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第55話 ユジンの司祭ミルウード
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生き残っていた最後のロックリザードがシャオレンの魔術に頭を撃ち抜かれて倒れる。
後には首を飛ばされ、腹を裂かれ、血だらけになった死骸ばかりが残った。
剣に付いた血を指で拭いながら、アラグはこちらに振り返った。
「終わったぞ、シルカ」
「…………」
僕は二人のいる方へと歩み寄った。
死屍累々の山道を見て、溜め息をつく。
通り道を塞ぐように横たわるロックリザードは、正直言って邪魔である。岩が増えたようなものだ。
「……障害物が増えたな」
「ん?……ああ」
それがどうした? と言わんばかりのニュアンスでのんびりとロックリザードの死骸に目を向けるアラグ。
「咬み付いてこないんだし、いいだろ。そのまま踏み越えれば」
「血とか内臓とか踏みたくないんだよ! 気持ち悪いだろ!」
「そんなの後で洗えばいいじゃないか」
肩を竦めて、アラグはさっさと屍の群れを踏み越えて行ってしまった。
これだから冒険者ってのは!
僕はなるべく血や内臓のない綺麗な場所を選んで、何とかロックリザードの死骸の群れを超えた。
そして山登りを再開して、二時間が経過し。
遂に僕たちは、目的地である洞窟に到着した。
まるで魔物の口のように大きく口を開いた横穴は、風が吹き込んで低い唸り声のような音を立てている。
奥が見えないということは、結構深い穴倉になっているらしい。
シャオレンは掌を上に向けて翳し、魔術を唱えて闇を照らすための明かりを生み出した。
「それじゃあ、行くぞ」
アラグを先頭に、僕たちは洞窟の中に入った。
洞窟の中は、単純な一本道だった。
明かりに照らし出された天井の蝙蝠が、キィキィと鳴きながら慌てて飛び去っていく。
そうして、平坦な岩の道を進んでいき。
明るい場所に、出た。
そこは、岩を丸く刳り貫いて作ったような広い空間になっていた。
天井には大きな魔光が浮かんでおり、空間全体を白く照らし出している。
その真下には平べったい岩があり、剣が一本突き刺さっている。
そして、その傍には剣に向けて両手を翳しているひょろりとした背の高い男が一人。
「……ん?」
足音に気付いたのか、男がこちらを向いた。
短く刈った銀の髪に、赤い瞳。左の頬には紋様の刺青がある。何も着ていない上半身には煌びやかな宝飾をこれでもかというくらいに身に着けて、下半身にはゆったりとしたサルエルのようなズボンを履いている。靴は履いておらず、足首に着けた幾つもの金の輪っかがぶつかり合ってしゃらりと音を立てていた。
男を見た瞬間、僕の中で何かが揺れた。
あの男……何処かで……
「あらぁ……こんなところにお客さんが来るって珍しいね」
男は僕たちを見てふふっと笑うと、正面──剣の方へと視線を戻した。
「今は忙しいから、君たちの相手はできないの。ごめんね?」
男の両手がアクアマリン色に輝く。
剣の周囲が丸く光を放ち、びしり、と光に亀裂が入った。
そのまま、ぱりんと澄んだ音を立てて光は砕け散り──
「よしよし。ちゃんと解けたね」
男は岩に突き刺さった剣に手を伸ばし、剣を岩から引き抜いた。
黄銅の柄。淡い青色を宿す水晶でできた刃。
間違いない。あれは僕たちが手に入れようと思っていた精霊の剣だ。
「……さてと。これで僕の用事は済んだけど……」
男は僕たちの方に向き直り、首をことりと傾けた。
「君たちは、誰? 何の用があって此処に来たのかな?」
「……俺たちは、あんたが今持ってるその短剣を探し求めて此処に来た」
アラグは一歩前に進み出て、言った。
「頼む。そいつを俺たちに譲ってくれないか。俺たちには、そいつがどうしても必要なんだ」
「それは無理な相談だなぁ」
男は肩を竦めた。
「僕たちは、ユジンの司祭としてあの封印を解かなきゃいけないんだ。そのためにはこれが必要なんだよ。神への道を開く森羅万象の四柱がね」
──ユジンの司祭──
……僕の中で、ばらばらになっていた記憶がひとつに繋がった。
何処かで見覚えがあると思っていたが、それはそのはず。この男は、クレブ山のダンジョンで会ったサテュロスという男に雰囲気がそっくりなのだ。
「あんた……サテュロスの仲間か?」
僕がそう疑問を投げかけると。
男は目を瞬かせて、興味津々と僕を見た。
