103 / 176
第103話 海の片隅で眠る船
しおりを挟む
近付いてくる波の音。強くなっていく潮の香り。
風が、ふわりと僕の髪を揺らして後方に吹き抜けていく。
鍵で閉じられた扉の先にあったもの。
それは、岩の中に作られた港と、桟橋の横に停泊した大きな船だった。
船はすっかり朽ちており、船体のあちこちに穴が空いている。マストは半ばから折れており、この分だと甲板の方も目茶苦茶になっていそうだ。
幽霊船。まさにその言葉がぴったりの有様の船である。
船の後方には海が広がっており、外の景色が見えた。風もそこから吹いてきている。
船を見て、ブランはほうと声を漏らした。
「海賊船だな」
「凄いですぅ。私、海賊船なんて初めて見ましたぁ」
イオンは宝物を見つけた子供のようにはしゃいでいる。
「……もう長いこと使われてないみたいだな」
桟橋に近付いて軽く足で蹴りながら、ブランは呟いた。
おそらくこの船は、此処にいた魔物たちがまだ人間だった頃に使っていたものなのだろう。
それがこんなになるまで放置されているとは、此処の魔物が人間から魔物に変わってから随分と長い月日が経過していたことが伺える。
僕は言った。
「……きっと、ずっと忘れ去られていた場所なんだろうな……それだけ放置されていたら、朽ちもするよ」
「そうだな」
ブランは頷いて、外に目を向けた。
「此処から外に出られそうだな。丁度いい、此処から出て街に戻るとするか」
「街に戻りますかぁ?」
小首を傾げるイオンに頷いて、彼は言った。
「ああ。帰ろう」
こうしてスエルニャ洞穴の探索を終えた僕たちは、セロナの街に戻ってきた。
僕は街の宿に運び込まれ、イオンが買ってきてくれたハイポーションのお陰で何とか腹の傷を癒すことができた。
撃たれた跡は残ってしまったが、それは仕方がない。治っただけ良しということにしておこう。
大事を取ってその日は宿で一泊することになり、翌朝、僕たちはアメミヤに向けて出発した。
幻獣が飛ぶスピードにも大分慣れた。今では殆ど恐怖は感じない。
やっとよろず屋の店主としての生活に戻れることに安堵しつつ、僕は二人と共にアメミヤの街に帰り着いた。
街に到着した時、既に日は沈みかけていた。
シルバー、今頃腹空かせてるだろうな。帰ったら早速食事の用意をしてやらなくちゃ。
店に戻った僕は、入口の鍵を開けた。
「さて。無事に手に入れた宝だが……」
例の金貨を作業台の上に置き、ブランは腕を組んだ。
「これが海賊王の宝を隠した場所のヒントになる品なのか? 俺には全然そうは思えん」
「でも、海賊さんは『鍵』がどうって言ってましたよぉ」
金貨を指でちょんちょんとつついて、イオンがブランの顔を覗き込む。
「やっぱり、これが宝の在り処を示す重要な品なんじゃないでしょうかぁ」
「ふむ……」
僕は二人の遣り取りに耳を傾けながら、シルバーに食事をあげていた。
旅の出発前に用意しておいた食事だけでは足りなかったようで、シルバーは器に顔を突っ込んで肉をがっついている。
やっぱりペットがいると遠出はできないね。
「なあ、シルカはどう思う? こいつについて」
「ん?」
僕に話が振られたので、僕は二人の方を見た。
少し考えて、思ったことを口にする。
「そうだな……僕も、イオンの意見に賛成だよ。これは、宝の在り処を示す『鍵』になってるんじゃないかって思う」
世の中には、何の変哲もない品が何かの仕掛けを動かす重要な『鍵』になっているといった事象が数多く存在する。
ただの短剣が遺跡の扉の封印を解く鍵になっていたように、この金貨も何処かにある何かの仕掛けを動かすための鍵になっているんじゃないかと思うのだ。
あるいは、この金貨は実はひとつだけではなくて幾つも存在し、それら全てを集めると何かが起こるとか……そういう仕組みになっている可能性もある。
あの洞穴には錬金術の罠が仕掛けられていたし、海賊のリーダーも拳銃という錬金術の武器を持っていたし、十分に考えられることだ。
何にせよ、それは今後も色々と調べて情報を集めなければ分からない。
それをするのは、僕の役目ではない。宝を追う冒険者である彼らがやるべきことだ。
「これからも世界各地を旅して情報を集めていけば、何かしら分かると思うよ。頑張れ、あんたたちならできるさ」
「……そうか」
僕の言葉に深く頷いて、ブランは金貨を腰のポーチにしまった。
席を立ち、僕の方に歩いてくる。
