星の欠片を集めて

bluestar

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飛ばし違い!?

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目を開けるとそこは草木生い茂る深い森だった。四方八方が木でふさがれ、太陽の光は届かない。
なるほど、さっきの光は瞬間移動魔法か。さすが、学院長……あの人数を一斉に瞬間移動させるんだから。
「さて、行こっか」
星宮さんはこくりと頷いた。

それにしてもモンスターなんてどこにいるんだよ。これじゃあ探してもらちが明かない。

「影よ、我に従いモンスターを召喚せよ」

けれども魔法陣は一瞬紫の光を放ち、消えてしまった。
「おかしい……」
最初に声を出したのは星宮さんだった。
「これじゃまるで、月森双夜の魔法陣に支配されないモンスターが用意されていることになる。第一回の試験でこれはあり得ない」
まあ、言われてみれば確かに。俺は結構な魔力を持っている。それは誰に何を言われようと事実だ。
それに…、そう言って彼女はジャングルを見回す。
「ここは学院が用意した異空間のはずだよね?」
「うん」
「どうやらそれは先生たちの嘘らしいね」
星宮さん一人で話が進んでいく。
どうやら星宮さんにはこの異空間がどこなのか分かっているようだ。
「どういうこと?」
「ここは学院が作り上げた異空間なんかじゃなくて、月の国の西にある魔獣の森だよ」
そんなまさか。魔獣の森は普通の魔法使いは立ち入り禁止の領域だ。入れるのは王家の兵士や父さん、それとあと限られた魔法使いだけだ。見習いの魔法使いが入れるはずがない。
「シールドが張られているからきっとこの中には本当にモンスターが一体しかいないんだろう。それでも、普通の学生が倒せるレベルじゃない」
もし星宮さんが言っていることが本当だとしたら、これは大事件だ。でも、これは試験。リタイアするわけにはいかない。
「どうする?」
「俺は行くよ。これは試験だからね。もちろん星宮さんの言ってること、信じてるよ。だからこそ力試しにモンスターと戦いたい」
星宮さんは?と言う俺の問いに、彼女は笑う。
「パートナーの行くところにならどこにでもついていくよ」

◇◇◇

息を殺して魔力の気配を探す。道もないここはとても歩きずらい。かと言ってここでホウキを乗り回せば、モンスターを見つけやすくなるが、それと一緒で俺たちも見つかりやすくなってしまう。

その時何か強い魔力を感じた。俺と彼女は目を合わせて、辺りを注意深く見回す。
その瞬間大きな光の玉が俺たちのほうへ飛んできた。それを上手くかわして、飛んできた方向に目をやる。
でもこの光は…

「影の属性のモンスターだっ」

言ったか言い終わらないかなうちに、今度は間髪いれずに玉が飛んでくる。

「影よ、盾になれっ」

なんとか魔法を張ってバリアを作ることが出来たが、この威力だ。いつ破られてもおかしくない。そして、こんなモンスターを相手にするこの試験はただの試験ではない。
けど、今はそんなことを言っていられない。
両手をかざしたまま星宮さんを見る。
どうやら彼女は怯えていないようだ。
「月森双夜、そのバリアはあとどのくらいもつ?」
「もって三分ってとこ?こんな強い攻撃、じいちゃんにも仕掛けられたことなかったよ。……でもどうするつもり?」
「どうするもなにも……あのモンスターの首にかかってるの見える?」
自分のバリア越しにモンスターを見つめる。
「あ!」
ペンダントだよ、あれ。
「ちゃんとここは試験会場らしいからね。倒すんでしょ?モンスター」
星宮さんは笑う。

ああ、そうだ。彼女が何者なのか俺はまだ知らないんだった。
でもこれだけは言える。
彼女は俺と同じで諦めを知らない。
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