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第7章 大罪天使の降誕
第118話 深夜の会議①
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魔王アポキュアスは主力である幹部の人数が多い事でもその名が知れ渡っている。
当の本人も寝静まった深い夜。今夜もまた彼女達幹部の会議が始まろうとしていた――――
「やっと寝たよアポのアホが......最近寝るの遅くねぇか!? 寝ろよ早くイライラすんなぁ!!」
開口一番に吠えたのは赤髪の少女であった。
「まぁ~~そう~カッカしないでぇ憤怒~。アポキュアス様は~、マンガさんを読んでるんだよ~。私はめんどくさいから読まな~い」
緑髪の少女は目を擦りながらイーラと呼ばれる赤髪の少女を宥めている。
「怠惰は面倒くさがりで損してるわねー!『紅蓮の侍エラ』! 面白いのに! そういう流行に乗り遅れるスタイル憧れちゃうわねー!」
幹部達が囲んで座っているテーブルから身を乗り出し、紫髪の少女がレイサを笑う。
「嫉妬の嫉妬マジ濡れない。もっとエロく話せないの?」
「うっさい色欲! 大体これは嫉妬じゃなくて皮肉って言うのよ変態!」
その勢いのまま紫髪の少女、インヴィと桃髪の少女、ルリアは会議そっちのけで喧嘩を初めてしまった。
「また始まったよインヴィとルリアの喧嘩。やっぱり嫉妬と色欲って相性悪いのかね?......会議始まりそうにないしご飯食べてもいい?」
「おお 暴食! 一口くれぇ! 一口でいいから!」
「やだよ? 強欲んいっつも一口って言って”これが私の一口!!”って全部食べるんだから!」
黄色い髪の少女、グオーラと白髪の少女、アヴァは食べ物の取り合いを始めた。
こうして、幹部たちの会議はいつも始まる前に破綻してしまうのだった。
そして、最後の一人である彼女が鎮めるのもいつもの流れである。
「いい加減黙ってッ!!!!」
周囲の空気が裂けるほどの大声が空間を支配する。今までまとまる事の無かった六人も一斉に声の主の方を見た。
声の主。彼女は魔王アポキュアスの幹部、“傲慢”のスペルである。
「貴様らは出てくればいつまでもぺちゃくちゃぺちゃくちゃと......同じ顔! 同じ声で喋られると分かんないから順番に話せっていつも言っているよな? 私の言葉は貴様らには理解出来ない程高尚か? 違うだろ!? 貴様らにも分かるようにレベルを落として伝えているんだから汲み取れ!!」
「でもよスペル? テメェだって同じ顔、同じ声じゃねぇか! オレ達違うのは髪の色位で――――」
イーラがここまで言いかけた時、六人はある事に気がついた。
直近最後の会議は二日前であった。その時のスペルはみんなと同じ顔。違う所は髪が金色という所のみの普通の少女であった。
だが今、スペルの声がする方向に六人の知るスペルの姿は無かった。
そこにいたのは、全身が金に塗装された鋼で出来ており、顔に当たる部分に表情を映し出す電光掲示板が埋め込まれた機械であった。
「「「誰ッ!?!?!?」」」
二日前まで同じ顔、同じ声だったのに一人が機械になっていた。
六人の声は虚に木霊し消えていった。
「訳わかんねぇ......」
「ど~いうこと~?」
「羨ましい......」
「機械に襲われる...ってのも悪くはないわね」
「その体ご飯食べれるの?」
「私もその体欲しい!!!!」
「六者六様になんの実りも生まない感想を述べる前にまずはなんで私がこうなったか聞くべきじゃない?」
「「「なんでそんな体になったの???」」」
「誰が貴様らなんぞに教えるか。どうせ言っても理解出来ないだろう?」
スペルの電光掲示板に呆れ顔の顔文字が大きく映し出される。誰がどう見ても見下し、煽っている証拠である。
「クソムカつくんだけど死ね!」
「スペルのそういう所、嫌い」
六人の中で特に怒りの沸点が低いイーラとインヴィがスペルに詰め寄る。
「――まぁ、というのは冗談で、私のこの体は本日の議題と関係があるのだ。順を追って説明するから二人とも座って」
「......チッ! なら早くそう言えよ!」
「それで? 今日の議題は何なのですか?」
スペルの顔が魔王の幹部らしい威圧を孕んだ表情に変化する。
