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十話 至高への一歩
●中断した代償
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◇ ◇ ◇
宴の翌日、澗宇と侶普は帰路についた。
そしてその日の昼過ぎには、入れ替わるように澗宇の領土から資材が届いた。
「フッフッフッ……これで望んでいたことが叶います」
荷馬車に乗ったままの資材を目の当たりにしながら、才明が弾んだ声で呟く。
横目でその顔を見やれば、常時微笑んでいるような糸目でも分かってしまうほど、才明は満面の笑みを浮かべていた。
いったいどれだけ作るつもりなのだろうかと思っていると――ガッ。
不意に大きな手が俺の肩を掴んだ。
顔を見ずとも、肩にかかる重みで誰か分かってしまう。
ゆっくりと振り向けば、華候焔が色めきだった目を隠さずに俺を見下ろしていた。
「はっ……ぁ、ぅ……っ……ン……」
日が沈んですぐ、俺の体はいつになく昂った熱棒に貫かれていた。
寝台の上で俺は華候焔に背を向ける形でまたがり、両手首を掴まれ、何度も最奥を押し込まれて鳴かされる。
手で口を塞ぐことができず、甘く蕩けていく声が垂れ流しになる。
背を丸めることが許されない体は、華候焔からの快感に堪える術はなく、淫らに感じ入ってしまう。
昨日は英正の熱情をすべて受け止め、快楽の海に深く沈められてしまった体。
すぐに華候焔を中へと招き、息苦しさよりも先に甘さを覚え、より深い快感を覚えて堕ちていく。
肉体を壊されて頭の奥まで愛でられているような――グッ、と大きく貫かれた瞬間、更なる痺れが俺の全身を走り抜けていく。
思わず頭を振り乱していると、華候焔から喉の奥で笑う声がした。
「誠人、悪いな……ずっと我慢させられたんだ。今晩は付き合ってもらうぞ」
顔を見ずとも欲情を隠さぬ低い声だけで、華候焔が不敵に笑う表情が分かってしまう。
本当は昨日の朝に俺を抱き潰したかったのに、英正が澗宇を連れて帰還したことで中断されてしまったのだ。こうなるのは想定の範囲内だった。
「アッ……は、ぁ……っ……あぁぁぁ……ッッ!」
また絶頂に俺の体が大きく脈打つ。
硬直し、一層深く快楽に沈められ、体が弛緩する。
フラリと揺れた俺の背を、華候焔の大きく熱い手が支えた。
「おっと……まだ俺は達していないぞ? もう限界だなんて言わんよな?」
昂ったままのものを引き抜くと、華候焔はおもむろに俺の体の向きを変え、互いに向き合う形にする。
目の当たりにした華候焔の顔が紅潮している。
俺が欲しくてたまらないとギラついた目と視線が合った途端、俺の胸奥がこそばゆく疼く。
思わずその唇に引き寄せられるように顔を近づければ、待てないと言わんばかりに華候焔は俺の後頭部に手を回し、力強く引き寄せて深々と口付けた。
宴の翌日、澗宇と侶普は帰路についた。
そしてその日の昼過ぎには、入れ替わるように澗宇の領土から資材が届いた。
「フッフッフッ……これで望んでいたことが叶います」
荷馬車に乗ったままの資材を目の当たりにしながら、才明が弾んだ声で呟く。
横目でその顔を見やれば、常時微笑んでいるような糸目でも分かってしまうほど、才明は満面の笑みを浮かべていた。
いったいどれだけ作るつもりなのだろうかと思っていると――ガッ。
不意に大きな手が俺の肩を掴んだ。
顔を見ずとも、肩にかかる重みで誰か分かってしまう。
ゆっくりと振り向けば、華候焔が色めきだった目を隠さずに俺を見下ろしていた。
「はっ……ぁ、ぅ……っ……ン……」
日が沈んですぐ、俺の体はいつになく昂った熱棒に貫かれていた。
寝台の上で俺は華候焔に背を向ける形でまたがり、両手首を掴まれ、何度も最奥を押し込まれて鳴かされる。
手で口を塞ぐことができず、甘く蕩けていく声が垂れ流しになる。
背を丸めることが許されない体は、華候焔からの快感に堪える術はなく、淫らに感じ入ってしまう。
昨日は英正の熱情をすべて受け止め、快楽の海に深く沈められてしまった体。
すぐに華候焔を中へと招き、息苦しさよりも先に甘さを覚え、より深い快感を覚えて堕ちていく。
肉体を壊されて頭の奥まで愛でられているような――グッ、と大きく貫かれた瞬間、更なる痺れが俺の全身を走り抜けていく。
思わず頭を振り乱していると、華候焔から喉の奥で笑う声がした。
「誠人、悪いな……ずっと我慢させられたんだ。今晩は付き合ってもらうぞ」
顔を見ずとも欲情を隠さぬ低い声だけで、華候焔が不敵に笑う表情が分かってしまう。
本当は昨日の朝に俺を抱き潰したかったのに、英正が澗宇を連れて帰還したことで中断されてしまったのだ。こうなるのは想定の範囲内だった。
「アッ……は、ぁ……っ……あぁぁぁ……ッッ!」
また絶頂に俺の体が大きく脈打つ。
硬直し、一層深く快楽に沈められ、体が弛緩する。
フラリと揺れた俺の背を、華候焔の大きく熱い手が支えた。
「おっと……まだ俺は達していないぞ? もう限界だなんて言わんよな?」
昂ったままのものを引き抜くと、華候焔はおもむろに俺の体の向きを変え、互いに向き合う形にする。
目の当たりにした華候焔の顔が紅潮している。
俺が欲しくてたまらないとギラついた目と視線が合った途端、俺の胸奥がこそばゆく疼く。
思わずその唇に引き寄せられるように顔を近づければ、待てないと言わんばかりに華候焔は俺の後頭部に手を回し、力強く引き寄せて深々と口付けた。
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