拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

文字の大きさ
532 / 604
レコンキスタ

PHASE-45

しおりを挟む
 ――――敏捷性が高い。流石は細身にしただけある。
 軽快な動きで軍馬グラーネまで接近すれば、巧みなフットワークで懐まで入り込んだ。
 九体が合体すれば、軍馬グラーネにも負けないくらいの全長。

「そいや、そいや、そいや」
 背をかがめて身を丸くしつつ、8の字を横にした軌道で体を振り続けるゴールドジム君は、軍馬グラーネの下部に向けて突き上げるような拳のラッシュ。
 浮き上がった状態を利用して、軍馬グラーネは竿立ちからの前脚による攻撃を行おうとしたが、後方からブラッドシップさんの体当たりが直撃。
 そのまま地面に倒れれば、土煙を濛々と上げる。

「そい、そい、そい」
 大地修復の時みたいに軽快なかけ声で、攻撃を加えるゴールドジム君は、動きが止まった軍馬グラーネに対して、両手を変形させて剣の形にすると、突いて突いてつきまくる。
 元々あった能力は合体後も使用可能のご様子。
 整地するんじゃなくて、攻撃用になっているのが整備局員である僕としては、もの悲しい。
 タモンさんも同じようだ……。
 演じているような語り方や、無駄に高いテンションも、寂しさを誤魔化すものなのかもしれないな。

「どうです、ヘルムさん」
『タモン主任。私は常に言っている。素晴らしいものだと。名前と運用法以外はね。誇りたいなら私の下にくるといい』
「ピートと一緒で、遠慮します」
『そうか、ならば軍馬グラーネの遊び相手になってもらおう。ま、遊び相手にしかならないがね』
 確かに。軍馬グラーネに剣を突き刺しているけど、貫くって事は出来ていない。
 魔王さんご自慢の金属である、オレイカルコスの強度は、人知が届くにはまだ遠いようだ。



『こちらも再開だ』
 捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデが動き出す。
 何度も使用すれば躊躇ってのは薄れていくのか、それとも元々ないのか、歪んだ正義感に囚われたヘルムは、問答無用で魔力粒子砲を発射する。

「これは我が対処する」
 邪神が魔法陣を幾重も展開して止める。
 その間に、皆さんがフサルクを相手にしつつ、サージャスさんを前へと出してくれるが、いかんせん、ここでのダイアンの存在が鬱陶しい。

「邪魔っ!」

「邪魔してんだよ」
 笑む隻眼に、必死になって自分の為に動いてくれる方々に申し訳が無いとばかりに、サージャスさんは歯を軋らせて苛立っている。

「貴男ではボクに勝てない」

「言ってくれるね~。傷つくぜ!」
 双剣を繰り出し、接近して魔法を唱えるも、
「無駄だよ!」
 勝ち気な台詞と共に、赤いチャクラを纏えば、物理、魔法の両攻撃をかき消して、ダイアンを吹き飛ばす。

「こりゃ……、力の差ってのを痛感させられる…………」

「こんな事は言いたくないけど、場違い!」

「ハハ……。泣けてくるね!」
 そう言うと、手にした双剣を鞘へと戻し、別の双剣の柄に手を伸ばす。

「さっきは見せられなかったが、とっておきだ」
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

処理中です...