アメミヤのよろず屋

高柳神羅

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第171話 世界を滅ぼす遺物

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 本殿に入ってしばらくは、同じような道が続いた。
 ゴーレムが並ぶ通路。指輪の力で作動する転移装置がある部屋。
 それらをシャーリーンさんの先導で進みながら、僕たちは本殿の中心部──兵器の制御装置があるという場所を目指した。
 階層の移動は転移装置で行っているから、此処が建物のどの辺りにあるのかは全く分からない。
 場所の見た目に変化はないし、何より構造も一緒だし。
 しかし確実に中枢に近付いているという実感をしながら、進んでいく。
「シャーリーンさん」
 通路を進みながら、僕は前を歩く彼女に話しかけた。
 シャーリーンさんが僅かに振り向いてくる。
「このまま制御装置のところに着いたとして……どうやって、天空神殿が世界を滅ぼすのを止めるつもりなんだ?」
「…………」
 シャーリーンさんは答えなかった。
 代わりに答えるように、背後でクレハが言う。
「ほんまに、これが世界を滅ぼす古代兵器なんか? にわかには信じられんのぉ」
「……確かに、見た目はただの空に浮かぶ建物だけどさ」
 僕は歩きながらクレハの方に振り返った。
「古代の遺物は見た目からは想像も付かないような意味や力を持ってるものが多いんだ。あんたも今までの旅で、そういう古代の遺物に出会ってきたことはあるだろ?」
「そうなんやけど……世界が滅びるって、何やスケールが大きすぎる話やからなぁ。すぐには信じられんちゅうか」
「あんたがどう思っていようと、目の前にあるものが現実なんだ。いい加減気を引き締めろよ」
 とすん、と僕の体にシャーリーンさんの体がぶつかる。
 シャーリーンさんが、立ち止まっていた。
「着きました。此処が最後の扉です」
 ──僕たちの目の前には、通路を塞ぐ巨大な扉があった。
 扉、というが見た目は壁のようで、一枚板のようにぴたりと通路に填まっている。扉の全面には例の模様があり、中央部分には掌サイズの水晶がある。
 この先に、制御装置がある……
 僕は喉を鳴らして、静かに扉の前に歩み出た。
 恐る恐る、左手を扉の水晶へと翳す。
 水晶が青く光り、その光は模様を伝って扉全体へと広まっていく。
 そして。
 音もなく、扉がすうっと幻のように消えていく。
 その先にあったのは、既に起動している転移装置。
 僕たちは、装置の上に立った。
 装置から光が溢れ、僕たちの全身を包み込む。
 全身を足下から掬う浮遊感。白んでいく視界。
 足の裏が、新たな床の感触を感じ取る。
 僕は、自然と閉じていた瞼を開いた。
 そこには。
 蟻地獄の巣のように床が丸くへこんだ、何とも奇妙な形をした部屋が存在していた。
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