異世界ハードモード!〜持ってるチートスキルが使えなくても強くなれる剣士として努力を続けようと思います!〜

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第6章 灰の反逆

第96話 魔王は神で人間は二人①

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「言い忘れていたよニシュラブ殿......先程気が変わった。先に『妹を泣かせそうランキング』暫定二位の君を殺す事にしたよ」

「お前がニシュラブか......初めましてで悪いけど、死んだ戦友ともからの依頼だ......死んでくれや」

「きっ......貴様等ァァァァ!!!!」

「このフロアを次元の狭間へ隔離するぞ【次元魔法 全なる一室フルディメンションエリア】」

 ギンッ! という音と共に6階が半透明の正方形に包まれた。

「マツル......お前は手を出すな。コイツニシュラブは俺が殺す」

「はァ!? 何勝手な事言ってんだ!! コイツは俺が殺す!! お前が手を出すな!」

「お前じゃ無理だな」

「ンだとテメェ!!」

 レオノラは強情だなホントに!! ちょっとは折れるという事を知れば良いのに!

「――ならば私が貴様等を同時に殺してやる! 魂の一片すら遺さずこの世から消え去るが良い!!!!」

 ほら見ろ先手取られちゃったじゃないか!!

【血液魔法 死に至る血閃デッドリィ・ブラッドレイ

「血!?」

 ニシュラブの掌から溢れ出た血が三日月型に変形し高速で飛んで来る!! アレがニシュラブの使う魔法か!!

 どういう効果があるか分からない攻撃は避けに徹する!! 速いとは言っても避けられない速度じゃない!

「ふんぬっ!!」

 俺の左腕に接触する直前で身体を大きく横へ逸らし回避した。
 しかしニシュラブの血の魔法は俺に当たらなかったと気付くやいなや意志を持っているかのように大きく旋回しまたこちらへ向かって来た。

「キャハハハハ!! どうだマツル!! 私の誇る”血液魔法“は!!【死に至る血閃デッドリィ・ブラッドレイ】は一度標的を見定めたら最後。貴様を殺すまで襲い掛かる!」

「なんだよそれめんどくせぇな!!」

「その威勢が何時まで続くか見物ですね」

 クソッ! 避けても避けても追っかけて来る!! 

 これは......非常に。ヒジョーに不本意だがレオノラにはぜひ助けて貰いたい所存でありますな!

「レオノラ? ちょっと手伝っ――――お前は何呑気に座ってんだコラオイ!!」

 あぐらかいてんじゃん!! くつろぐ気満々じゃん!!

「どうした? 一人で倒すんじゃ無かったのか?」

 ムカつくコイツゥゥゥゥ!!!! ニヤニヤしやがって! やっぱりお前敵だわ!

 こうなったら仕方が無い! 避けるのは諦めて刀を振り抜いた時の剣圧であの血を吹き飛ばそう。流石に雫になったら追尾も無理だろ!

西宵さいしょう流 空風からかぜ阿源あげん

 俺の刀が血の魔法に触れる直前、三日月型だった血は蜘蛛の巣のような格子状へと一瞬で姿を変えた。

「斬れない!?」

「ハハハハハ! 貴様はそう来るだろうと読んでいました!! だが無意味です! 血液魔法は液体! 常にその形を自在に! 私の意思で変える事が出来る!! 切り刻まれて死ね!!」

 ヤバい......しくった。このままじゃ俺産サイコロステーキになってお陀仏だ......刀による防御も不可能。なら魔法には効果が無くても今一瞬で闘気を練り上げて少しでも防御に回す......駄目だ。間に合わ――――

【灰魔法 灰纏・吸収鈍化】

 灰が目の前にあった血を全部吸い取り、その場にゴトリと落ちた。

「レオノラ......お前俺の事殺したいんじゃなかったのかよー!」

 危なかった......レオノラの灰魔法は水分を吸収する事も出来るのか! なんにせよ助かったぜ!

「勘違いするな。お前を殺すのは俺だ。先に死んだら殺す」

「はいはい分かった分かった! なんにせよサンキュな!」

「――それにやっぱりお前ではニシュラブには勝てんな......次は俺の番だ」
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