「ありがとな、シルカ。お前のお陰で海賊王の宝が見えてきた。これからも俺たちは諦めずに宝を追って旅をするよ」
彼は食事に夢中のシルバーの頭を撫でて、イオンに声を掛けた。
「そういうわけだ。行くぞ、イオン」
「何処へ行くんですかぁ?」
イオンの言葉に彼はしばし考えて、答えた。
「海沿いの街やダンジョンを巡る。海賊王の宝だからな、そういう場所にこそ重要な情報が転がってると思うんだよな」
「分かりましたぁ」
では幻獣を呼びますね、と言ってイオンは小走りで店の外に行った。
続けて外に出ようとするブランを、僕は呼び止めた。
「そうだ、気になってたことがあるんだけど」
「何だ?」
僕はブランの腰のポーチに視線を向けて、
「あんた、酒を仕込んでただろ。保険って、何のことだったんだ?」
「……ああ、あれか」
ブランはにやりとして、外にいるイオンを見た。
イオンは杖を翳して幻獣を召喚している最中だ。
「とっておきの切り札ってやつだな」
まあ色々あるんだよ、と言って、彼は僕の肩を叩いた。
「それじゃ、世話になったな。シルカ。また困ったことになったら来るから、その時は力を貸してくれよな」
「……僕は一般人だって散々言ってるだろ。冒険者を引退した人間を旅に連れ回そうとするなよな」
「ははは、お前もまんざらじゃないって俺は思うけどな。……んじゃ、またな」
……まんざらじゃないって? 僕が?
そんなわけがない。僕は、ダンジョンに行くのは御免だって心の底から思っている。
でも……
ダンジョンを攻略した時に感じる達成感。それがないとは、言わない。
……ひょっとして、僕は。
少しずつ、旅に出るのを楽しいと思うようになってきているのだろうか。
幻獣に乗って去っていく二人を見送りながら、僕はそのようなことを思ったのだった。
風が、ふわりと僕の髪を揺らして後方に吹き抜けていく。
鍵で閉じられた扉の先にあったもの。
それは、岩の中に作られた港と、桟橋の横に停泊した大きな船だった。
船はすっかり朽ちており、船体のあちこちに穴が空いている。マストは半ばから折れており、この分だと甲板の方も目茶苦茶になっていそうだ。
幽霊船。まさにその言葉がぴったりの有様の船である。
船の後方には海が広がっており、外の景色が見えた。風もそこから吹いてきている。
船を見て、ブランはほうと声を漏らした。
「海賊船だな」
「凄いですぅ。私、海賊船なんて初めて見ましたぁ」
イオンは宝物を見つけた子供のようにはしゃいでいる。
「……もう長いこと使われてないみたいだな」
桟橋に近付いて軽く足で蹴りながら、ブランは呟いた。
おそらくこの船は、此処にいた魔物たちがまだ人間だった頃に使っていたものなのだろう。
それがこんなになるまで放置されているとは、此処の魔物が人間から魔物に変わってから随分と長い月日が経過していたことが伺える。
僕は言った。
「……きっと、ずっと忘れ去られていた場所なんだろうな……それだけ放置されていたら、朽ちもするよ」
「そうだな」
ブランは頷いて、外に目を向けた。
「此処から外に出られそうだな。丁度いい、此処から出て街に戻るとするか」
「街に戻りますかぁ?」
小首を傾げるイオンに頷いて、彼は言った。
「ああ。帰ろう」
こうしてスエルニャ洞穴の探索を終えた僕たちは、セロナの街に戻ってきた。
僕は街の宿に運び込まれ、イオンが買ってきてくれたハイポーションのお陰で何とか腹の傷を癒すことができた。
撃たれた跡は残ってしまったが、それは仕方がない。治っただけ良しということにしておこう。
大事を取ってその日は宿で一泊することになり、翌朝、僕たちはアメミヤに向けて出発した。
幻獣が飛ぶスピードにも大分慣れた。今では殆ど恐怖は感じない。
やっとよろず屋の店主としての生活に戻れることに安堵しつつ、僕は二人と共にアメミヤの街に帰り着いた。
街に到着した時、既に日は沈みかけていた。
シルバー、今頃腹空かせてるだろうな。帰ったら早速食事の用意をしてやらなくちゃ。
店に戻った僕は、入口の鍵を開けた。
「さて。無事に手に入れた宝だが……」
例の金貨を作業台の上に置き、ブランは腕を組んだ。
「これが海賊王の宝を隠した場所のヒントになる品なのか? 俺には全然そうは思えん」
「でも、海賊さんは『鍵』がどうって言ってましたよぉ」
金貨を指でちょんちょんとつついて、イオンがブランの顔を覗き込む。
「やっぱり、これが宝の在り処を示す重要な品なんじゃないでしょうかぁ」
