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レコンキスタ
PHASE-22
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「だったら、俺らに使ってくれよ」
サージャスさんとスイッチするように、ドレークさん、ムツ氏、ザイオン氏がダイアンの前に立ちふさがる。
「弱い者いじめは好きじゃねえんだ。おたくらじゃ、コイツには相応しくないしな」
鞘に納まった剣の柄を撫でる。
「言ってくれちゃって!」
諸手のブンディ・ダガーで、双剣に挑むザイオン氏。
「素早いね~」
飄々とした口ぶりで、容易くいなす。
躱されて転びそうになりつつも、体勢を整えて、即座に攻め立てる。
「元気だな~」
「だろ!」
「ふぅ!?」
背後からの声に対して、海老反りになりながら鋭利な先端を躱す。
「その白銀の輝き――ミスリルか! いいもん持ってんな! くれ!」
ここで、ロールさんからもらった吻でダイアンに仕掛けたドレークさん。
「やるわけがない! でもって、こっちも見ろ!」
「はいはい」
元気いっぱいの小麦色の肌が跳躍。
素早い攻撃を繰り出し、それをいなすと、横合いからドレークさんの追撃。
「うぜえ!」
氷塊を操って、吻の突きをそれで防ぎ、お返しに全方位からの氷塊攻撃。
「背後のは対応します」
ムツ氏の素早い斬撃で、キラキラと美しく彩るも、
「砕けば、またあいつが魔法を発動させる。だが、食らってやるわけにもいかんしな」
「面倒な攻撃ですね」
二人して氷塊を砕けば、一帯の気温がさらに低下。
ダイアン、氷結女王を立て続けに唱えて、またも刺々しい氷塊が無数に現れる。
長期戦になればなるほど不利になってしまう。
でも――――、
「面倒くさい連中だな」
飄々としていた語り方が、真面目なものになってきた。
追い詰められているのかもしれない。
ダイアンは、この三人で対応できるかも。
ザイオン氏は発展途上だけど、残りの二人は間違いなく実力者だからね。
「こいつはどうだ?」
ウニのようなトゲトゲの氷塊の下部分に霜が集束。
霜は人型を象っていく。
「これが本当の氷結女王だ。まったく、お前等のところの勇者殿はこれを見ずに行きやがって!」
ドレスを着た、美しい女性の姿となった氷塊。
ウニみたいに刺々しいところが、不思議と王冠に見えてくる。
王冠をかぶった氷の女王が数体出現。
「上等!」
まとめて相手してやるとばかりに、ドレークさんが語気を強めて驀地。
負けじと、ムツ氏とザイオン氏。更には周囲の冒険者さん達も、ダイアンと氷の美女に攻めかかっていった。
前線に負けないくらいに、後方も派手な戦闘に変わっていく。
でも、よく抑えてくれてる。
反面、一人でこれだけの人たちを相手にしているダイアンの強さは脅威だ。
サージャスさんが、戒律の乙女を奪還する間、耐えてほしい。
「おうピート」
「アズナさん」
頭を上に向ければ、アズナさんとアクシャイさんが上空で待機している。
「行くぜ」
勝ち気な笑みですね。
行くというのは――――、もちろんあそこだよな……。
――――有言実行だったな!
「しゃあ! こら!!」
頬を両手でバシンと叩いて気合いを入れる……。
痛い……。
やらなきゃよかった……。両目に涙が浮かんでるよ。
「無理しないで」
そんな心配そうな顔をしないでくださいよ。ロールさん。
無理しないで。ごめんなさい。どう考えたって、これから実行する事は、無理なことしかありません。
とりあえず、震える足を誤魔化すために、笑顔で返す。
「さあ」
アズナさんが手を伸ばしてくる。
手を取ろうとすれば、
「いやいや、ここは俺が」
「はあ!」
どちらが僕を抱えるかで主張しあう。
僕としては、10: 0でアズナさんにお願いしたいんですけど。
むさい龍人なんて嫌です。これから死地に向かうんだから、ここくらいは心地のよいのがいいです。
美人で胸の大きい、鳥人さんでオナシャス!
「――――アクシャイさん。お願いします」
は?
なんでロールさんが仕切るの。嫌だよ! 僕はアズナさんがいい!
