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第二章
episode_11 悪魔はもう一人いる その2
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「さあ、明日から忙しくなるよ、ロザリンデ。まずはウェディングドレスを注文しなければ。マティルダの時と同じ店で仕立ててもいいし、もちろん別のメゾンでも構わない。他にも披露宴用のドレスに、新婚旅行用のスーツも必要だろう。何、お金のことは心配いらない。ロチルド伯爵夫人の妹にして名門ムーア子爵家の令嬢として恥ずかしくない嫁入り支度をさせてもらうと、君のお父上にも伝えてある。子爵も大層お喜びだ。おめでとう、ロザリンデ。これで私もマティルダもようやく肩の荷が下りたよ」
「嫌、嫌です、そんなの……酷いわお義兄様、あなたはそれでも人間ですか!? わたくしは人形ではありません、こんな縁談、とうていお受けすることはできません……」
青いベルベットの寝椅子に身を投げて嘆き悲しむロザリンデを、テオドールが後ろから抱き起こして、慣れた手つきでコルセットの中をまさぐった。すると身体は心と裏腹にすぐに反応し、頂きが硬く尖って、それがまたロザリンデの嘆きを激しくさせたが、テオドールはその姿すら愉しんでいるかのように、巧みに乳房の愛撫を続けた。
「私に触れられるとすぐにこんなになる癖に、何を言っているんだ? 君の身体はね、もう私なしではいられないんだよ。諦めて素直に欲望に身を任せなさい。いつも言ってるだろう? 私に従っていれば、悪いようにはしないと」
「い……や……あっ、んん……っ」
「初めて会った時から、いつか君を私のものにしようと考えていた。だが子爵家の事情を考えると、まずはマティルダを娶ったほうがお互いに利害が一致すると思ったんだよ。少々時間はかかったが、ようやくその日が来る。ああ、ロザリンデ、私は欲しいものは必ず手に入れる男だ、これからは好きなだけ君を抱くことができるし、君が他の男に抱かれてよがり泣く様もとっくりと眺めることができる。今からその時が待ちきれなくて、喜びで胸が震えるよ」
「嫌です、お義兄様……あ……っ、お願い、後生ですから……あぁ……いやあっ、離して!」
我慢の限界を迎えたロザリンデは、渾身の力で義兄を振りほどいて突き飛ばすと、転がるように書斎を飛び出した。
全部、あの男の計画通りだった……。マティルダお姉様に自分を愛するように仕向け、四人も子供を作り、子爵家の父の信頼を得て、妹を呼び寄せ、弱みを握って、そして……。十年近くという長い年月をかけて、あの男はゆっくりと、しかし確実に、獲物を追いつめていたのだ。子供だったわたくしには、どうすることもできなかった。悔しい、悔しい、お姉様の真心を、お父様の家名を思う気持ちを利用したあの男と、その掌で踊らされていた愚かな自分が、許せない……。
「うっ、うう、う……っ、ああ……っ」
(もうこれ以上、一秒だってここにはいたくない。どこでもいい、ここではないどこかへ行きたい。誰か、誰か助けて……!)
望むだけ無駄なことは分かっている。それでもどこかに希望の糸があるとしたら、縋らずにはいられない。ロザリンデは息を弾ませながら、暗い廊下を走った。
「嫌、嫌です、そんなの……酷いわお義兄様、あなたはそれでも人間ですか!? わたくしは人形ではありません、こんな縁談、とうていお受けすることはできません……」
青いベルベットの寝椅子に身を投げて嘆き悲しむロザリンデを、テオドールが後ろから抱き起こして、慣れた手つきでコルセットの中をまさぐった。すると身体は心と裏腹にすぐに反応し、頂きが硬く尖って、それがまたロザリンデの嘆きを激しくさせたが、テオドールはその姿すら愉しんでいるかのように、巧みに乳房の愛撫を続けた。
「私に触れられるとすぐにこんなになる癖に、何を言っているんだ? 君の身体はね、もう私なしではいられないんだよ。諦めて素直に欲望に身を任せなさい。いつも言ってるだろう? 私に従っていれば、悪いようにはしないと」
「い……や……あっ、んん……っ」
「初めて会った時から、いつか君を私のものにしようと考えていた。だが子爵家の事情を考えると、まずはマティルダを娶ったほうがお互いに利害が一致すると思ったんだよ。少々時間はかかったが、ようやくその日が来る。ああ、ロザリンデ、私は欲しいものは必ず手に入れる男だ、これからは好きなだけ君を抱くことができるし、君が他の男に抱かれてよがり泣く様もとっくりと眺めることができる。今からその時が待ちきれなくて、喜びで胸が震えるよ」
「嫌です、お義兄様……あ……っ、お願い、後生ですから……あぁ……いやあっ、離して!」
我慢の限界を迎えたロザリンデは、渾身の力で義兄を振りほどいて突き飛ばすと、転がるように書斎を飛び出した。
全部、あの男の計画通りだった……。マティルダお姉様に自分を愛するように仕向け、四人も子供を作り、子爵家の父の信頼を得て、妹を呼び寄せ、弱みを握って、そして……。十年近くという長い年月をかけて、あの男はゆっくりと、しかし確実に、獲物を追いつめていたのだ。子供だったわたくしには、どうすることもできなかった。悔しい、悔しい、お姉様の真心を、お父様の家名を思う気持ちを利用したあの男と、その掌で踊らされていた愚かな自分が、許せない……。
「うっ、うう、う……っ、ああ……っ」
(もうこれ以上、一秒だってここにはいたくない。どこでもいい、ここではないどこかへ行きたい。誰か、誰か助けて……!)
望むだけ無駄なことは分かっている。それでもどこかに希望の糸があるとしたら、縋らずにはいられない。ロザリンデは息を弾ませながら、暗い廊下を走った。
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