「ああ、君がサテュロスが言ってた『心臓』を狙う人間かぁ。それなら確かに、これを欲しがっても不思議はないかもねぇ」
手中の精霊の剣を弄びながら、笑う。
「僕たちの他にあの封印を解こうとする存在がいるなんて、びっくりさ。ちょっと寝ている間に伝承のことが知られているなんて、嬉しいよ」
そう言って、彼は精霊の剣をアラグに向かって放り投げた。
アラグはそれをキャッチして、精霊の剣と男の顔とを交互に見比べた。
「……!?」
「気が変わった。それは君たちにあげるよ。考えてみれば森羅万象の四柱は、誰が立てても変わらないもんね」
でも、と男は人差し指を口元に立てるポーズを取って、悪戯っぽく笑った。
「でも『心臓』はあげない。最終拝謁を果たすのが僕たちユジンの司祭の使命だから。それだけは、譲るわけにはいかないんだよ」
頭上に右手を翳し、握り潰す動作をする。
この空間を照らしていた光が、まるで潰れるように消えた。
彼は静かにこちらに向かって歩いてくると、そのまま僕たちの横を通り過ぎた。
そして一度立ち止まり、肩越しに振り向いて言う。
「サテュロスに倣って僕も名乗っておくよ。僕の名前はミルウード。じゃあね、トワルの伝承を紐解いた人間たち」
そのまま、彼は歩いて僕たちの前から去っていった。
アラグはぽかんとして、ミルウードが去った後の通路を見つめていた。
「……何だ……?」
「トワルの伝承……? 一体、何のことなのかしら」
シャオレンも怪訝そうに首を傾げている。
と、二人の視線が僕へと向いた。
「シルカ。お前、何を知ってるんだ」
「…………」
……話す、しかないよな。これは。
僕は二人に、ア・ロア遺跡に調査に行ったことと、クレブ山のダンジョンでサテュロスに会った時のことを話した。
僕の話を聞いたアラグの表情が、少しずつ引き締まっていく。
「精霊の剣で封印された扉の向こうに眠るもの……か。今の奴はそれを狙っているってことなんだな?」
「大丈夫なの? そんな状況で封印解いちゃったりして」
シャオレンの言葉に、アラグは少し考えてから、頷いた。
「ああ。解く。そうしなけりゃ始まらんからな」
手中の精霊の剣に目を向けて、彼は、
「世界に眠る謎を解くのが冒険者ってもんだ。一度乗りかかった船は最後まで乗り切らんとな」
「それなら、アタシも協力するわ。古代遺跡に眠る大きな謎を解明するなんてロマンですもの。此処で降りたらもったいないじゃない」
そこまで言って、二人の視線が僕へと向いた。
僕は首を振った。
「僕はもう遺跡には行かないぞ。謎解きはあんたたち冒険者の間で勝手にやってくれ」
二人の視線から逃れるように視線をそらして、呟く。
「……店でできることくらいなら、協力してやるからさ」
そのうち、世界各地を回っていたフラウが帰ってくるだろう。
アラグと、シャオレンと、フラウ。この三人がいれば、あの遺跡の仕掛けを動かすことくらいならできるだろう。
その仕掛けを動かした先に何があるのか、それは皆の目で確かめてほしいと思う。
その探索劇に、僕を巻き込まないでほしい。切実な願いだ。
よし、とアラグは大きな声を発して、精霊の剣を腰の袋に入れた。
「目的も果たしたことだし、とりあえず帰るか。今から帰れば夜には街に着くだろ」
「そうね。山道を歩いて埃っぽくなっちゃったし、お風呂に入ってさっぱりしたいわ」
ローブの裾をぱたぱたとはたくシャオレン。
僕も、長時間の登山で汗をかいたりしたから風呂に入りたい。
下山は登山と比較すれば楽だ。疲れた体ではあるが、問題なく下りることができるはずだ。
街に着くまで六時間。頑張って歩こう。
僕たちは、目的を果たしたという達成感を胸に洞窟を後にした。
後には首を飛ばされ、腹を裂かれ、血だらけになった死骸ばかりが残った。
剣に付いた血を指で拭いながら、アラグはこちらに振り返った。
「終わったぞ、シルカ」
「…………」
僕は二人のいる方へと歩み寄った。
死屍累々の山道を見て、溜め息をつく。
通り道を塞ぐように横たわるロックリザードは、正直言って邪魔である。岩が増えたようなものだ。
「……障害物が増えたな」
「ん?……ああ」
それがどうした? と言わんばかりのニュアンスでのんびりとロックリザードの死骸に目を向けるアラグ。
「咬み付いてこないんだし、いいだろ。そのまま踏み越えれば」
「血とか内臓とか踏みたくないんだよ! 気持ち悪いだろ!」
「そんなの後で洗えばいいじゃないか」
肩を竦めて、アラグはさっさと屍の群れを踏み越えて行ってしまった。
これだから冒険者ってのは!
