33 / 41
33 欲しかったもの(メリッサ)3
しおりを挟む
「ふぇ、おぎゃー、うあぁー」
赤ちゃんの泣き声で、目が覚める。
ああ、昔のことを思い出しながら、眠っていたのね。
メイドがあやすのを止めて、息子を抱きよせ、おっぱいを含ませる。まだ母乳は、あまり出ないけれど。
出産は一晩中かかった。痛くて、痛くて、とにかく、ものすごく痛かった。もう二度と経験したくない。子供なんて、欲しがるんじゃなかったって、後悔するほどに、痛かった。
でも、この子を見せたら、ガイウス様が喜んでくれた。
ガイウス様に褒めてもらえた。
それだけで、私は痛みも忘れて、幸せになれる。
赤ちゃんが目を開けた瞬間に、勝ったって思ったわ。私は、異母妹に勝ったのよ。あのずるい女に、やっと勝てたわ!
初めて会った時から、気に入らなかった。
私は、平民に多い赤毛なのに、あいつはガイウス様と同じで、貴族の金の髪をしていた。私は地味なメイド服を着ていたのに、あいつは、綺麗なドレスを着ていた。私の手は掃除と洗濯でひび割れてるのに、あいつは、重いものなど持ったことのない白い綺麗な手をしていた。
それが、半分血のつながった異母妹だった。
憎くて、憎くて仕方なかった。どうして、同じ父親を持つのに、私はメイドなの?
どうして私は、ガイウス様の妻になれないの?
あんな、頭のおかしい異母妹なんかより、私を妻にした方がいいはずよ。
私だって、辺境伯の娘なんだから!
辺境伯は私を見ても、娘だと気が付いてくれなかった。想像と違った。
私から、娘だと告げることができなかった。
ゴリラに似ていると噂される辺境伯の顔は、ものすごく恐ろしかった。その中でも、人間離れした赤い目が、気持ち悪かった。
魔物を素手で何万匹も葬り去っているって話も聞いていたから、怖くて、何も言葉は出てこなかった。
だって、証拠はどこにもないもの。
私の赤毛は、辺境伯と同じ色で、肖像画に描かれていた先代辺境伯とよく似た巻き毛だけど、目の色は違う。
辺境伯のような、不気味な赤い目をしていない。
母さんと同じで、平凡な茶色の目なんだから。
侯爵様が辺境伯に伝えてくれたらよかったのに。侯爵様は、私の出生のことは、誰にも言ってないようだ。貴族にとって、平民との間にできた庶子なんて、そこらの石ころと同じ。魔力のない平民の娘なんて、醜聞でしかない。
でも、そんなのずるいわ。庶子を生むよりも、頭のおかしい欠陥者を生む方が、醜聞なんじゃないの? 私は、異母妹と違って、頭はまともよ。ガイウス様だって、私といる方が楽しいって言ってるわ。だって、異母妹は、15歳にもなって、人形遊びをしているようなバカなんだから!
ガイウス様がかわいそうよ。爵位のために、こんな女と結婚させらるなんて。
ガイウス様は、結婚相手が欠陥者だったと知って、うろたえていた。だから、私は教えてあげたの。欠陥者とベッドを共にしたら、欠陥がうつるっていう迷信をね。
彼は、簡単にそれを信じたわ。
気味が悪いからと、初夜を中止した。
あいつが側に近寄ることも許さないの。そのかわりに、私をベッドに呼んでくれた。嬉しくて、嬉しくて。このまま死んでもいいって思った。でも、死ななくて良かった。
だって、ガイウス様は、私に最高のプレゼントをくれたもの。
彼の赤ちゃんを。
代わりに赤ちゃんを生むと言い出したのは、私よ。だって、ガイウス様は、私の嘘を信じて、あいつと子供を作ることを嫌がったもの。
跡継ぎはどうすればいいのかと悩むガイウス様に、教えてあげたの。私は、辺境伯の隠し子だってことをね。私が、ガイウス様の子供を生んで、あいつの子供だってことにすればいいんだって。
本当に、良い考えだったのよ。最初は上手くいってたの。
あいつは、本物のバカだったからね。
卵をドレスの下に入れさせて、あいつの妊婦姿を辺境伯に見せるつもりだったの。
でも、ドラゴンが、全てをめちゃくちゃにしてしまった。
「チチナに示談書を持って行かせたよ」
ガイウス様は、おっぱいを飲むディートを見ながら、嬉しそうに言う。
この子が生まれてすぐ、弁護士に示談書を書かせたのだ。
「あいつはサインするかしら?」
「どうかな? 第二夫人の件は、反対するかもしれないね。彼女は、僕を独り占めしたいんだよね。浮気を怒って、裁判するぐらい熱烈に、僕のことを愛しているからね」
「認めさせてちょうだいね。本当は、私が正妻になるべきなのに、我慢したんだから」
「え? それは無理だよ。いくら辺境伯の娘だからって、きみの母親は、所詮は平民だろう? あっちは、由緒正しい東の辺境伯の血筋だよ。あの綺麗な紫の瞳は、東の血族眼だからね」
「そんなの不公平だわ。だって私、赤い目の赤ちゃんを生んだのよ。この子は、ちゃんとした血族眼を持ってるのに」
「まあ、アリーが認めなくても、裁判で勝てばいいか。裁判沙汰になって、父上に叱られると思ったけど、ドラゴンを手に入れれば、許してくれるって。裁判に勝ったら、爵位もドラゴンもアリーも全部僕のものだよね。この子が生まれたおかげだよ。チチナはこれで、絶対に裁判に勝てるって言ってたよ」
裁判を起こされた時は、不味いことになったと思った。でも、女の弁護士は、ありえないような作り話を思いついてくれた。そんな嘘の話で、本当にあいつに勝てるのか不安だったけど、裁判員裁判には、真実なんて関係ないそうだ。裁判員は、自分が気に入った方に票を入れるらしい。だから、彼らに気に入られるように、上手に証言したの。男の裁判員のために、ガイウス様と私のベッドの話をして、楽しませてあげたわ。だって、男ってみんな、いやらしい話が大好きでしょう?
