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第6章 灰の反逆
第97話 魔王は神で人間は二人②
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「幾ら魔王サマと言えど呼吸出来なくなれば死ぬだろうか......【下位灰魔法・ 大空散灰】」
「お前マジでその魔法好きだな!! 俺も一緒に窒息肺ぶっ壊しまっしぐらだぞ!?」
「......そのまま死ねばいいのに」
「ンだとォ!?」
一先ず灰の無い範囲まで退避出来たから良いけど、範囲をニシュラブの半径数メートルに絞った呼吸をするだけで運動能力その他を大きく低下させる灰。ちょっとは効いてくれたら嬉しいんだが......
「成程......呼吸という魔人にも人間にも必要な生命プロセスを大きく制限する魔法ですか......確かに、吸い込んだら私とて少々活動に支障が出るでしょう......私に届いたら、の話ですがね」
【血液魔法 殺戮者の涙】
血の雨が全ての灰を洗い流した!? そうか! 血の攻撃を灰で固めて無効化が出来るならその逆も出来るって事か!!
「まぁ効果は薄いだろうとは思っていたがここまでとはな......ならば本気で行かせて貰おう【灰魔法 雫の虚城】」
超硬度のガラスで身体を覆って姿を消しつつ攻撃出来るレオノラの切り札的魔法! 姿は見えないけど次元魔法との併用で死角からの奇襲もでき――――
「レオノラ......君には心底ガッカリです。君はもう少し最上位魔人との戦い方を勉強した方が良い」
「言ってろドカスが。死ね」
後方上空からの回転蹴り!! 頭を一発で潰すつもりか!!
「魔人という種族は魔力の流れでも物を視認出来る......姿を隠しただけで良い気になるなよ」
ニシュラブが蹴りの当たる刹那、指をパチリと鳴らした。
「――――グッ......」
レオノラは空中で体勢そのままに静止し、その場に墜ちた。
「レオノラ......?」
気が付いた時俺は、地面を蹴り飛ばし、ニシュラブに斬りかかっていた。
『マツル君!! 相手がどんな魔法を使ったのか分からない状態で突っ込むのは危険だ! レオノラ君には申し訳無いけどここは様子を見て――――』
ちょっとだけ静かにしてくれ。なんでか分からないけど、今最高にイラついてるんだ。
「速い――!?」
「頭を飛ばせば良いんだな?」
「――ですが、速いだけでは私には勝てませんね」
頭を斬り飛ばしたと認識した次の瞬間、俺の心臓の拍動が止まっているのが理解出来た。
(なん......だ? 声が......出ない?)
口をパクパクさせるが思うように声が出ない。
血流が止まっているのか? なんで急にそんな......
「私が操れるのは自分の血液だけだと思いましたか? 残念!! 私に近付いた者なら他人の血液でも操れるのですよ!! 貴方達の血流は今止まり!! 直に意識が遠くなりそのまま死ぬ!! どうです? 怖くなりましたか? 後悔しましたか?」
まじかよ......あー駄目だ。考えが纏まらなくなってきた......意識が遠のく。
「訳ねぇだろクソが!!」
「......はっ!? 何故......死ぬどころか立ち上がれる!?」
「お前魔王なのに知らねーのかよ。人間様にはな、根性って言うのがあるんだよ。全身の血の巡りが止まった位で俺は死なねぇのよ」
「はァ!? 有り得ない......有り得るはずが無い!!!!」
――――お、
「それはいいけどさ、お前、後ろ向いた方が良いぜ」
「なんだと――」
後ろにはもう一人の人影が大きく振りかぶっていた。
「悪いな。俺も諦めが悪いんだよ」
丁度良く後ろを向いたニシュラブの顔面にレオノラの拳がクリーンヒットする。
「ショゲバッ!!!!」
ニシュラブは顔面から床に思いっ切り叩きつけられてその場を転がっていた。
「おーおーお兄ちゃんよー! 死んじまったかと思ってビビったぜ」
「茶化すな。お前だって根性などと言う謎パワーで復活しやがって、せっかく自分で手を下す手間が省けたと思ったのに......」
「またそんな事言っちゃって! お兄ちゃん自らの手で俺の事殺さないと気が済まない癖に!」
「――貴様等ァァァ!! 一度攻撃が当たった位で良い気になるなよ!! 楽には殺さんぞ......死んだ方が楽だと思える程の苦痛で貴様等を閉じ込めてやるからなァァァァ!!!!」
ビリビリと空気が魔力の暴威に当てられて震える。これが魔王の覇気って奴か。
「てことでようお兄ちゃん。俺達のルールが決まった」
「......ほう。聞こうじゃないか」
「アイツを先に殺した方の勝ちだ! シンプルに行こうぜ!」
「お前マジでその魔法好きだな!! 俺も一緒に窒息肺ぶっ壊しまっしぐらだぞ!?」
「......そのまま死ねばいいのに」
「ンだとォ!?」
一先ず灰の無い範囲まで退避出来たから良いけど、範囲をニシュラブの半径数メートルに絞った呼吸をするだけで運動能力その他を大きく低下させる灰。ちょっとは効いてくれたら嬉しいんだが......