僕はなるべく血や内臓のない綺麗な場所を選んで、何とかロックリザードの死骸の群れを超えた。
そして山登りを再開して、二時間が経過し。
遂に僕たちは、目的地である洞窟に到着した。
まるで魔物の口のように大きく口を開いた横穴は、風が吹き込んで低い唸り声のような音を立てている。
奥が見えないということは、結構深い穴倉になっているらしい。
シャオレンは掌を上に向けて翳し、魔術を唱えて闇を照らすための明かりを生み出した。
「それじゃあ、行くぞ」
アラグを先頭に、僕たちは洞窟の中に入った。
洞窟の中は、単純な一本道だった。
明かりに照らし出された天井の蝙蝠が、キィキィと鳴きながら慌てて飛び去っていく。
そうして、平坦な岩の道を進んでいき。
明るい場所に、出た。
そこは、岩を丸く刳り貫いて作ったような広い空間になっていた。
天井には大きな魔光が浮かんでおり、空間全体を白く照らし出している。
その真下には平べったい岩があり、剣が一本突き刺さっている。
そして、その傍には剣に向けて両手を翳しているひょろりとした背の高い男が一人。
「……ん?」
足音に気付いたのか、男がこちらを向いた。
短く刈った銀の髪に、赤い瞳。左の頬には紋様の刺青がある。何も着ていない上半身には煌びやかな宝飾をこれでもかというくらいに身に着けて、下半身にはゆったりとしたサルエルのようなズボンを履いている。靴は履いておらず、足首に着けた幾つもの金の輪っかがぶつかり合ってしゃらりと音を立てていた。
男を見た瞬間、僕の中で何かが揺れた。
あの男……何処かで……
「あらぁ……こんなところにお客さんが来るって珍しいね」
男は僕たちを見てふふっと笑うと、正面──剣の方へと視線を戻した。
「今は忙しいから、君たちの相手はできないの。ごめんね?」
男の両手がアクアマリン色に輝く。
剣の周囲が丸く光を放ち、びしり、と光に亀裂が入った。
そのまま、ぱりんと澄んだ音を立てて光は砕け散り──
「よしよし。ちゃんと解けたね」
男は岩に突き刺さった剣に手を伸ばし、剣を岩から引き抜いた。
黄銅の柄。淡い青色を宿す水晶でできた刃。
間違いない。あれは僕たちが手に入れようと思っていた精霊の剣だ。
「……さてと。これで僕の用事は済んだけど……」
男は僕たちの方に向き直り、首をことりと傾けた。
「君たちは、誰? 何の用があって此処に来たのかな?」
「……俺たちは、あんたが今持ってるその短剣を探し求めて此処に来た」
アラグは一歩前に進み出て、言った。
「頼む。そいつを俺たちに譲ってくれないか。俺たちには、そいつがどうしても必要なんだ」
「それは無理な相談だなぁ」
男は肩を竦めた。
「僕たちは、ユジンの司祭としてあの封印を解かなきゃいけないんだ。そのためにはこれが必要なんだよ。神への道を開く森羅万象の四柱がね」
──ユジンの司祭──
……僕の中で、ばらばらになっていた記憶がひとつに繋がった。
何処かで見覚えがあると思っていたが、それはそのはず。この男は、クレブ山のダンジョンで会ったサテュロスという男に雰囲気がそっくりなのだ。
「あんた……サテュロスの仲間か?」
僕がそう疑問を投げかけると。
男は目を瞬かせて、興味津々と僕を見た。
「ああ、君がサテュロスが言ってた『心臓』を狙う人間かぁ。それなら確かに、これを欲しがっても不思議はないかもねぇ」
手中の精霊の剣を弄びながら、笑う。
「僕たちの他にあの封印を解こうとする存在がいるなんて、びっくりさ。ちょっと寝ている間に伝承のことが知られているなんて、嬉しいよ」
