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デートに影
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そして、時は経ち今日は部長とご飯の約束の日。
あの陰口を聞かれてからも部長の態度は変わらず接してくれたていた。時折微笑みを向けられる事にドキッと心臓が騒ぐようになった。
「部長は既婚者…。既婚者。」
ぶつぶつと精神安定を図る事に夢中になり、彼が近くにいると気付かず急に肩に手を乗せられ顔を覗き込まれてやっと意識が戻った。
「課長?大丈夫ですか?」
「ひゃぁっ!」
「酷いなぁ…」
榊くんはそう言いながら腕を組んだ。
「ご、ごめんなさい!その考え事してたから」
「はぁ…知ってますよ。そう言う顔してましたし…」
「え!?ど、どんな顔してたの。」
榊くんは目を逸らして少し悲しそうな顔をした。しかしそれも一瞬でパッと笑顔をこちらに向けた。
「眉間に皺が寄せて近寄んなって顔です。」
「え!?ご、ごめんなさい。気をつけないと!」
「嘘です。……こちらに向けて欲しいと思うほど可愛い顔してます。」
眉をハの字にして少し困ったと言った顔をする。
「も、もぉ!またからかってるでしょ!////」
「……ははっ。バレました?」
「榊くんの意地悪!上司をからかわないで。」
「だって、面白いからつい。すみません」
クスクス笑いながら謝る榊くんにいつの間には、心を奪われていて改めて実感するのだ。
私は彼が大好きなんだなぁと…。
(あの陰口のこともあるし、この気持ちは榊くんに伝わってはいけない。意地悪しやすい上司で…それでいい)
(……はずなのに。
贅沢にもそんな関係だけじゃ嫌と思ってしまう自分もいる。分不相応なのに…。ほんと…バカ。)
定時────
ブーブーッ。
スマホのバイブがポケットの中から聞こえる。
部長からのメッセージだった。
『隣駅のD駅ロータリーに車で待っているよ。黒いト○タ プリ○スだから。』
という文と、気をつけてと声をかけている少しブサイクな猫ちゃんのスタンプが来た。
「ふっ…。」声を殺しなが喉を鳴らし笑ってしまった。
部長がこんなに可愛い部分があるなんて。
『承知しました』
うさぎが敬礼しているスタンプで返した。
電車で一駅乗り、待ち合わせのD駅と向かった。
「お疲れ様です。部長…」
「伊織さんこそお疲れ様。どうぞ。」
助手席のドアを開けてくれる姿がサマになりすぎて、顔が火照るのを抑えられなかった。
「あ、ありがとうございます///」
「ふふっ伊織さんは本当にわかりやすいね。閉めるよ?」
「はい///」
部長が運転席に回り、席を座る。
「うぅ…///部長がスマートでずるいんです。」
「ずるいか…。
それは僕より君じゃないかなぁ?」
こちらを見て意味深な表情を向けられた。
「??」
「さっ!美味しいお店なんだ。気に入ってくれると嬉しいだけど…。」
…。
(気に入ったフリしないとなぁ。人間の料理は味がわからないから…美味しいフリしないと。)
いっそ毒が入ってる方が味がする。
フグ毒や鳥兜など猛毒であっても私にはピリピリと言う刺激程度で味がする。
まぁ…そんなもの入ってたら問題あるだけど…。
少なくとも私以外は絶対ダメだけど!
「霧島様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ご案内致します。」
なんだか凄く高そうなお店だけど…
味がしないのに申し訳ないなぁ…。
……。
「頂きます~。」
「あぁ。口に合うといいけど。」
…っ!
ピリピリした味…!
これ…毒だ……。
部長が食べる前に言わないと、でも何て言えば…。
食べてわかるなんておかしいよね。どうしよう?
「伊織さん?どうした?大丈夫?」
ごくんっ…。
「あ、あの。
こ、これ……。っん!!?」
(これ…毒じゃない…。毒ではないけど…こんな部長と二人っきりな場所で。)
体の火照りと頭がふわふわと浮遊感で、視界がぐらぐらしだした。これは紛れもなくヒートだ。
「伊織さん!?…頬が真っ赤だよ?体調が悪いの?」
「あっ…」
口元に手を当て席を立って急ぎ足で外に出た。
「伊織さん!?まって…」
部長の呼び止める声も聞けず走って誰もいないところにという気持ちだけで足を進めた。
走り去った後を見つめる人影があるとも知らず。
外に出てすぐ横の脇道にうずくまった。脇道に行くだけで精一杯だった。
(……抑制剤を打たないと…。か、かばん。)
「うわ~♪やっべー理性飛ばすとは聞いてたが本当わかってなかったら飛びそうな匂いしやがる。」
「だな~。おぉ…!美人じゃん♪
美人を抱けて、金貰えるなんて最高じゃねぇか!」
「へへっ…やっべー。このままここでしゃぶり尽くしてー♪」
「まぁ…待て。今は我慢しろ。
やり切らないと金はもらえねーんだ。確実に邪魔の入らねーとこに女を連れて移動すんぞ」
(…だ、…にげ、逃げなきゃ……。あ、足が…力入らない。……にげ…。助けて……。)
男達の手が私を掴もうとするのが見えた途端視界がぐにゃりと歪み、思考が遠のく…。
あの陰口を聞かれてからも部長の態度は変わらず接してくれたていた。時折微笑みを向けられる事にドキッと心臓が騒ぐようになった。
「部長は既婚者…。既婚者。」
ぶつぶつと精神安定を図る事に夢中になり、彼が近くにいると気付かず急に肩に手を乗せられ顔を覗き込まれてやっと意識が戻った。
「課長?大丈夫ですか?」
「ひゃぁっ!」
「酷いなぁ…」
榊くんはそう言いながら腕を組んだ。
「ご、ごめんなさい!その考え事してたから」
「はぁ…知ってますよ。そう言う顔してましたし…」
「え!?ど、どんな顔してたの。」
榊くんは目を逸らして少し悲しそうな顔をした。しかしそれも一瞬でパッと笑顔をこちらに向けた。
「眉間に皺が寄せて近寄んなって顔です。」
「え!?ご、ごめんなさい。気をつけないと!」
「嘘です。……こちらに向けて欲しいと思うほど可愛い顔してます。」
眉をハの字にして少し困ったと言った顔をする。
「も、もぉ!またからかってるでしょ!////」
「……ははっ。バレました?」
「榊くんの意地悪!上司をからかわないで。」
「だって、面白いからつい。すみません」
クスクス笑いながら謝る榊くんにいつの間には、心を奪われていて改めて実感するのだ。
私は彼が大好きなんだなぁと…。
(あの陰口のこともあるし、この気持ちは榊くんに伝わってはいけない。意地悪しやすい上司で…それでいい)
(……はずなのに。
贅沢にもそんな関係だけじゃ嫌と思ってしまう自分もいる。分不相応なのに…。ほんと…バカ。)
定時────
ブーブーッ。
スマホのバイブがポケットの中から聞こえる。
部長からのメッセージだった。
『隣駅のD駅ロータリーに車で待っているよ。黒いト○タ プリ○スだから。』
という文と、気をつけてと声をかけている少しブサイクな猫ちゃんのスタンプが来た。
「ふっ…。」声を殺しなが喉を鳴らし笑ってしまった。
部長がこんなに可愛い部分があるなんて。
『承知しました』
うさぎが敬礼しているスタンプで返した。
電車で一駅乗り、待ち合わせのD駅と向かった。
「お疲れ様です。部長…」
「伊織さんこそお疲れ様。どうぞ。」
助手席のドアを開けてくれる姿がサマになりすぎて、顔が火照るのを抑えられなかった。
「あ、ありがとうございます///」
「ふふっ伊織さんは本当にわかりやすいね。閉めるよ?」
「はい///」
部長が運転席に回り、席を座る。
「うぅ…///部長がスマートでずるいんです。」
「ずるいか…。
それは僕より君じゃないかなぁ?」
こちらを見て意味深な表情を向けられた。
「??」
「さっ!美味しいお店なんだ。気に入ってくれると嬉しいだけど…。」
…。
(気に入ったフリしないとなぁ。人間の料理は味がわからないから…美味しいフリしないと。)
いっそ毒が入ってる方が味がする。
フグ毒や鳥兜など猛毒であっても私にはピリピリと言う刺激程度で味がする。
まぁ…そんなもの入ってたら問題あるだけど…。
少なくとも私以外は絶対ダメだけど!
「霧島様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ご案内致します。」
なんだか凄く高そうなお店だけど…
味がしないのに申し訳ないなぁ…。
……。
「頂きます~。」
「あぁ。口に合うといいけど。」
…っ!
ピリピリした味…!
これ…毒だ……。
部長が食べる前に言わないと、でも何て言えば…。
食べてわかるなんておかしいよね。どうしよう?
「伊織さん?どうした?大丈夫?」
ごくんっ…。
「あ、あの。
こ、これ……。っん!!?」
(これ…毒じゃない…。毒ではないけど…こんな部長と二人っきりな場所で。)
体の火照りと頭がふわふわと浮遊感で、視界がぐらぐらしだした。これは紛れもなくヒートだ。
「伊織さん!?…頬が真っ赤だよ?体調が悪いの?」
「あっ…」
口元に手を当て席を立って急ぎ足で外に出た。
「伊織さん!?まって…」
部長の呼び止める声も聞けず走って誰もいないところにという気持ちだけで足を進めた。
走り去った後を見つめる人影があるとも知らず。
外に出てすぐ横の脇道にうずくまった。脇道に行くだけで精一杯だった。
(……抑制剤を打たないと…。か、かばん。)
「うわ~♪やっべー理性飛ばすとは聞いてたが本当わかってなかったら飛びそうな匂いしやがる。」
「だな~。おぉ…!美人じゃん♪
美人を抱けて、金貰えるなんて最高じゃねぇか!」
「へへっ…やっべー。このままここでしゃぶり尽くしてー♪」
「まぁ…待て。今は我慢しろ。
やり切らないと金はもらえねーんだ。確実に邪魔の入らねーとこに女を連れて移動すんぞ」
(…だ、…にげ、逃げなきゃ……。あ、足が…力入らない。……にげ…。助けて……。)
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