拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-02

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「どうこれ? この戦いのために新調した仮面だよ」
 黒い仮面の両目の部分は赤い縦線が入っていた。

「血涙をイメージしてみました。これから愛する兄の命を奪ってしまうっていう悲しみのイメージ」

「の、割には嬉々とした声だな」

「そうかな♪」
 ケタケタと笑いつつも、タレットとタレットを結ぶ通路に移動し、見下ろしつつ橋を移動するシラクサ達を指差して、
「おお、いるいる。元この国の主が」

「現在も主だ」
 即答でゲイアードが返す。

「いやいや、今からはこの方だよ――――」
 空間に黒い扉が現れ、そこからヘルムが出て来る。
 
 ――……。
 
「はあ、はあ……」

「あ、あれ?」
 出てきた途端に息切れをしており、心配したヘイターが、仮面越しからヘルムを覗き見る。

「だ、大丈夫だ。年はとりたくないな……」
 先ほどまで魔道開発局におり、そこより出るのに全力で走った様子。
 少し走っただけで動悸が速くなっていると、迫る老いに落ち込みを見せる。

「はーふー」
 深呼吸を行い、呼吸を整え、
「お久しぶりですな。王よ」

「ヘルム。水でも飲んではどうか? まだ息が上がっているぞ」

「その様な嫌味を言えるとは、横に立つ大公の入れ知恵かな?」
 完全に呼吸が整い、口角を上げて返し、余裕を見せるヘルム。
 ヘルムとヘイターの二名が通路に立つ。
 二人だけか? と、シラクサの周囲で警戒していた冒険者たちは、心に余裕が生まれたようである。

「さらにゲストだ」
 口にすれば、ヘイターが更に黒い扉を現出さえ、扉が開くと、そこからは子爵であるマリドが現れた。

「ごきげんよう」
 あたかも自分がこの大陸をすでに制したかのような、余裕に満ちた笑みにてシラクサ達を見下すマリド。
 主従の関係が完全に崩壊している事は、その笑みで十分に理解できる。

「この様な大それた事をするとは」

「男たるもの、出世し、頂きに立ってこそ本懐」
 シラクサに対し、敬う言葉を使用することはないようで、対等ですらなく、マリドの語調は佇まい同様に、見下したものであった。

「貴様のような弱卒が頂きに立つとは、随分と笑える冗談が言えるようになったな」
 甥に代わり、ラゼンが嫌味を言えば、それだけで豹変する表情。
 いつまで上の立場にいるのかと、思い上がった存在に怒り心頭のようである。

「おい、大公を殺せ」
 ヘイターへと告げれば、
「え~。しんどいんですけど」

「命令だ。やれ」
 凄みを利かせるも、のれんに腕押しとばかりに、ヘイターには効果が無かった。

「まったく! ヘルム、お前の部下はどうなっている。勝手にケルプト山から巨大なゴーレムを運んだり、私の王城建設にも着手せずにゴーレムを鎮座させおって。カグラはどうした! いつになったら私の元にあの女を連れてくる」
 と、ヘイターへの苦言から始まり、下卑た内容に変わる。
 口から出て来る内容を耳にするだけで、ラゼンはたかがしれた男だと、嘆息を漏らした。
 
 憤慨するマリドに対し、涼しい顔で笑みを向けるヘルムは、
「そこまでお気に召さないのならば、こちらの者に頼るのではなく、ご自身と、ご自身の配下で当たればよろしいでしょう」
「なぜ新たなる王の兵をあのような者たちに使用せねばならん! ラゴットで飼ってやっていた者たちでよかろう」
「そういう言い方は。皆、この戦いのために馳せ参じているのですから」
「あいつらが恩や大義で動くものか。利に寄ってきているだけだ。だからこそ、こういう時の使い捨て達である」
「でもでも、お宅の兵よりは強いからね~」
 横からヘイターが生意気な口調で語りかければ、
 バシン――――と、音が響く。
 ヘルムがマリドに平手を見舞われた。

「お前がしつけていないから、こういう生意気な口調なのだ。飼い主が責任を負うべきだな」

「お前……」
 仄暗い声になるヘイターに対し、
「いい。気にするな。兄へのもあるだろう」
 そう言って、ヘイターを制止させれば、そうだったと、仮面の下で不敵に笑んで、素直に聞き入れた。
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