「我らが主、魔王アポキュアス様に仇なす可能性のある者。並びに現在空席である創世神の座に就こうとしている不届き者。異世界人、マツルという名の人物について」
当の本人も寝静まった深い夜。今夜もまた彼女達幹部の会議が始まろうとしていた――――
「やっと寝たよアポのアホが......最近寝るの遅くねぇか!? 寝ろよ早くイライラすんなぁ!!」
開口一番に吠えたのは赤髪の少女であった。
「まぁ~~そう~カッカしないでぇ憤怒~。アポキュアス様は~、マンガさんを読んでるんだよ~。私はめんどくさいから読まな~い」
緑髪の少女は目を擦りながらイーラと呼ばれる赤髪の少女を宥めている。
「怠惰は面倒くさがりで損してるわねー!『紅蓮の侍エラ』! 面白いのに! そういう流行に乗り遅れるスタイル憧れちゃうわねー!」
幹部達が囲んで座っているテーブルから身を乗り出し、紫髪の少女がレイサを笑う。
「嫉妬の嫉妬マジ濡れない。もっとエロく話せないの?」
「うっさい色欲! 大体これは嫉妬じゃなくて皮肉って言うのよ変態!」
その勢いのまま紫髪の少女、インヴィと桃髪の少女、ルリアは会議そっちのけで喧嘩を初めてしまった。
「また始まったよインヴィとルリアの喧嘩。やっぱり嫉妬と色欲って相性悪いのかね?......会議始まりそうにないしご飯食べてもいい?」
「おお 暴食! 一口くれぇ! 一口でいいから!」
「やだよ? 強欲んいっつも一口って言って”これが私の一口!!”って全部食べるんだから!」
黄色い髪の少女、グオーラと白髪の少女、アヴァは食べ物の取り合いを始めた。
こうして、幹部たちの会議はいつも始まる前に破綻してしまうのだった。
そして、最後の一人である彼女が鎮めるのもいつもの流れである。
「いい加減黙ってッ!!!!」
周囲の空気が裂けるほどの大声が空間を支配する。今までまとまる事の無かった六人も一斉に声の主の方を見た。
声の主。彼女は魔王アポキュアスの幹部、“傲慢”のスペルである。
「貴様らは出てくればいつまでもぺちゃくちゃぺちゃくちゃと......同じ顔! 同じ声で喋られると分かんないから順番に話せっていつも言っているよな? 私の言葉は貴様らには理解出来ない程高尚か? 違うだろ!? 貴様らにも分かるようにレベルを落として伝えているんだから汲み取れ!!」
「でもよスペル? テメェだって同じ顔、同じ声じゃねぇか! オレ達違うのは髪の色位で――――」
イーラがここまで言いかけた時、六人はある事に気がついた。
直近最後の会議は二日前であった。その時のスペルはみんなと同じ顔。違う所は髪が金色という所のみの普通の少女であった。
だが今、スペルの声がする方向に六人の知るスペルの姿は無かった。
そこにいたのは、全身が金に塗装された鋼で出来ており、顔に当たる部分に表情を映し出す電光掲示板が埋め込まれた機械であった。
「「「誰ッ!?!?!?」」」
二日前まで同じ顔、同じ声だったのに一人が機械になっていた。
六人の声は虚に木霊し消えていった。
「訳わかんねぇ......」
「ど~いうこと~?」
「羨ましい......」
「機械に襲われる...ってのも悪くはないわね」
「その体ご飯食べれるの?」
「私もその体欲しい!!!!」
「六者六様になんの実りも生まない感想を述べる前にまずはなんで私がこうなったか聞くべきじゃない?」
「「「なんでそんな体になったの???」」」
「誰が貴様らなんぞに教えるか。どうせ言っても理解出来ないだろう?」
スペルの電光掲示板に呆れ顔の顔文字が大きく映し出される。誰がどう見ても見下し、煽っている証拠である。
「クソムカつくんだけど死ね!」
「スペルのそういう所、嫌い」
六人の中で特に怒りの沸点が低いイーラとインヴィがスペルに詰め寄る。
「――まぁ、というのは冗談で、私のこの体は本日の議題と関係があるのだ。順を追って説明するから二人とも座って」
「......チッ! なら早くそう言えよ!」
「それで? 今日の議題は何なのですか?」
スペルの顔が魔王の幹部らしい威圧を孕んだ表情に変化する。
「我らが主、魔王アポキュアス様に仇なす可能性のある者。並びに現在空席である創世神の座に就こうとしている不届き者。異世界人、マツルという名の人物について」
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