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第3章 航路
55.恐ろしい発見があるようです
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3日後、店が終わりそれぞれが自室に戻った。ハジメが部屋に入るとベランダの窓から3人の忍者の姿が見えた。ハジメは微笑みながらベランダに続く扉を開けると、
「ハジメ、そこじゃなくて、窓開けてー」
と言うので窓を開けると枠を乗り越えて室内に入ってくると3日前と同じポーズを取る。
「お館様、石が3つほど見つかりました」
と言い、テーブルに白い石を置いたので
「ありがとう、3人とも」
と言うと、背後から
「旦那様、そこは『よくやった。褒めて遣わす』と言ってあげてください」
と陽の声がする。ハジメがその通りに言うと
「ありがたきお言葉。それでは某らはこれで御免」
と言い再び窓から出て行く。それを見て陽は窓を閉め、ベランダの扉を開く。そこから忍者姿からいつもの姿に戻った3人の精霊が「面白かった~」と言いながら入ってくる。どうやら満足したようである。
水精霊の藍がテーブルに置かれた3つの石の一番左の10㎝四方くらいの石を指さして
「これがここの北にある凍った湖の底で取れるもので、少し珍しい感じです。ここから馬車で2か月くらいの所にあります」
<鑑定>
永久氷床:極寒の気候で清らかな水以上の水で稀に出来る溶けることのない氷。20m×20m×20mの任意の空間を凍らせることが出来る。
「ホウ砂ではないけど、これで食料の保存が長くできるな。倉庫に使おうっと。ありがとうね藍」
と言いながら頭を撫でると満足そうにしていた。それを見た航が次は僕と言うようにハジメの前に出て、右端の石を持ち上げる。
「この石は東の方、海の向こうにある火山がある島だよ。そんなに遠くはないよ。結構沢山あったよ。中くらいの大きさのやつにしたんだ」
と言うと
「こっから私で8分くらい地面の上を飛んで、海の上を2分くらいかなー」
「という事は人で歩いて4時間くらい、後は船次第と言ったところですかね。旦那様」
航の情報を舞が補足してさらに陽が補足する。
<鑑定>
ホウ砂の結晶:ホウ素の結晶。純度99.9%。
航の持ってきたものが当たりのようである。これで耐熱ガラスができ、ガラスのポットが出来るのだ。航の頭を同じように撫でて後でクララの所に持って行くことにする。
「最後はこれね。西の森にある崖の近くで見つけたの。割と沢山落ちてたの。ここから馬車で1か月ちょっとかな」
と舞が石を渡してくる。持つとズシリと重い。感覚的には2kgほどはありそうである。
<鑑定>
白金:99.9%の純度を持つ白金。
鑑定すると白金とある。恐らく貨幣に使われているものだろう。通常貨幣とは稀少価値でランクが分かれていると言って過言ではない。ということは白金はなかなか摂れるものではないのだ。それが舞によると沢山あるという。これが見つかれば貨幣価値が大きく変わってしまう。この世界では貨幣は統一されてるから、一国がプラチナを手に入れ、白金貨を量産出来るようになれば世界中でデフレが起こり下手をすれば亡びる国家も出てくる可能性があるのだ。
「あ、ありがとう舞。これが採れた近くに建物とか人とか居なかった?強い魔物が居たとか?」
と舞の頭を撫でながらハジメが聞くと
「ううん。誰も居なかったわー。凄く前に人が住んでいたような跡があったけど、今はだれもそこには居なかったし、近くに誰も居なかったわー」
とハジメの腕にぶら下がりながらきゃっきゃっと遊んでいる。
「旦那様、いかがしました?かなり強張った顔をされていますが」
「陽、神様に会える?舞の見つけてきてくれたこれをこのままにしててもいいのか、回収した方がいいか聞いてきてくれない?」
とプラチナを渡すと、すぐに陽の姿が消える。それに気づかず楽しんでいる3人の相手をしていると陽が再び姿を現す。
「旦那様、どうやら全て回収して欲しいとのことです。近々亡びた村の定期的な視察があるそうです。発見される可能性は低いようですが、念には念を入れておきたいとのことです。神様的には見つかっても問題はないそうですが、ハジメ様が困る状況になるのは避けたいとのことでした」
「陽、ありがとう。3人とも申し訳ないけど、舞の採ってきてくれたこの石を全部採ってきてくれる?」
と言うと右手を挙げて
「「「はーい」」」
と言う。趣味全開の彼らであるが、基本いい子たちなのだ。3人はベランダへ続くドアから出て行く。精霊たちに朝も夜も関係ないらしい。それを2人で見送ると陽が
