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第104話 辺境の街と古代の遺物
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「全部で二十ダイルになります」
穏やかな昼下がり。僕はいつものように、店で商売に勤しんでいた。
今日も朝から商品がよく売れている。売り上げとしては良いペースだ。
中でも、鎧が売れたのは大きい。あれが売れたお陰で、今日の売り上げは普段以上の数字が出ることが既に確約されていた。
夕飯は久々に奮発しようかな。そんなことを考えながら金庫を見ていると。
冒険者ギルドのギルベルトさんが、店を訪れた。
「よう、シルカ」
「こんにちは。ポーションの買い付けですか?」
まっすぐにポーションのある棚に向かう彼に声を掛ける。
ギルベルトさんは頷いて、木箱にポーションをせっせと詰め始めた。
「ああ。今日は何だか普段よりもポーションを欲しがる冒険者が多くてな。なくなる前に補充しとかんとな」
「大変そうですね」
木箱にきっちり三十本を詰め込んで、彼はカウンターにやって来た。
「そういえば、知ってるか?」
「何をですか?」
「前にお前さんに囲い作りを頼んだ薬草畑なんだが」
ジールさんのところの?
まさか、また泥棒が出たとでも言うんだろうか。
もう御免だよ、犯人扱いされるのは。
「また泥棒が出たんですか」
問う僕に、違う違うと首を振ってギルベルトさんは話を続けた。
「あの畑でな、遺物が見つかったんだよ」
……遺物?
遺跡が埋もれてるわけでも何でもないこの街で、そんなものが出るとは。
随分と珍しいことがあるものだ。
「今は冒険者を雇って発掘してもらってるところでな」
何でも遺物は三メートルほどの大きさの像らしい。
そんな大きさのものが畑に埋まってたなんて、ジールさんもさぞかし驚いたことだろうね。
「こいつはいい町興しのネタになるって街の連中は盛り上がっててな。お前さんはどう思う?」
「うーん」
町興し……ねえ。
確かにアメミヤは辺境にある街だし名物になるようなものは何もないが、そんな像ひとつで遠方から観光者を集められるとも思えない。
それならクレブ山の時のように新しいダンジョンが近場にできた方が余程人は集められると思う。
そもそも、町興しをしなければならないほど寂れてはいないと思うんだけど。アメミヤは。
「ダンジョンが見つかった……とかならともかく、像ひとつじゃ人は集まらないと思いますよ。今の御時勢古代の遺物なんてそんなに珍しいものじゃありませんし」
「そうか」
ギルベルトさんは微妙に残念そうな顔をした。
「まあ、興味があったらお前さんも見に行ってみるといい。でかくてなかなか迫力があるぞ」
「そうしてみます」
遠方から人を集められるような魅力はないと思うが、こんな場所で発掘された像というのは気にはなる。
今日はそれなりに稼いでるし、ちょっと店を閉めて見に行ってみようかな。
「幾らになる?」
「二百四十ダイルです」
「二百四十だな。ちょっと待っててくれ」
財布から金貨を取り出すギルベルトさんをカウンターに残して、僕は入口に掛かっている『営業中』の札を裏返しに行ったのだった。
穏やかな昼下がり。僕はいつものように、店で商売に勤しんでいた。
今日も朝から商品がよく売れている。売り上げとしては良いペースだ。
中でも、鎧が売れたのは大きい。あれが売れたお陰で、今日の売り上げは普段以上の数字が出ることが既に確約されていた。
夕飯は久々に奮発しようかな。そんなことを考えながら金庫を見ていると。
冒険者ギルドのギルベルトさんが、店を訪れた。
「よう、シルカ」
「こんにちは。ポーションの買い付けですか?」
まっすぐにポーションのある棚に向かう彼に声を掛ける。
ギルベルトさんは頷いて、木箱にポーションをせっせと詰め始めた。
「ああ。今日は何だか普段よりもポーションを欲しがる冒険者が多くてな。なくなる前に補充しとかんとな」
「大変そうですね」
木箱にきっちり三十本を詰め込んで、彼はカウンターにやって来た。
「そういえば、知ってるか?」
「何をですか?」
「前にお前さんに囲い作りを頼んだ薬草畑なんだが」
ジールさんのところの?
まさか、また泥棒が出たとでも言うんだろうか。
もう御免だよ、犯人扱いされるのは。
「また泥棒が出たんですか」
問う僕に、違う違うと首を振ってギルベルトさんは話を続けた。
「あの畑でな、遺物が見つかったんだよ」
……遺物?
遺跡が埋もれてるわけでも何でもないこの街で、そんなものが出るとは。
随分と珍しいことがあるものだ。
「今は冒険者を雇って発掘してもらってるところでな」
何でも遺物は三メートルほどの大きさの像らしい。
そんな大きさのものが畑に埋まってたなんて、ジールさんもさぞかし驚いたことだろうね。
「こいつはいい町興しのネタになるって街の連中は盛り上がっててな。お前さんはどう思う?」
「うーん」
町興し……ねえ。
確かにアメミヤは辺境にある街だし名物になるようなものは何もないが、そんな像ひとつで遠方から観光者を集められるとも思えない。
それならクレブ山の時のように新しいダンジョンが近場にできた方が余程人は集められると思う。
そもそも、町興しをしなければならないほど寂れてはいないと思うんだけど。アメミヤは。
「ダンジョンが見つかった……とかならともかく、像ひとつじゃ人は集まらないと思いますよ。今の御時勢古代の遺物なんてそんなに珍しいものじゃありませんし」
「そうか」
ギルベルトさんは微妙に残念そうな顔をした。
「まあ、興味があったらお前さんも見に行ってみるといい。でかくてなかなか迫力があるぞ」
「そうしてみます」
遠方から人を集められるような魅力はないと思うが、こんな場所で発掘された像というのは気にはなる。
今日はそれなりに稼いでるし、ちょっと店を閉めて見に行ってみようかな。
「幾らになる?」
「二百四十ダイルです」
「二百四十だな。ちょっと待っててくれ」
財布から金貨を取り出すギルベルトさんをカウンターに残して、僕は入口に掛かっている『営業中』の札を裏返しに行ったのだった。
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