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10. 『報連相』って知ってる?
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10. 『報連相』って知ってる?
私たちは東の洞窟で、ガルーダとの戦闘を始める。しかし、エドの魔法の効果はいまいちだし、フィーナの弓矢は全然当たらず、逆にガルーダの攻撃は私たちに着実にダメージを与えていく。
そしてまた大きな羽ばたきで私たちを吹き飛ばしてくる。
「ぐっ……」
「大丈夫ですか?リンネ様?」
「え?てかフィーナ。あなたなんで平気なのよ?」
「私は風属性魔法で空気の壁を作ってるんです。つまり風のバリアを張ってますから大丈夫なんです!」
フィーナはその大きな胸を張り、ドヤ顔で言う。草。最初から言いなさいよこの食いしん坊エルフ。
「そんなことより、何か作戦を考えないとこのままじゃジリ貧ですよリンネ様!」
「そうね……ってあれ?なんかガルーダの動きが鈍いような気がするんだけど?」
よく見ると、さっきまで猛禽類のような鋭い目つきだったガルーダだが、今はどこかトロンとした感じになっている。
「やっと効いてきましたか。実は睡眠効果のある神経毒を矢に塗っておいたんです。狩の基本ですよリンネ様!」
またドヤ顔で胸を張りながら言うフィーナ。そんなに胸を強調するな。大きければいいってものじゃないから。
「おぉ!やるじゃないですかフィーナさん!さすがエルフの知識ですね!」
「ふふん。エド君もっと褒めてください!」
「すごいですフィーナさん!あなたこそエルフの中のエルフです!」
「そ、そこまで言われると照れちゃいますぅ~」
「……何やってんのよあなたたち?」
フィーナは頬に手を当てモジモジしている。可愛いけどさ……。というかそれなら、最初から言っておきなさいよ食いしん坊エルフ!まったくこの子『報連相』が出来ない子だわ。『報告・連絡・相談』あとで指導しないと。こういう子が小慣れてくるとトラブルとか起こすんだから!
私がフィーナの指導について考えていると、突然、ガルーダが上空に飛び上がった。
「ちょ、ちょっと!逃げる気?ここまで私の服汚しておいて逃さないんだから!」
「リンネ様!別に逃がしてもいいんじゃ……」
「黙りなさいエド!あんなことされて、逃せるわけないでしょう!」
「リンネ様。その気持ちわかります。私も早くあの鶏肉を食べたいですもん!」
フィーナは目をキラキラさせながら言う。いや私とあなたの理由は違うから。
「体長8.4メートル、水分量74~76%。うん。羽根とか爪とか余計なものが多いわね……それなら柔らか目のバターロールかしらね?」
私は空に飛び上がっているガルーダ目掛けて炎の魔法を詠唱する。さてじっくり焼き上げてあげるわ!すると、ガルーダはいきなり急降下してきた。そして私に向かって鋭いくちばしを突き立ててくる。しかしそれより早く私の炎魔法が炸裂する。
「遅いわよ。焼き焦げなさい《ファイアストーム》!」
炎の渦がガルーダを飲み込み地面に叩きつける。そして何とかその炎の渦から逃れようとそのまま地面を転がりまわるガルーダ。こらこら焼きムラがあったら美味しくなくなるでしょ!
「無駄よ。大人しくこんがり焼かれなさい!」
私は更に魔力を込めて火力を上げていく。最初は暴れていたガルーダだったが、やがて動きは止まり悲鳴も聞こえなくなった。こんなものかしらね?
「さすがリンネ様です!」
「すご……あんなに大きい魔物……しかもガルーダを丸のみにするほどの威力の高い炎魔法を簡単に……これが魔女様の力……」
フィーナとエドがそれぞれ称賛の言葉を送ってくるけど、私はパン屋なんだから炎魔法のことを誉めても嬉しくないわ。それにこの程度の魔法誰でも使えるでしょ?まぁいいか。とにかくこれで邪魔な魔物はいなくなったわ。
「さぁ奥に進むわよ!ベルセル鳥の卵を見つけないと!」
「卵サンド!楽しみです~!」
「なんか……色々あるけど、これでいいのかなぁ……」
私たちはさらに洞窟の奥へと進んでいった。洞窟の最深部に着いたときには、既に辺り一面真っ暗でほとんど何も見えない。うーん。これだとせっかくの卵が見つけられないかもしれない。どうしようかと考えていると、フィーナが突然声を上げた。
「あ!ありましたよ!あれじゃないですか?」
そこには確かに、ベルセル鳥の巣があり、その中に微かに青白く輝く卵があった。
「本当だわ。よく見つけられたわねフィーナ?」
「ふふん。あたり前ですよリンネ様!私は目もいいですから!」
また自慢げに胸を張るフィーナ。……もう次報告しなかったらアイアンクローをかますことにしよう。うんそれがいい。パワハラ?そんなの知らないわ。
こうして私たちは無事にベルセル鳥の卵を手に入れることができた。これで最強の超絶品卵サンドを作るわよ!
