異世界ハードモード!〜持ってるチートスキルが使えなくても強くなれる剣士として努力を続けようと思います!〜

ちょっと黒い筆箱

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第3章 兄と妹

第34話 サラバンド王国騎士団長②

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 何故かホノラの兄と戦うことになった俺は、例によってギルド地下の訓練場に来ていた。
 国王の凱旋パレードを見に来ていた人がそのまま観客席に入ったので、ギルドマスターと戦った時より多く人が来ていた。

「――じゃあホノラ兄、ルールはどうする?」

「無い。死ぬまでやろう」

 おっかねえなまじで! コイツ本当は危険人物だろ!

「流石にそれは私が許しません。どちらかが降参させるか、戦闘不能の状態になったら勝負ありとします!」

 立会人のウィールの提案を、ホノラ兄は渋々だが受け入れてくれた。マジで俺の事殺すつもりだったんかいワレェ......

「――では、サラバンド王国騎士団長筆頭“レオノラ”様対! 冒険者ギルド、サラバンド支部Bランク冒険者“マツル”さん! 試合――――開始です!」

――――

 さてどうするか......確かギルドマスターと戦った時は突っ込んで負けたからな、今回は様子を伺ってみるか......

 ホノラ兄......レオノラだっけ? はローブを脱ぎ、長い髪を纏めて動きやすい服装になっている。だが魔法を使う為の杖等は持っていない......どうやって魔法を使うんだ?
 そういえば俺だとは知らなかったけど目無しの魔獣事件解決の立役者が剣士だって事は知ってたよな......
 アイツは俺の情報知ってて俺は知らないって既に不利じゃねぇか!?

「――おい、あまり流暢にしていると貴様の負けが確定するぞ?」

「だったら俺が攻撃を始めたらテメェの負けが確定するけどいいのか?」

「じゃあやってみるといいさ」

 舐めやがって......! じゃあお望み通り斬ってやるよ!

「疾!!」

 全身の力を足に移動させ、踏み込みの速度を上げる!

 俺の間合いに入った瞬間! 足に込めた力を腕に移動!! これで終わりだァッ!!

 必殺の威力を込めた剣激が人の反応を軽く超える速さで腕に命中する。

 ギィィン!!!!......

 しかし響く音は鋼と何か硬い物を打ち付けた様な音だった。

「硬い!?」

 いや、ただ硬いだけじゃない。それなら簡単に斬れるはずだ.......

「不思議かい? この程度の貴様が救国の英雄だのとは笑わせてくれる......」

 レオノラは俺を馬鹿にしたような、ニヤついた顔で話しかけてくる。

「ンだとテメェ......! 余裕こいてられるのも今のうちだぞ!?」

 俺は休む間を与えないように連続で攻撃を繰り出した。
 
 三十分程斬り続けただろうか......しかし全てダメージになることは無く、ただ虚しい金切り声 音を響かせるだけだった。

「クソ......これじゃあ俺が先にバテちまう!」

 レオノラはピンピンしてるのに俺の息が上がってきた。肩で大きく息をしないと酸素の供給が間に合わない。

「あぁ......もう終わりか。じゃあ、大人しく負けを認めてもらおう」

 心底退屈そうな表情のレオノラが俺に降参を勧めてくる。

「まだ俺負けてねぇからな!? 絶対その無敵余裕面をボコボコの泣き顔に変えてやるわぁ!!!!」

 大きく息を吸い込め! 次の行動のエネルギーに全てを変えろ!!

「――――貴様の負けだよ」

 大きく息を吸い込んだ瞬間、肺に凄まじい激痛が走る。

「ゲホッゴホッ......!」

 咳が止まらない......肺が痛い......
 口に当てていた手を見ると大量に吐血していた事が分かった。肺と気道から出血したであろう血液は手に収まり切る事はなく地面にボタボタと滴っている。

「な゛ん゛だ......ごれ゛」

 これがレオノラの魔法って事か......!?



――――後書き――――――――――


 ホノラの兄、レオノラは一体なんの魔法を使っているのか! みんなで考えて見て欲しいです!
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