そう言って、彼は精霊の剣をアラグに向かって放り投げた。
アラグはそれをキャッチして、精霊の剣と男の顔とを交互に見比べた。
「……!?」
「気が変わった。それは君たちにあげるよ。考えてみれば森羅万象の四柱は、誰が立てても変わらないもんね」
でも、と男は人差し指を口元に立てるポーズを取って、悪戯っぽく笑った。
「でも『心臓』はあげない。最終拝謁を果たすのが僕たちユジンの司祭の使命だから。それだけは、譲るわけにはいかないんだよ」
頭上に右手を翳し、握り潰す動作をする。
この空間を照らしていた光が、まるで潰れるように消えた。
彼は静かにこちらに向かって歩いてくると、そのまま僕たちの横を通り過ぎた。
そして一度立ち止まり、肩越しに振り向いて言う。
「サテュロスに倣って僕も名乗っておくよ。僕の名前はミルウード。じゃあね、トワルの伝承を紐解いた人間たち」
そのまま、彼は歩いて僕たちの前から去っていった。
アラグはぽかんとして、ミルウードが去った後の通路を見つめていた。
「……何だ……?」
「トワルの伝承……? 一体、何のことなのかしら」
シャオレンも怪訝そうに首を傾げている。
と、二人の視線が僕へと向いた。
「シルカ。お前、何を知ってるんだ」
「…………」
……話す、しかないよな。これは。
僕は二人に、ア・ロア遺跡に調査に行ったことと、クレブ山のダンジョンでサテュロスに会った時のことを話した。
僕の話を聞いたアラグの表情が、少しずつ引き締まっていく。
「精霊の剣で封印された扉の向こうに眠るもの……か。今の奴はそれを狙っているってことなんだな?」
「大丈夫なの? そんな状況で封印解いちゃったりして」
シャオレンの言葉に、アラグは少し考えてから、頷いた。
「ああ。解く。そうしなけりゃ始まらんからな」
手中の精霊の剣に目を向けて、彼は、
「世界に眠る謎を解くのが冒険者ってもんだ。一度乗りかかった船は最後まで乗り切らんとな」
「それなら、アタシも協力するわ。古代遺跡に眠る大きな謎を解明するなんてロマンですもの。此処で降りたらもったいないじゃない」
そこまで言って、二人の視線が僕へと向いた。
僕は首を振った。
「僕はもう遺跡には行かないぞ。謎解きはあんたたち冒険者の間で勝手にやってくれ」
二人の視線から逃れるように視線をそらして、呟く。
「……店でできることくらいなら、協力してやるからさ」
そのうち、世界各地を回っていたフラウが帰ってくるだろう。
アラグと、シャオレンと、フラウ。この三人がいれば、あの遺跡の仕掛けを動かすことくらいならできるだろう。
その仕掛けを動かした先に何があるのか、それは皆の目で確かめてほしいと思う。
その探索劇に、僕を巻き込まないでほしい。切実な願いだ。
よし、とアラグは大きな声を発して、精霊の剣を腰の袋に入れた。
「目的も果たしたことだし、とりあえず帰るか。今から帰れば夜には街に着くだろ」
「そうね。山道を歩いて埃っぽくなっちゃったし、お風呂に入ってさっぱりしたいわ」
ローブの裾をぱたぱたとはたくシャオレン。
僕も、長時間の登山で汗をかいたりしたから風呂に入りたい。
下山は登山と比較すれば楽だ。疲れた体ではあるが、問題なく下りることができるはずだ。
街に着くまで六時間。頑張って歩こう。
僕たちは、目的を果たしたという達成感を胸に洞窟を後にした。
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