私たちは東の洞窟で、ガルーダとの戦闘を始める。しかし、エドの魔法の効果はいまいちだし、フィーナの弓矢は全然当たらず、逆にガルーダの攻撃は私たちに着実にダメージを与えていく。
そしてまた大きな羽ばたきで私たちを吹き飛ばしてくる。
「ぐっ……」
「大丈夫ですか?リンネ様?」
「え?てかフィーナ。あなたなんで平気なのよ?」
「私は風属性魔法で空気の壁を作ってるんです。つまり風のバリアを張ってますから大丈夫なんです!」
フィーナはその大きな胸を張り、ドヤ顔で言う。草。最初から言いなさいよこの食いしん坊エルフ。
「そんなことより、何か作戦を考えないとこのままじゃジリ貧ですよリンネ様!」
「そうね……ってあれ?なんかガルーダの動きが鈍いような気がするんだけど?」
よく見ると、さっきまで猛禽類のような鋭い目つきだったガルーダだが、今はどこかトロンとした感じになっている。
「やっと効いてきましたか。実は睡眠効果のある神経毒を矢に塗っておいたんです。狩の基本ですよリンネ様!」
またドヤ顔で胸を張りながら言うフィーナ。そんなに胸を強調するな。大きければいいってものじゃないから。
「おぉ!やるじゃないですかフィーナさん!さすがエルフの知識ですね!」
「ふふん。エド君もっと褒めてください!」
「すごいですフィーナさん!あなたこそエルフの中のエルフです!」
「そ、そこまで言われると照れちゃいますぅ~」
「……何やってんのよあなたたち?」
フィーナは頬に手を当てモジモジしている。可愛いけどさ……。というかそれなら、最初から言っておきなさいよ食いしん坊エルフ!まったくこの子『報連相』が出来ない子だわ。『報告・連絡・相談』あとで指導しないと。こういう子が小慣れてくるとトラブルとか起こすんだから!
私がフィーナの指導について考えていると、突然、ガルーダが上空に飛び上がった。
「ちょ、ちょっと!逃げる気?ここまで私の服汚しておいて逃さないんだから!」
「リンネ様!別に逃がしてもいいんじゃ……」
「黙りなさいエド!あんなことされて、逃せるわけないでしょう!」
「リンネ様。その気持ちわかります。私も早くあの鶏肉を食べたいですもん!」
フィーナは目をキラキラさせながら言う。いや私とあなたの理由は違うから。
「体長8.4メートル、水分量74~76%。うん。羽根とか爪とか余計なものが多いわね……それなら柔らか目のバターロールかしらね?」
私は空に飛び上がっているガルーダ目掛けて炎の魔法を詠唱する。さてじっくり焼き上げてあげるわ!すると、ガルーダはいきなり急降下してきた。そして私に向かって鋭いくちばしを突き立ててくる。しかしそれより早く私の炎魔法が炸裂する。
「遅いわよ。焼き焦げなさい《ファイアストーム》!」
炎の渦がガルーダを飲み込み地面に叩きつける。そして何とかその炎の渦から逃れようとそのまま地面を転がりまわるガルーダ。こらこら焼きムラがあったら美味しくなくなるでしょ!
「無駄よ。大人しくこんがり焼かれなさい!」
私は更に魔力を込めて火力を上げていく。最初は暴れていたガルーダだったが、やがて動きは止まり悲鳴も聞こえなくなった。こんなものかしらね?
「さすがリンネ様です!」
「すご……あんなに大きい魔物……しかもガルーダを丸のみにするほどの威力の高い炎魔法を簡単に……これが魔女様の力……」
フィーナとエドがそれぞれ称賛の言葉を送ってくるけど、私はパン屋なんだから炎魔法のことを誉めても嬉しくないわ。それにこの程度の魔法誰でも使えるでしょ?まぁいいか。とにかくこれで邪魔な魔物はいなくなったわ。
「さぁ奥に進むわよ!ベルセル鳥の卵を見つけないと!」
「卵サンド!楽しみです~!」
「なんか……色々あるけど、これでいいのかなぁ……」
私たちはさらに洞窟の奥へと進んでいった。洞窟の最深部に着いたときには、既に辺り一面真っ暗でほとんど何も見えない。うーん。これだとせっかくの卵が見つけられないかもしれない。どうしようかと考えていると、フィーナが突然声を上げた。
「あ!ありましたよ!あれじゃないですか?」
そこには確かに、ベルセル鳥の巣があり、その中に微かに青白く輝く卵があった。
「本当だわ。よく見つけられたわねフィーナ?」
「ふふん。あたり前ですよリンネ様!私は目もいいですから!」
また自慢げに胸を張るフィーナ。……もう次報告しなかったらアイアンクローをかますことにしよう。うんそれがいい。パワハラ?そんなの知らないわ。
こうして私たちは無事にベルセル鳥の卵を手に入れることができた。これで最強の超絶品卵サンドを作るわよ!
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