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227. カッコいい

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 227. カッコいい



 館内を回っていると、再び大きな水槽の前にたどり着く。

「ねぇねぇ先輩!見てくださいサメですよサメ!」

「ああそうだな」

「いやーやっぱりサメは格好いいですね!そう思いません?」

「魚の格好良さはオレにはわからんけどな……「格好いい」と言うより「怖い」じゃないか?普通?」

「えーそんなことないと思いますよ?だってこんなに大きいんですよ?」

「いやデカイから怖いんだが……」

「あーもう!なんでわかってくれないんですか!?この気持ち!」

「わからねーよ!てかなんで怒ってんだよ!?」

 わけがわからんぞこいつ。なんなんだ一体……。

「……でも確かに大きいですもんね」

「だろ?」

「はい。それにサメってよく見ると可愛い顔してますよね。ちょっとだけ先輩に似てるかも……」

「どこがだよ!?全然似てねーだろ!!」

「えーそんなことありませんよ~?ほら、こうやってじっくり見てると目がクリッとしてるところとかそっくりじゃないですか~?っで。いきなり獲物を見つけるとすぐに食べちゃう。いやーん。先輩、私は獲物じゃないですよ~?」

「知らねえよ!!勝手に食われてこい!!!」

「あっ待ってくださいよ~!」

 本当にこいつといると疲れてくる。はぁ……でもまぁ楽しいんだけどな。

「先輩!次行きましょう次!」

「まだ回るのかよ……」

「当たり前じゃないですか!まだまだ時間はありますし、今日はいっぱい遊びますよ!」

「はいはいわかったよ……」

 結局。オレはこいつには甘いんだよな。なんかもう色々と諦めた。夏帆が楽しめてるならそれでいいか。
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