「旦那様。ナハル様からの伝言なのですが、ホウ砂をどうせ取るなら大型船を作って欲しいとのことです。他の神々もそれを望んでおられるようです」
「他の神々も?」
と陽の言葉にハジメが続ける。
「えぇ。大型船により他国との交流が生まれることで人が行き来し互いの理解も深まり、争いも減るのではないかとのことでした。それに・・・」
「それに?」
「旦那様の蓄えはかなりの額になっております。旦那様がお使いになるお金はポーションの容器や家具、服などで、贅沢はなさりませんので、出て行くお金がかなり少ないのです。実際に商業ギルドの口座で支払いや入金をしているので実感はないと思われますが」
と続ける。
「え?そんなに使ってない?」
「えぇ。この店が建って販売数が増えてからだけでもこの家の2周りほど大きい屋敷が余裕で建つくらい稼いでおられるのですよ。どうやら商業ギルドからもそれとなく使うように言われていたみたいですが、リナリー様とコウ様はその立場から旦那様にお伝えしなかったようです。私は執事ですので、きちんとお伝えしましたが」
「え?ここが建ってからって言われたけど、まだ1週間ちょっとしか経っていないよ?それなのにそんなに稼いだ?」
とハジメが不思議そうな顔をすると、
「コウ様の記録によると初日は200万、商人への販売を除いて1週間で1000万。契約した商人が1週間で2,500万。ですので先週1週間で約3,700万。1か月で1億4,000万の売り上げになる予定です」
「なるほど・・・・。取りあえず人を雇おうか・・・」
と頷くと、陽は
「そうですね。その方がよろしいかと。リナリー様もコウ様も休憩が取れていないようですので」
と言う。とんでもないブラック企業と化していたようだ。これはいち早く何とかしないと2人が倒れてしまうかもしれない。休みの日は1週間9日のうちの1日だけなのだ。
「やはり奴隷をお買いになられるんですか?」
とふと思い出したように陽が聞く。
「うーん。まずは商業ギルドで募集を掛けてからかな。通いの人が良いと思うんだよ。だから予定になかった休憩室を作ったんだろうし」
とハジメが答える。
「では、明日のお休みの日に商業ギルドに向かうということで。私はこれで失礼します。おやすみなさい旦那様」
と優雅にお辞儀をして部屋を出て行った。
「2人といい関係が作れる人が居ればいいけど」
そう思わず呟いて眠りに落ちた。
ハンドブック 11項目目
11-4.永久氷床を手に入れよう:Clear!
11-5.ホウ砂の結晶を手に入れよう:Clear!
11-6.白金を手に入れよう:Clear!
「ハジメ、そこじゃなくて、窓開けてー」
と言うので窓を開けると枠を乗り越えて室内に入ってくると3日前と同じポーズを取る。
「お館様、石が3つほど見つかりました」
と言い、テーブルに白い石を置いたので
「ありがとう、3人とも」
と言うと、背後から
「旦那様、そこは『よくやった。褒めて遣わす』と言ってあげてください」
と陽の声がする。ハジメがその通りに言うと
「ありがたきお言葉。それでは某らはこれで御免」
と言い再び窓から出て行く。それを見て陽は窓を閉め、ベランダの扉を開く。そこから忍者姿からいつもの姿に戻った3人の精霊が「面白かった~」と言いながら入ってくる。どうやら満足したようである。
水精霊の藍がテーブルに置かれた3つの石の一番左の10㎝四方くらいの石を指さして
「これがここの北にある凍った湖の底で取れるもので、少し珍しい感じです。ここから馬車で2か月くらいの所にあります」
<鑑定>
永久氷床:極寒の気候で清らかな水以上の水で稀に出来る溶けることのない氷。20m×20m×20mの任意の空間を凍らせることが出来る。
「ホウ砂ではないけど、これで食料の保存が長くできるな。倉庫に使おうっと。ありがとうね藍」
と言いながら頭を撫でると満足そうにしていた。それを見た航が次は僕と言うようにハジメの前に出て、右端の石を持ち上げる。
「この石は東の方、海の向こうにある火山がある島だよ。そんなに遠くはないよ。結構沢山あったよ。中くらいの大きさのやつにしたんだ」
と言うと
「こっから私で8分くらい地面の上を飛んで、海の上を2分くらいかなー」
「という事は人で歩いて4時間くらい、後は船次第と言ったところですかね。旦那様」
航の情報を舞が補足してさらに陽が補足する。
<鑑定>
ホウ砂の結晶:ホウ素の結晶。純度99.9%。
航の持ってきたものが当たりのようである。これで耐熱ガラスができ、ガラスのポットが出来るのだ。航の頭を同じように撫でて後でクララの所に持って行くことにする。
「最後はこれね。西の森にある崖の近くで見つけたの。割と沢山落ちてたの。ここから馬車で1か月ちょっとかな」
