拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです。

PHASE-04

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「他にもまだ見つかっていない兵仗があるからの、ヘルムが言ったように、第二第三の存在が現れる可能性はゼロではない」
 おっかない話だよ。
 こんな大きな惨事は二度とごめんだ。
 歴史にすら載るような事変だったからね。
 やはり魔王さんには、二度と兵仗なんて作らないでもらって、全て揃ったら、さっさと体に取り込んでもらおう――――。

「今日も街中の修復か?」

「ええ、どれだけやっても終わりが見えてきませんよ」
 ヘルム達によって残された大きな爪痕。
 全ての王都避難民が、戻って生活が出来るようになるのに数年。
 完全復興となれば、十年以上はかかるだろう。
 至るところが破壊されているからね。
 区画を結ぶ橋も壊れてるし……。
 まあ、これは僕と行動していた百人長たちの破壊工作でこうなったんだけども。
 一応は、木系の魔法で、即席の橋を造ってくださっている。
 責任はちゃんと果たす事は素晴らしい。
 一般の方々の橋の通行は完全禁止の状態だけど、区画移動が楽だと作業も捗るから本当に助かる。
 
 整備局だけでなく、王都で公務に携わる方々は休日も無く、毎日が総動員だ。

「じゃあ、昼頃に配給に来てやるから」

「ありがとうございます」
 こうやって、王都に住まう方々の協力もある。
 ケーシーさんにバッカスの皆さん。レオニアさん達も色々と協力してくださっている。
 冒険者の方々も残ってお手伝いだ。
 もしかしたら、予定よりも早く完全復興するかもね。いや、その気概でやっていかないとな。
 本当にありがたいよ。
 だからこそ、僕はヘルムと違って、世界は今までどおりでいいと、はっきりと言える。
 童貞発言を大々的に戦場で発言した時は、僕に優しくない世界は滅んでしまえ! みたいなことも口にしたけども、この世界は現状で十分に素晴らしい世界だ。
 
 ――――朝食を終え、シュパーブ君と共に整備局へと移動。
 復興作業を始める前は、当たり前のように通っていた石畳も所々が破損して、局までたどり着くのに倍の時間を有していたけど、一週間経てば、スムーズに通れるくらいには補修されている。

「おはようございます」
 快活良く朝の挨拶を行えば、皆さんも同じように返してくれる。
 統一されたヒッコリー素材のつなぎを着て、気合いが入っている。
 僕たちの元トップがやらかしたからね。
 世間の目も厳しいものになってたりもするから、そこを払拭するためにも、皆さんはこの復興作業に全力を注いでいらっしゃる。

「おはよう」

「おはようございます。局長」

「やめてよ……」
 恥ずかしそうにして。可愛いな~。
 新たなる局長は初老から一気に若返る。
 暫定からそのままの流れで局長になったロールさん。
 正式な辞令もあり、また、ここにいる皆さんは反対することもなく、むしろ賛同。それによりロールさんが正式に局長となられた。
 この若さで局長。大陸にある全整備局の中でも初のことであり、現在はその重圧と戦っていらっしゃる。
 なので局長と呼べば、嘆息を漏らしてから口を開くくらいだ。

「局長、本日の作業は?」
 困った顔が可愛いので、僕はわざと局長と呼ぶ。

「ピート君には一番きついところをお願いしようかな。全壊に近い東門と、それに沿った城壁を一人で担当してくれる?」

「局長。それは職場権力を利用した嫌がらせです」

「嫌がらせをしてきているのはどっちかな?」
 もう、才能あるから局長になってるんですよ。
 そこは素直になればいいのに、もしロールさんが失敗しても誰も咎めませんよ。
 ロールさんが失敗するなら、ここにいる皆はそれ以上の失敗をします。

「一人では流石に無理なんで、ちゃんと人数を派遣してくださいね。日雇いの方々も王都には多く来られてますし」

「へ~素直だね」

「最優先ですからね。東門の修復は急ぎの案件です。もし、野盗なんかが来た日には」
 まあ、来ないだろうけども、もしもって事もあるからね。
 現在、王都には先の戦いで活躍された、多くの冒険者さん達が残って作業を手伝ってくださっている。
 好きこのんでそんなところに火事場泥棒をしようなんていう愚か者はいないだろう。
 更には、魔王さんが普通に王都にいる事もあって、カグラさんは護衛のために、人の姿をした方や、ペットとして飼われているのに近い姿をした魔物さん達を派遣。
 もちろん最古参位エルダークラスで統一。 
 護衛と同時進行で、街の警邏もしてくださっている。
 一般住人を不安にさせない人選をするところが、カグラさんの配慮だ。
 それに……、ストーキングな邪神もいるしな……。
 
 正直、現状の王都は、ヘルムに乗っ取られる前の警備よりも、レベルが高いものになっている。
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