拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-92

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 周囲を見れば、サージャスさんとそのパーティー。
 ケーシーさんに、ゲイアードさん、リューディアさんたち霊体の方々。
 カグラさん達、魔王軍幹部。
 邪神と崇拝者たち。
 冒険者の面々に王軍兵士。
 瓦礫をこれだけの面子で包囲している。
 
 ――……でもって、
「ピートさん。お疲れ様です」
 人垣が畏れから割れる。
 出来た道を悠々と歩いてくるのは――――、まあベッタリと全身に血が付いてますね……。

「助かりました。ナイゼルさん」

「当然ですよ。ピートさんのお願いですから。いつでも馳せ参じます」
 いい人達ではあるんだ……。後方では氷竜王軍の皆さんも笑顔だし。
 でもやはり他と違って、姿がエグい……。

「「「「おお!!!!!」」」」
 突然の大歓声。
 理由はすぐに分かった。
 ドスンって激しい音と共に、四脚のでっかいのが豪快に、これまたでっかいお三方に投げ飛ばされた。
 捷利嚮導の乙女ブリュンヒルデが瓦礫となったから、あっちの四脚も魔力が枯渇して弱ったようだ。
 でっかいのが揃って喜びを表現している。
 勤労君たちの合体したのがポージングをすれば、それを真似て残りのでっかいのも真似してる……。
 横を見れば瞳の虹彩が無い方々、離れた位置ではでっかいのがポージング。
 なんだこの光景……。

「ピート君!」
「ロールさん」
「大丈夫だった?」
「この通り」
 安堵の笑み。可愛いのでチューしたい。
 ロールさんを先頭にして、王様たちも前線にやってこられた。
 ポージングにやんややんやと言っていた方々も静まりかえる。
 ん? 整備長がいないんだけど? どこいった? あのおっさん。

「本当によくやってくれた! この王都を奪還する為に尽力してくれた皆さん。本当にありがとう」
 飾りっ気なしの王様の言葉と、深々とした典雅な一礼。
 こういった真っ直ぐな言動が冒険者には伝わりやすい。

「命を落とした者、この戦いで一生涯の傷を負った者。本当に申し訳ない。この恩には必ず報いる。私の代だけでなく、次の代になろうとも償っていく」
 震える声で言ってらっしゃるけども、
「あの、しんみりとなる場で申し訳ないんですが――――」

「どうしたのかな? ピート君」
 うん……。目が充血してますね。泣いてましたね。
 大事な場面なのに、話の腰を折りおって! とばかりに大公様が睨んできた。まあ、まったくもって怖くないけども。

「問題ないですよ」
「ん? 何がだい?」
「いや、亡くなった方々も、大怪我した方々も、半日あれば解決じゃないでしょうか」
「ん?」
 僕が言っている事がいまいち理解できていない王様。
 説明も面倒なので、
「ナイゼルさん。リセットのきく人生お願いします」

「任せてください。――――やるぞ」
 血まみれのお歴々が詠唱を始めれば、地に倒れ、事切れた方々がむくりと起き上がる。

「え? 復活魔法!?」
 驚く王様。
 無理もない。大変に希少な大魔法である。
 死霊魔術師ネクロマンサーとして高位の魔術師であるゲイアードさんなら問題なく使用出来るだろうけど、一人で復活させるとなると、時間を大いに用いる事になるだろう。
 でも、ヴィン海域の方々は、地上で疑似ヴァルハラ、疑似エインヘリャルやってる歪んだガチ勢。
 大魔法の中でも最高位で希少な顕界再訪リザレクションを当たり前のように乱発で唱えてしまう、頭のおかしい方々なのだ。

「え~」
 目の前の光景に王様、現実離れしすぎて思考が追っつかないご様子。

「すごいでしょ。あの人達にとって命は、綿毛や羽毛より軽いんですよ」

「え~」
 しか言えなくなっている。
 ま、仕方ないね。
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