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第111話 諦めてはいけない
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錬金術が効かない理由はひとつ。僕の魔力を相手の魔力が上回っているのだ。
どうやらこの遺跡を作った錬金術師は相当優秀な人物だったらしい。
と、感心している場合ではない。
錬金術で壁が解体できないとなると、力技で無理矢理破壊するしか僕たちがこの状況を何とかする方法はないということになる。
だが……何とかするには圧倒的に時間が足りない。
反対側の壁は、もうそこまで迫ってきているのだ。
「はぁっ!」
鳥の頭に残っていたもうひとつの目玉を潰して、ジュードさんは僕のいるところまで飛び退いてきた。
「腕は壊れたぞ、まだ壁を壊せないのか」
「……錬金術が効かない」
僕は答えた。絶望した表情を彼に向けて。
「この壁を止めるには、壁を壊すしか方法がない。……でも、それをするには時間が足りない」
ずずず、と低い震動と共に迫ってくる壁が、何倍も大きなものに見えた。
僕はその場にぺたんと尻を落とした。
「終わりだ……僕たちは此処で死ぬんだ!」
「馬鹿か、あんた!」
ジュードさんは僕を一喝した。
彼は大剣を構えて鳥の頭を睨み付けたまま、言った。
「壊すしか方法がないのなら、壊せばいい! 時間が完全になくなったわけじゃないんだ、まだ望みはある!」
魔術を唱えて、大剣に炎の力を宿らせる。
「絶望する前に、魔術のひとつでも撃て! 絶望するなら死んでからにしろ!」
ただの憶測に怯えてできることをやらないのは大馬鹿野郎だ!
かつてアラグに言われた言葉が、僕の脳裏に蘇る。
そうだ……彼は、最後まであの状況が何とかなると信じていた。
ジュードさんも、まだ諦めていない。目に宿った光は、力強く前を見据えている。
此処で僕が諦めてしまったら……最後に残った一抹の望みが、消えてしまうかもしれない。
そうだ、抗うんだ。最後まで。望みを捨てないで、やれることをやるんだ!
「バーストフレア!」
僕は鳥の顔を狙って魔術を撃った。
光は嘴に当たり、先端を砕いた。
ジュードさんが肩越しにこちらを見てくる。
彼の視線を浴びながら、僕はゆっくりと立ち上がった。
「……それでいい」
ジュードさんは静かにそう言うと、大剣を振り上げて鳥の顔に向かっていった。
もう、僕たちに残された猶予は幾分もない。
ここまで来たら、意地だ。最後の最後までもがき抜いてやる!
自分の顔をばしっと叩いて気合を入れて、僕は鳥の顔を睨み据えた。
どうやらこの遺跡を作った錬金術師は相当優秀な人物だったらしい。
と、感心している場合ではない。
錬金術で壁が解体できないとなると、力技で無理矢理破壊するしか僕たちがこの状況を何とかする方法はないということになる。
だが……何とかするには圧倒的に時間が足りない。
反対側の壁は、もうそこまで迫ってきているのだ。
「はぁっ!」
鳥の頭に残っていたもうひとつの目玉を潰して、ジュードさんは僕のいるところまで飛び退いてきた。
「腕は壊れたぞ、まだ壁を壊せないのか」
「……錬金術が効かない」
僕は答えた。絶望した表情を彼に向けて。
「この壁を止めるには、壁を壊すしか方法がない。……でも、それをするには時間が足りない」
ずずず、と低い震動と共に迫ってくる壁が、何倍も大きなものに見えた。
僕はその場にぺたんと尻を落とした。
「終わりだ……僕たちは此処で死ぬんだ!」
「馬鹿か、あんた!」
ジュードさんは僕を一喝した。
彼は大剣を構えて鳥の頭を睨み付けたまま、言った。
「壊すしか方法がないのなら、壊せばいい! 時間が完全になくなったわけじゃないんだ、まだ望みはある!」
魔術を唱えて、大剣に炎の力を宿らせる。
「絶望する前に、魔術のひとつでも撃て! 絶望するなら死んでからにしろ!」
ただの憶測に怯えてできることをやらないのは大馬鹿野郎だ!
かつてアラグに言われた言葉が、僕の脳裏に蘇る。
そうだ……彼は、最後まであの状況が何とかなると信じていた。
ジュードさんも、まだ諦めていない。目に宿った光は、力強く前を見据えている。
此処で僕が諦めてしまったら……最後に残った一抹の望みが、消えてしまうかもしれない。
そうだ、抗うんだ。最後まで。望みを捨てないで、やれることをやるんだ!
「バーストフレア!」
僕は鳥の顔を狙って魔術を撃った。
光は嘴に当たり、先端を砕いた。
ジュードさんが肩越しにこちらを見てくる。
彼の視線を浴びながら、僕はゆっくりと立ち上がった。
「……それでいい」
ジュードさんは静かにそう言うと、大剣を振り上げて鳥の顔に向かっていった。
もう、僕たちに残された猶予は幾分もない。
ここまで来たら、意地だ。最後の最後までもがき抜いてやる!
自分の顔をばしっと叩いて気合を入れて、僕は鳥の顔を睨み据えた。
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