とある、勇者の苦悩と哀惜

たまのゆ

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どうしようもないもの

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姫様の近衛になるのは絶望感を味わい続ける苦行でしかない。

それでも、本当の事を知らないアルファルファ君には美しく清らかそうなか弱い姫君に見えているのも事実だ。

悩みに悩んだ結果、アルファルファ君に姫様の実態を告げることに決めてその上でどうするのが良いのか対策を講じる事にした。

「ただいま帰りました!」

夕飯の食材の買い出しと言うお使いから元気に帰ったアルファルファ君に、

「お疲れ様。おかえりなさい。
重要な話しがあるからちょっとご飯の前に聞いてくれるかな?」

「はい…何でしょうか?」

にこにこ応えるアルファルファ君の笑顔が痛い。


夕飯を食べ終えて片付けも済ませたところで
おもむろに話始める。


「きっと、信じてはもらえないかもしれないけど…」


いままで見てきた数々の姫様の理不尽な行動と俺が勇者になった経緯などを
つ洗いざらいぶちまける。




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