「成程......呼吸という魔人にも人間にも必要な生命プロセスを大きく制限する魔法ですか......確かに、吸い込んだら私とて少々活動に支障が出るでしょう......私に届いたら、の話ですがね」
【血液魔法 殺戮者の涙】
血の雨が全ての灰を洗い流した!? そうか! 血の攻撃を灰で固めて無効化が出来るならその逆も出来るって事か!!
「まぁ効果は薄いだろうとは思っていたがここまでとはな......ならば本気で行かせて貰おう【灰魔法 雫の虚城】」
超硬度のガラスで身体を覆って姿を消しつつ攻撃出来るレオノラの切り札的魔法! 姿は見えないけど次元魔法との併用で死角からの奇襲もでき――――
「レオノラ......君には心底ガッカリです。君はもう少し最上位魔人との戦い方を勉強した方が良い」
「言ってろドカスが。死ね」
後方上空からの回転蹴り!! 頭を一発で潰すつもりか!!
「魔人という種族は魔力の流れでも物を視認出来る......姿を隠しただけで良い気になるなよ」
ニシュラブが蹴りの当たる刹那、指をパチリと鳴らした。
「――――グッ......」
レオノラは空中で体勢そのままに静止し、その場に墜ちた。
「レオノラ......?」
気が付いた時俺は、地面を蹴り飛ばし、ニシュラブに斬りかかっていた。
『マツル君!! 相手がどんな魔法を使ったのか分からない状態で突っ込むのは危険だ! レオノラ君には申し訳無いけどここは様子を見て――――』
ちょっとだけ静かにしてくれ。なんでか分からないけど、今最高にイラついてるんだ。
「速い――!?」
「頭を飛ばせば良いんだな?」
「――ですが、速いだけでは私には勝てませんね」
頭を斬り飛ばしたと認識した次の瞬間、俺の心臓の拍動が止まっているのが理解出来た。
(なん......だ? 声が......出ない?)
口をパクパクさせるが思うように声が出ない。
血流が止まっているのか? なんで急にそんな......
「私が操れるのは自分の血液だけだと思いましたか? 残念!! 私に近付いた者なら他人の血液でも操れるのですよ!! 貴方達の血流は今止まり!! 直に意識が遠くなりそのまま死ぬ!! どうです? 怖くなりましたか? 後悔しましたか?」
まじかよ......あー駄目だ。考えが纏まらなくなってきた......意識が遠のく。
「訳ねぇだろクソが!!」
「......はっ!? 何故......死ぬどころか立ち上がれる!?」
「お前魔王なのに知らねーのかよ。人間様にはな、根性って言うのがあるんだよ。全身の血の巡りが止まった位で俺は死なねぇのよ」
「はァ!? 有り得ない......有り得るはずが無い!!!!」
――――お、
「それはいいけどさ、お前、後ろ向いた方が良いぜ」
「なんだと――」
後ろにはもう一人の人影が大きく振りかぶっていた。
「悪いな。俺も諦めが悪いんだよ」
丁度良く後ろを向いたニシュラブの顔面にレオノラの拳がクリーンヒットする。
「ショゲバッ!!!!」
ニシュラブは顔面から床に思いっ切り叩きつけられてその場を転がっていた。
「おーおーお兄ちゃんよー! 死んじまったかと思ってビビったぜ」
「茶化すな。お前だって根性などと言う謎パワーで復活しやがって、せっかく自分で手を下す手間が省けたと思ったのに......」
「またそんな事言っちゃって! お兄ちゃん自らの手で俺の事殺さないと気が済まない癖に!」
「――貴様等ァァァ!! 一度攻撃が当たった位で良い気になるなよ!! 楽には殺さんぞ......死んだ方が楽だと思える程の苦痛で貴様等を閉じ込めてやるからなァァァァ!!!!」
ビリビリと空気が魔力の暴威に当てられて震える。これが魔王の覇気って奴か。
「てことでようお兄ちゃん。俺達のルールが決まった」
「......ほう。聞こうじゃないか」
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