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第51話 店主、拉致される
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がらごろがらごろがらごろ。
馬車は街道をひたすら北に向かって走り続けている。
むすっとして窓に頬杖をつく僕に、アラグは苦笑しながら声を掛けた。
「シルカ、いい加減機嫌直せよ。たかが山登りに行くだけじゃないか」
「…………」
僕は窓の外に向けていた目線をちらりとアラグへと向けた。
「僕は嫌だって散々言ってるじゃないか。それを無理矢理連れ出すあんたの神経が分からない」
「それは悪かったって。ほら、干し肉やるからその膨れっ面を元に戻せ。な?」
「いらない」
僕はすっぱりと言い放って、視線を窓の外へと戻した。
──結局。
アラグに押し切られる形で、僕はオロトワ山脈の洞窟探索へと行くことになってしまったのだ。
何でオロトワ行きを承諾してしまったのか? それは僕にも分からない。
どうも最近、アラグは僕に対して遠慮というものがなくなってきてる気がする。
元々そんなものはないような気もするが、そこはそれというやつである。
オロトワ山脈までは、馬車で五日ほどかかる。
山の麓にあるオロトワの街まで馬車で行き、そこでアラグが協力を依頼したという冒険者仲間と合流して、その後皆で洞窟のある山を登るという算段なのだ。
アラグは単なる山登りだと言い張っているが、ただの山登りにわざわざ冒険者仲間を助っ人で呼ぶとは思えない。
絶対この山登りには何かがある。僕はそう睨んでいる。
だから、余計に嫌だったのだ。この旅に参加するのは。
それに無理矢理連れてこられたとあっては、機嫌のひとつも悪くなるというもの。
これでにこにこしていられたら、そいつは間違いなく聖人である。
「今回協力を頼んだ冒険者は、お前も知ってる奴だ。会うのは五年ぶりになるのか? まあ、楽しみにしててくれ」
自慢ではないが、冒険者時代の僕は割と他の冒険者との交流は多い方だった。
今でも冒険者を続けている知人が各地にいるのだ。
まあ向こうからしたら僕との再会なんて冒険者生活の中でよくあることのひとつに数えられるだろうけど。
一体誰が来るのだろう。それはちょっと気になることではある。
「……何人来るんだ? 助っ人ってのは」
僕の質問に、アラグは答えた。
「一人だ。そんなに大変な山登りでもないからな、戦える奴は二人もいれば十分だ」
「……そう言うってことは、やっぱりいるんだな。魔物が」
僕は半眼になった。
やっぱり単なる山登りじゃなかったじゃないか。
僕の冷たい視線を浴びてもアラグは気楽に笑うばかりだ。
「何でもロックリザードの生息地になってるって話だ。まあ、ロックリザードなんて単なる頑丈な蜥蜴だからな。何とでもなるさ」
「そういう場所に一般人を連れて行こうなんて考えるなよ!」
「シルカ、落ち着け。何もわんさかいるわけじゃない。ひょっとしたら群れているかもな、ってくらいだから」
「落ち着けるか! 馬鹿!」
オロトワの街まで、五日。
どうやら、到着するまで道中の魔物の襲撃に怯えたり悶々としたりする時間を過ごす羽目になりそうである。
馬車は街道をひたすら北に向かって走り続けている。
むすっとして窓に頬杖をつく僕に、アラグは苦笑しながら声を掛けた。
「シルカ、いい加減機嫌直せよ。たかが山登りに行くだけじゃないか」
「…………」
僕は窓の外に向けていた目線をちらりとアラグへと向けた。
「僕は嫌だって散々言ってるじゃないか。それを無理矢理連れ出すあんたの神経が分からない」
「それは悪かったって。ほら、干し肉やるからその膨れっ面を元に戻せ。な?」
「いらない」
僕はすっぱりと言い放って、視線を窓の外へと戻した。
──結局。
アラグに押し切られる形で、僕はオロトワ山脈の洞窟探索へと行くことになってしまったのだ。
何でオロトワ行きを承諾してしまったのか? それは僕にも分からない。
どうも最近、アラグは僕に対して遠慮というものがなくなってきてる気がする。
元々そんなものはないような気もするが、そこはそれというやつである。
オロトワ山脈までは、馬車で五日ほどかかる。
山の麓にあるオロトワの街まで馬車で行き、そこでアラグが協力を依頼したという冒険者仲間と合流して、その後皆で洞窟のある山を登るという算段なのだ。
アラグは単なる山登りだと言い張っているが、ただの山登りにわざわざ冒険者仲間を助っ人で呼ぶとは思えない。
絶対この山登りには何かがある。僕はそう睨んでいる。
だから、余計に嫌だったのだ。この旅に参加するのは。
それに無理矢理連れてこられたとあっては、機嫌のひとつも悪くなるというもの。
これでにこにこしていられたら、そいつは間違いなく聖人である。
「今回協力を頼んだ冒険者は、お前も知ってる奴だ。会うのは五年ぶりになるのか? まあ、楽しみにしててくれ」
自慢ではないが、冒険者時代の僕は割と他の冒険者との交流は多い方だった。
今でも冒険者を続けている知人が各地にいるのだ。
まあ向こうからしたら僕との再会なんて冒険者生活の中でよくあることのひとつに数えられるだろうけど。
一体誰が来るのだろう。それはちょっと気になることではある。
「……何人来るんだ? 助っ人ってのは」
僕の質問に、アラグは答えた。
「一人だ。そんなに大変な山登りでもないからな、戦える奴は二人もいれば十分だ」
「……そう言うってことは、やっぱりいるんだな。魔物が」
僕は半眼になった。
やっぱり単なる山登りじゃなかったじゃないか。
僕の冷たい視線を浴びてもアラグは気楽に笑うばかりだ。
「何でもロックリザードの生息地になってるって話だ。まあ、ロックリザードなんて単なる頑丈な蜥蜴だからな。何とでもなるさ」
「そういう場所に一般人を連れて行こうなんて考えるなよ!」
「シルカ、落ち着け。何もわんさかいるわけじゃない。ひょっとしたら群れているかもな、ってくらいだから」
「落ち着けるか! 馬鹿!」
オロトワの街まで、五日。
どうやら、到着するまで道中の魔物の襲撃に怯えたり悶々としたりする時間を過ごす羽目になりそうである。
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