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第3章 最強の天才魔法少女現る???

20. 適性検査

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20. 適性検査



 自称最強の天才魔法少女ことアンナをギルド内に入れ、ギルドはいつものように開店する。ちなみにアンナの冒険者登録はジェシカさんが担当し、リリスさんはいつものように冒険者を担当している。

「じゃあここに名前を書いて」

「分かったわ。えっと最強の天才魔法少女アンナ……っと」

「……書き直して。最強の天才魔法少女はいらない」

「なによ!せっかく書いたのに!!」

 ジェシカさんが淡々と手続きをする。それを見てふてくされるアンナ。なんか騒がしい子だな。

「武器はその樫の杖ね。とりあえず適性検査をするからその水晶玉に手を置いて」

「ふん。仕方ないわね。こう?」

 そしてアンナが手を置くと水晶玉が光り始める。適性検査。それはギルド冒険者登録の際にその冒険者のジョブや属性を判別できるものだ。これは冒険証にも記載され、ギルド冒険者になるために必要。ちなみにギルド冒険証はこの世界の身分証にもなる。

「えーと……属性適正は火と雷。ジョブはアーチャー、ガンナー、ウィザードが◯。時点でシャーマンやシーフ。どうする?」

「もちろん!天才魔法少女で登録して!」

「じゃあウィザードね。はい次」

「天才魔法少女って言ってるでしょ!」

 ジェシカさんはアンナを無視して淡々とすすめていく。まぁいちいち構ってたら面倒だからその方がいいか。するとアンナがジェシカさんに話しかける。

「ねぇ。あなたジェシカだっけ?」

「うん。そうよ。何か質問?」

「今どきそういうクール系なんか流行らないわよ?あなたそんなんじゃモテないわよ?」

「そこのプチトマトちゃんの言う通りですよ?この前のチラシ配りも恥ずかしがっちゃって、いつまで立っても垢抜けないですよそれじゃ?少しくらい男を弄ぶくらいの女の色気を出してくださいジェシカちゃん。もう19なんだから」

「……悪かったね。女の色気がなくて」

 なぜか隣で受付をしているリリスさんが割り込むように毒を吐く。

「それとわざわざ言うまでもないと思いますけど、あの時ジェシカちゃんのパンツ見てましたからねエミルくんは。あの格好でしゃがんじゃダメですよ。」

 そして更にリリスさんがそう言うとジェシカさんは顔を一気に赤くしてオレを睨み付ける。オレは一瞬で目をそらすことにする。オレにまで被害が出るのか!?

「……私の話はいいでしょ。それよりギルド冒険者について説明するね。まずギルドランクだけど、Fからスタート。依頼をいくつかこなしていけばEに上がるから頑張って」

「はぁ?なんで最強の天才魔法少女のアタシがFランクなわけ!?」

「あと依頼の受注の仕方を教えるから。依頼はクエストボードから好きなのを取ってこの受付に持ってくる。依頼をこなして、報酬を受け取ったら完了。何か質問ある?」

「無視しないでよ!アタシは最強なのよ?最強のアタシをFランクにするなんておかしいじゃない!」

「ないね?じゃあギルド冒険者についての説明はこれで終わり。次はギルドについて説明していくね」

「ちょっと!話を聞きなさいよ!」

 その後もギャアギャアと騒ぐアンナを無視しながらジェシカさんはギルドの説明をしていく。

「以上がギルドのルールになるんだけど、何か質問はある?」

 ジェシカさんはそう言い終えると、一息つく。アンナはというと、頬を膨らませている。

「ふん!最強の天才魔法少女であるアタシをバカにしてるんでしょうけど、今に見てなさいよね!」

「はいはい。それじゃ適性試験を選んで」

「適性試験?なにそれ?」

 適性試験とはギルド冒険者が冒険証を発行してもらうための最初の試験のことだ。これに合格すれば晴れてギルド冒険者として認められることになる。

「知らないの?ギルド冒険者は誰でもなれるものじゃないの。最低限の魔法や戦闘スキルがないと無理よ?とりあえず『採取』か『討伐』のどちらか選んで」

「ふん!そんなの楽勝よ!『討伐』の方を選ぶわ!だって『採取』とか地味だし」

「分かった。『討伐』ね。ならゴブリン5体の討伐。立会人はマスターお願いできる?」

「へ?オレ?」

 急に指名される。マジ?オレは戦えないんだけど……。万が一があったらヤバいじゃん。それなら絶対リリスさんやエドガーさんの方がいいぞ?

「だってマスター暇でしょ?」

「いや暇って……それならリリスさんの方が適任じゃ?」

「私ですか?良いですけど、言うこと聞かなかったら事故に見せかけてそこのアンナちゃんは星になるかもしれませんよ?久しぶりにトラップのスキルとか使いたいですよね?動けば動くほど痛みに喘ぐ罠バサミなんて最高ですよね?それからそれから……」

「よし!オレが行きます!頑張ってなアンナ」

 リリスさん怖すぎ。本当にやりそうで怖いから仕方ないのでオレが一緒に行くことにする。

「アタシには必要ないけど、決まりなら仕方ないわね。エミル。アタシの邪魔しないでよ?」

「はいはい。それじゃ行ってきまーす」

「お2人ともお気をつけて」

 こうしてオレはアンナを連れて近くの森に向かい『適性試験』のゴブリン討伐をすることになるのだった。
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