6 / 49
VSスライム
説教までがワンセット
しおりを挟む「エルジュ、ちょっとそこに座れ」
「え? 今から座ってヤるの? 喜んで! グリオスってば昼間にあれだけヤったのに、まだ足りないだなんて――」
「性欲底なしのお前と一緒にするな! お前、どれだけ俺と一緒にいる? 説教するに決まってるだろうが!」
宿のベッドに腰かけていたグリオスは、思わず立ち上がって向かい側のベッドで寝そべっていたエルジュを怒鳴りつける。
「どうしてお前は魔物を見たら、ふらっと近づいて襲われたがるんだ? いくらお前が強くても、アイツらの特殊な能力を受けたら力を封じられて、えげつない目に遭うんだぞ? 分かってるのか?」
「経験者が言うと重みがあるねー。そんなにえげつないの?」
体を起こしながらエルジュは小さく笑うと、グリオスの前に座る。
怒気に委縮するどころか、目を好奇に輝かせながらエルジュはグリオスを見上げる。
反省の色は一切なし。自分の行動のせいだという罪悪感すら見当たらない。
そんな様子に腹が立ち、グリオスはエルジュの両肩を掴んで顔を近づける。
「恥を忍んで教えてやるが、最悪だからな! アイツらは加減を知らない。人の状態なんかお構いなしだ。達したばかりでも抉ってくるし、もっと出せと扱いてくるし……終わった後は自尊心が完全に地に堕ちて、思い出すだけで吐き気がしてくる」
「あんなにヨガってキモチ良さそうにしてるのに?」
「違う! あれは喘がされているだけだ! 心は気持ち悪くて死にたくなるほどなんだからな!」
「ウソだぁ。オレ相手じゃなくても、キモチ良くなりたがって腰揺らしてるのに。いい加減、キモチ良いの大好きでハマってるって認めちゃえばいいのに」
腹の底からグリオスが本音を吐き出して伝えても、エルジュは軽く笑い飛ばしてしまう。
そして色めいた視線をグリオスへ向ける。
「体がもっとシたがってるなら、喜んで相手になるよ? いつもオレが清めてあげているんだもの。魔物でおかしくなっていない時にしても、充分にキモチ良くなれると思うから……」
不意に首を伸ばされ、グリオスの唇がエルジュにつまみ食いされる。
舌が唇を割って入り込んでくるよりも先に、グリオスはドンッとエルジュを突き飛ばしてベッドに倒した。
「ふざけるな! お前とヤるのは応急処置だ。人外な底なしの性欲と下半身の機能を持つお前だけが、魔物のせいで異常な催淫状態にかかった体に付き合うことができるから……そうでなければ、誰がお前とヤるものか!」
「ええー……オレはいつでもグリオスとやりたいのにー。ほら、今のキスでもう勃っちゃったし、先っちょだけでも構って。お願いだから」
「お前がそれだけで満足できるワケがないだろうが! 呼び水になって一晩中ヤりまくるだろ……っ」
「そんなことないって。いい子にするから。ね? 座って抱っこしながらヤるの、しよ? オレがグリオスを後ろから抱き込んで、先っちょだけ入るようにグポグポしてあげるから」
「俺が足掻けない体位じゃないか! ヤり始めたら最後、お前の都合で延々と止まらなくなる展開しかない。問題外だ!」
グリオスは思いっきり怒鳴った後、自分のベッドに横たわり、エルジュに背を向けてン無理に入る。
話にならない。無視して寝るに限る。
後ろで「えー、意地悪ー」と文句を垂れるエルジュへ、グリオスは「諦めて寝ろ」と突き放して目を閉じた。
17
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
Sランク冒険者クロードは吸血鬼に愛される
あさざきゆずき
BL
ダンジョンで僕は死にかけていた。傷口から大量に出血していて、もう助かりそうにない。そんなとき、人間とは思えないほど美しくて強い男性が現れた。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる