろうと、得意げになっている。
ここは貴重な魔道具も多くあるからね。今後の事も考えるなら、破壊してまで勤労君の魔石を探すなんて事はやらない。
施設自体がそれ以上の価値があるから。
おおかた、お馬鹿な子爵が短絡的に言ったんだろう。それを諫めながら行動するってのも気苦労が絶えないってとこだな。
「その通りだよ。ウィザースプーン君。やはり、部下にほしいね」
相変わらずな能力ですね。看破の乙女。
「こちらはまだまだ戦いを行うには数が少ない。王都までならまだしも、大陸――、世界へと出るとなると、捷利嚮導の乙女だけだと、脅威を植え付けても、一体だけでは支配には時間を要するだろ。その為にも、支配権内に配置する小型の存在が必須だ。勤労君などというふざけた名前を捨てさせて、戦闘型ゴーレムを大量生産しなければならない。勤労君はその為の貴重なサンプルだ。さあ、魔石をこちらに」
「そんな事が許させるとでも! 勤労君は人々を支える力であって、威圧するための存在じゃないんです! 実際に目にするまでは、真実を受け入れたくなかったのですが、本当にこんな事を行ってるなんて! 局長は最低です」
タモンさんが反論しようとしたけども、それよりも先に、僕たちの前に立つ威風堂々たる姿。
銀髪のサイドテールをゆらして、覇気に漲った発言のロールさん。
耳にするヘルムの片方の眉が上がる。
不利な状況なのに、怖じ気づかない姿に生意気さを感じたようだ。
周囲の冒険者くずれは、ロールさんを目にした途端に表情に緩みが見えた。
が、グリーのような、にやけきったものではないので、そこそこの自制は出来る奴らだと考えた方がいいようだ。
それだけでも、グリーよりは遙かに格上だと窺い知れる。
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