「ふむ……」
僕は二人の遣り取りに耳を傾けながら、シルバーに食事をあげていた。
旅の出発前に用意しておいた食事だけでは足りなかったようで、シルバーは器に顔を突っ込んで肉をがっついている。
やっぱりペットがいると遠出はできないね。
「なあ、シルカはどう思う? こいつについて」
「ん?」
僕に話が振られたので、僕は二人の方を見た。
少し考えて、思ったことを口にする。
「そうだな……僕も、イオンの意見に賛成だよ。これは、宝の在り処を示す『鍵』になってるんじゃないかって思う」
世の中には、何の変哲もない品が何かの仕掛けを動かす重要な『鍵』になっているといった事象が数多く存在する。
ただの短剣が遺跡の扉の封印を解く鍵になっていたように、この金貨も何処かにある何かの仕掛けを動かすための鍵になっているんじゃないかと思うのだ。
あるいは、この金貨は実はひとつだけではなくて幾つも存在し、それら全てを集めると何かが起こるとか……そういう仕組みになっている可能性もある。
あの洞穴には錬金術の罠が仕掛けられていたし、海賊のリーダーも拳銃という錬金術の武器を持っていたし、十分に考えられることだ。
何にせよ、それは今後も色々と調べて情報を集めなければ分からない。
それをするのは、僕の役目ではない。宝を追う冒険者である彼らがやるべきことだ。
「これからも世界各地を旅して情報を集めていけば、何かしら分かると思うよ。頑張れ、あんたたちならできるさ」
「……そうか」
僕の言葉に深く頷いて、ブランは金貨を腰のポーチにしまった。
席を立ち、僕の方に歩いてくる。
「ありがとな、シルカ。お前のお陰で海賊王の宝が見えてきた。これからも俺たちは諦めずに宝を追って旅をするよ」
彼は食事に夢中のシルバーの頭を撫でて、イオンに声を掛けた。
「そういうわけだ。行くぞ、イオン」
「何処へ行くんですかぁ?」
イオンの言葉に彼はしばし考えて、答えた。
「海沿いの街やダンジョンを巡る。海賊王の宝だからな、そういう場所にこそ重要な情報が転がってると思うんだよな」
「分かりましたぁ」
では幻獣を呼びますね、と言ってイオンは小走りで店の外に行った。
続けて外に出ようとするブランを、僕は呼び止めた。
「そうだ、気になってたことがあるんだけど」
「何だ?」
僕はブランの腰のポーチに視線を向けて、
「あんた、酒を仕込んでただろ。保険って、何のことだったんだ?」
「……ああ、あれか」
ブランはにやりとして、外にいるイオンを見た。
イオンは杖を翳して幻獣を召喚している最中だ。
「とっておきの切り札ってやつだな」
まあ色々あるんだよ、と言って、彼は僕の肩を叩いた。
「それじゃ、世話になったな。シルカ。また困ったことになったら来るから、その時は力を貸してくれよな」
「……僕は一般人だって散々言ってるだろ。冒険者を引退した人間を旅に連れ回そうとするなよな」
「ははは、お前もまんざらじゃないって俺は思うけどな。……んじゃ、またな」
……まんざらじゃないって? 僕が?
そんなわけがない。僕は、ダンジョンに行くのは御免だって心の底から思っている。
でも……
ダンジョンを攻略した時に感じる達成感。それがないとは、言わない。
……ひょっとして、僕は。
少しずつ、旅に出るのを楽しいと思うようになってきているのだろうか。
幻獣に乗って去っていく二人を見送りながら、僕はそのようなことを思ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
女王ララの再建録 〜前世は主婦、今は王国の希望〜
香樹 詩
ファンタジー
13歳で“前世の記憶”を思い出したララ。
――前世の彼女は、家庭を守る“お母さん”だった。
そして今、王女として目の前にあるのは、
火の車の国家予算、癖者ぞろいの王宮、そして資源不足の魔鉱石《ビス》。
「これ……完全に、家計の立て直し案件よね」
頼れない兄王太子に代わって、
家計感覚と前世の知恵を武器に、ララは“王国の再建”に乗り出す!
まだ魔法が当たり前ではないこの国で、
新たな時代を切り拓く、小さな勇気と現実的な戦略の物語。
怒れば母、語れば姉、決断すれば君主。
異色の“王女ララの再建録”、いま幕を開けます!
*カクヨムにも投稿しています。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる