大いなる神秘の鍵

エリファス1810

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第1部 宗教の神秘

第1部 第5条

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第1部 第5条

 最後の問題の解決

 宗教と迷信の間に境界線を引く事と、奇跡と驚異現象の論理をもたらす事

 宗教と、迷信と狂信の区別

 「迷信」を意味するsuperstitionの語源はラテン語で「上に立つもの」、「生き残ったもの」を意味するsuperstitioである。
 意味の死後も残存している形骸化した迷信とは、意味である概念の死後も残存している形骸化した象徴である。
 迷信とは、概念よりも好まれた形骸化した形である。
 迷信とは、論理無しの形骸化した儀式である。
 分裂して孤立している信仰は、無感覚に成り、結果として、迷信という死体に成り果ててしまう。
 迷信は、分裂して孤立して無感覚に成って死んだ、信仰の死体である。
 迷信とは、命の死である。
 迷信とは、霊感の劣悪な代替としての、麻痺状態である。
 狂信とは、熱狂している迷信である。
 「狂信」を意味するfanaticismの語源はラテン語で「神殿」を意味するfanumである。
 狂信とは、神の劣悪な代替としての、神殿という形骸化した物質への偶像崇拝である。
 狂信とは、祭司の務めの栄光の劣悪な代替としての、聖職者への人間的な俗な好奇心である。
 人は、劣悪な熱狂において、信者としての信心を悪用する。
 寓話でラ フォンテーヌは、「敬礼される聖遺物を背負ったロバは、『ロバ自身が敬礼されている』と誤って思い込んだ」と話しているが、寓話でラ フォンテーヌは、「実際に、何人かは、『迷信家は、聖遺物よりも、聖遺物を背負ったロバ自体を偶像崇拝している』と考えた」とは思い至らず、話せなかった。
 仮に、人が、迷信家の狂愚を笑いものにしたら、迷信家である狂信者によって殺される事も正にあり得るであろう。
 なぜなら、迷信から狂信までは、たった一歩の近さである。
 迷信とは、愚者である狂人が曲解した信仰である。
 狂信とは、怒る口実として悪用されている信仰である。
 意図して悪意を持って宗教を迷信や狂信と混同する人は、盲目的な先入観を狂愚から盗用している。
 また、多分、同様に、意図して悪意を持って宗教を迷信や狂信と混同する人は、不公正と怒りを狂信から盗用しているのである。
 宗教裁判官どもにしろ、「フランス革命」の「九月虐殺」の虐殺者どもにしろ、名前は問題ではない!
 イエス キリストのキリスト教は、殺人を常に非難してきたし非難する。
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