「お願い――――します」
「は、はい!」
ロールさんの迫力に、直立で返答するアクシャイさん。
この場を凍らせるような雰囲気は何なの……。
ダイアンの冷気より冷えるよ…………。
反論の余地なんかないようだ。
そして、周囲のお偉方は、なぜ皆して顔を逸らしているのか? ロールさんが怖いんですかね。
普段は勝ち気で快活なアズナさんまで黙りこくっているし。
サージャスさんとスイッチするように、ドレークさん、ムツ氏、ザイオン氏がダイアンの前に立ちふさがる。
「弱い者いじめは好きじゃねえんだ。おたくらじゃ、コイツには相応しくないしな」
鞘に納まった剣の柄を撫でる。
「言ってくれちゃって!」
諸手のブンディ・ダガーで、双剣に挑むザイオン氏。
「素早いね~」
飄々とした口ぶりで、容易くいなす。
躱されて転びそうになりつつも、体勢を整えて、即座に攻め立てる。
「元気だな~」
「だろ!」
「ふぅ!?」
背後からの声に対して、海老反りになりながら鋭利な先端を躱す。
「その白銀の輝き――ミスリルか! いいもん持ってんな! くれ!」
ここで、ロールさんからもらった吻でダイアンに仕掛けたドレークさん。
「やるわけがない! でもって、こっちも見ろ!」
「はいはい」
元気いっぱいの小麦色の肌が跳躍。
素早い攻撃を繰り出し、それをいなすと、横合いからドレークさんの追撃。
「うぜえ!」
氷塊を操って、吻の突きをそれで防ぎ、お返しに全方位からの氷塊攻撃。
「背後のは対応します」
ムツ氏の素早い斬撃で、キラキラと美しく彩るも、
「砕けば、またあいつが魔法を発動させる。だが、食らってやるわけにもいかんしな」
「面倒な攻撃ですね」
二人して氷塊を砕けば、一帯の気温がさらに低下。
ダイアン、氷結女王を立て続けに唱えて、またも刺々しい氷塊が無数に現れる。
長期戦になればなるほど不利になってしまう。
でも――――、
「面倒くさい連中だな」
飄々としていた語り方が、真面目なものになってきた。
追い詰められているのかもしれない。
ダイアンは、この三人で対応できるかも。
ザイオン氏は発展途上だけど、残りの二人は間違いなく実力者だからね。
「こいつはどうだ?」
ウニのようなトゲトゲの氷塊の下部分に霜が集束。
霜は人型を象っていく。
「これが本当の氷結女王だ。まったく、お前等のところの勇者殿はこれを見ずに行きやがって!」
ドレスを着た、美しい女性の姿となった氷塊。
ウニみたいに刺々しいところが、不思議と王冠に見えてくる。
王冠をかぶった氷の女王が数体出現。
「上等!」
まとめて相手してやるとばかりに、ドレークさんが語気を強めて驀地。
負けじと、ムツ氏とザイオン氏。更には周囲の冒険者さん達も、ダイアンと氷の美女に攻めかかっていった。
前線に負けないくらいに、後方も派手な戦闘に変わっていく。
でも、よく抑えてくれてる。
反面、一人でこれだけの人たちを相手にしているダイアンの強さは脅威だ。
サージャスさんが、戒律の乙女を奪還する間、耐えてほしい。
「おうピート」
「アズナさん」
頭を上に向ければ、アズナさんとアクシャイさんが上空で待機している。
「行くぜ」
勝ち気な笑みですね。
行くというのは――――、もちろんあそこだよな……。
――――有言実行だったな!
「しゃあ! こら!!」
頬を両手でバシンと叩いて気合いを入れる……。
痛い……。
やらなきゃよかった……。両目に涙が浮かんでるよ。
「無理しないで」
そんな心配そうな顔をしないでくださいよ。ロールさん。
無理しないで。ごめんなさい。どう考えたって、これから実行する事は、無理なことしかありません。
とりあえず、震える足を誤魔化すために、笑顔で返す。
「さあ」
アズナさんが手を伸ばしてくる。
手を取ろうとすれば、
「いやいや、ここは俺が」
「はあ!」
どちらが僕を抱えるかで主張しあう。
僕としては、10: 0でアズナさんにお願いしたいんですけど。
むさい龍人なんて嫌です。これから死地に向かうんだから、ここくらいは心地のよいのがいいです。
美人で胸の大きい、鳥人さんでオナシャス!
「――――アクシャイさん。お願いします」
は?
なんでロールさんが仕切るの。嫌だよ! 僕はアズナさんがいい!
「お願い――――します」
「は、はい!」
ロールさんの迫力に、直立で返答するアクシャイさん。
この場を凍らせるような雰囲気は何なの……。
ダイアンの冷気より冷えるよ…………。
反論の余地なんかないようだ。
そして、周囲のお偉方は、なぜ皆して顔を逸らしているのか? ロールさんが怖いんですかね。
普段は勝ち気で快活なアズナさんまで黙りこくっているし。
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