と舞が石を渡してくる。持つとズシリと重い。感覚的には2kgほどはありそうである。
<鑑定>
白金:99.9%の純度を持つ白金。
鑑定すると白金とある。恐らく貨幣に使われているものだろう。通常貨幣とは稀少価値でランクが分かれていると言って過言ではない。ということは白金はなかなか摂れるものではないのだ。それが舞によると沢山あるという。これが見つかれば貨幣価値が大きく変わってしまう。この世界では貨幣は統一されてるから、一国がプラチナを手に入れ、白金貨を量産出来るようになれば世界中でデフレが起こり下手をすれば亡びる国家も出てくる可能性があるのだ。
「あ、ありがとう舞。これが採れた近くに建物とか人とか居なかった?強い魔物が居たとか?」
と舞の頭を撫でながらハジメが聞くと
「ううん。誰も居なかったわー。凄く前に人が住んでいたような跡があったけど、今はだれもそこには居なかったし、近くに誰も居なかったわー」
とハジメの腕にぶら下がりながらきゃっきゃっと遊んでいる。
「旦那様、いかがしました?かなり強張った顔をされていますが」
「陽、神様に会える?舞の見つけてきてくれたこれをこのままにしててもいいのか、回収した方がいいか聞いてきてくれない?」
とプラチナを渡すと、すぐに陽の姿が消える。それに気づかず楽しんでいる3人の相手をしていると陽が再び姿を現す。
「旦那様、どうやら全て回収して欲しいとのことです。近々亡びた村の定期的な視察があるそうです。発見される可能性は低いようですが、念には念を入れておきたいとのことです。神様的には見つかっても問題はないそうですが、ハジメ様が困る状況になるのは避けたいとのことでした」
「陽、ありがとう。3人とも申し訳ないけど、舞の採ってきてくれたこの石を全部採ってきてくれる?」
と言うと右手を挙げて
「「「はーい」」」
と言う。趣味全開の彼らであるが、基本いい子たちなのだ。3人はベランダへ続くドアから出て行く。精霊たちに朝も夜も関係ないらしい。それを2人で見送ると陽が
「旦那様。ナハル様からの伝言なのですが、ホウ砂をどうせ取るなら大型船を作って欲しいとのことです。他の神々もそれを望んでおられるようです」
「他の神々も?」
と陽の言葉にハジメが続ける。
「えぇ。大型船により他国との交流が生まれることで人が行き来し互いの理解も深まり、争いも減るのではないかとのことでした。それに・・・」
「それに?」
「旦那様の蓄えはかなりの額になっております。旦那様がお使いになるお金はポーションの容器や家具、服などで、贅沢はなさりませんので、出て行くお金がかなり少ないのです。実際に商業ギルドの口座で支払いや入金をしているので実感はないと思われますが」
と続ける。
「え?そんなに使ってない?」
「えぇ。この店が建って販売数が増えてからだけでもこの家の2周りほど大きい屋敷が余裕で建つくらい稼いでおられるのですよ。どうやら商業ギルドからもそれとなく使うように言われていたみたいですが、リナリー様とコウ様はその立場から旦那様にお伝えしなかったようです。私は執事ですので、きちんとお伝えしましたが」
「え?ここが建ってからって言われたけど、まだ1週間ちょっとしか経っていないよ?それなのにそんなに稼いだ?」
とハジメが不思議そうな顔をすると、
「コウ様の記録によると初日は200万、商人への販売を除いて1週間で1000万。契約した商人が1週間で2,500万。ですので先週1週間で約3,700万。1か月で1億4,000万の売り上げになる予定です」
「なるほど・・・・。取りあえず人を雇おうか・・・」
と頷くと、陽は
「そうですね。その方がよろしいかと。リナリー様もコウ様も休憩が取れていないようですので」
と言う。とんでもないブラック企業と化していたようだ。これはいち早く何とかしないと2人が倒れてしまうかもしれない。休みの日は1週間9日のうちの1日だけなのだ。
「やはり奴隷をお買いになられるんですか?」
とふと思い出したように陽が聞く。
「うーん。まずは商業ギルドで募集を掛けてからかな。通いの人が良いと思うんだよ。だから予定になかった休憩室を作ったんだろうし」
とハジメが答える。
「では、明日のお休みの日に商業ギルドに向かうということで。私はこれで失礼します。おやすみなさい旦那様」
と優雅にお辞儀をして部屋を出て行った。
「2人といい関係が作れる人が居ればいいけど」
そう思わず呟いて眠りに落ちた。
ハンドブック 11項目目
11-4.永久氷床を手に入れよう:Clear!
11-5.ホウ砂の結晶を手に入れよう:Clear!
11-6.白金を手に入れよう:Clear!
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