それにね、ディートが生まれたから。この子の赤い目を見せたら、みんなが私の味方をしてくれるはずよ。
だけど、新たな問題がでてきたの。
あいつの欠陥が治ったことだ。ドラゴンの癒しのせいで、あいつの頭は治った。そのとたんに、ガイウス様のあいつを見る目が変わってしまった。
あいつは、貴族の特徴を持っていて、私にはないキラキラした金の髪がある。私と違って、珍しい紫の目をしている。ガイウス様は、女好きだ。特に、綺麗な女が好きだ。私はガイウス様のたった一人にはなれない。そんなの分かってる。でも、あいつだけはダメだ。あいつにだけは、絶対に渡さない。
「ねえ、わたし、がんばったでしょう? すごく痛い思いして、この子を生んだのよ。赤い目をしてるから、きっと、辺境伯も孫だって認めてくれるわ。だからね、一つだけでいいの。わたしのお願いを聞いてくれる?」
「うん。メリッサはよくやったよ。なんだい? 僕にできることなら叶えてあげるよ」
ガイウス様が優しい目をして、私の額に口づけをくれる。
その感触にうっとりしながら、心を込めてお願いする。
「じゃあ、アリシアを殺して。だって、約束したでしょう? 赤ちゃんが生まれたら殺すって」
ガイウス様は顔をしかめた。
「それは無理だよ。彼女は、僕の正妻になってもらうんだから。心配しなくていいよ。君のことも第二夫人として、かわいがってあげるよ。でも、まずは、アリーを愛してあげないとね。今まで、寂しい思いをさせてしまったから。まずは、あの生意気な護衛騎士をクビにして……」
ああ、ガイウス様の悪い癖が、始まってしまったわ。
でも、ね。覚えておいて。それでも、私は絶対にあきらめないわ。
ガイウス様の子を生むのは、私だけでいいの。
あいつには、絶対に生ませない。その前に、私があいつを殺してやる。
今まで、私のものは全部あいつに盗られてきた。辺境伯令嬢の地位も、綺麗なドレスも、ガイウス様の妻の座も。でも、私にはディートがいる。辺境伯もディートを見たら、私を迎え入れてくれるはずよ。奪われたものは、全部取り返してやるんだから。
まずは、第二夫人になるわ。それから、あいつを殺そう。そうしたら、私がガイウス様の正妻になれるわね。ガイウス様だけは絶対に、あいつに渡さないんだから。
赤ちゃんの泣き声で、目が覚める。
ああ、昔のことを思い出しながら、眠っていたのね。
メイドがあやすのを止めて、息子を抱きよせ、おっぱいを含ませる。まだ母乳は、あまり出ないけれど。
出産は一晩中かかった。痛くて、痛くて、とにかく、ものすごく痛かった。もう二度と経験したくない。子供なんて、欲しがるんじゃなかったって、後悔するほどに、痛かった。
でも、この子を見せたら、ガイウス様が喜んでくれた。
ガイウス様に褒めてもらえた。
それだけで、私は痛みも忘れて、幸せになれる。
赤ちゃんが目を開けた瞬間に、勝ったって思ったわ。私は、異母妹に勝ったのよ。あのずるい女に、やっと勝てたわ!
初めて会った時から、気に入らなかった。
私は、平民に多い赤毛なのに、あいつはガイウス様と同じで、貴族の金の髪をしていた。私は地味なメイド服を着ていたのに、あいつは、綺麗なドレスを着ていた。私の手は掃除と洗濯でひび割れてるのに、あいつは、重いものなど持ったことのない白い綺麗な手をしていた。
それが、半分血のつながった異母妹だった。
憎くて、憎くて仕方なかった。どうして、同じ父親を持つのに、私はメイドなの?
どうして私は、ガイウス様の妻になれないの?
あんな、頭のおかしい異母妹なんかより、私を妻にした方がいいはずよ。
私だって、辺境伯の娘なんだから!
辺境伯は私を見ても、娘だと気が付いてくれなかった。想像と違った。
私から、娘だと告げることができなかった。
ゴリラに似ていると噂される辺境伯の顔は、ものすごく恐ろしかった。その中でも、人間離れした赤い目が、気持ち悪かった。
魔物を素手で何万匹も葬り去っているって話も聞いていたから、怖くて、何も言葉は出てこなかった。
だって、証拠はどこにもないもの。
私の赤毛は、辺境伯と同じ色で、肖像画に描かれていた先代辺境伯とよく似た巻き毛だけど、目の色は違う。
辺境伯のような、不気味な赤い目をしていない。
母さんと同じで、平凡な茶色の目なんだから。
侯爵様が辺境伯に伝えてくれたらよかったのに。侯爵様は、私の出生のことは、誰にも言ってないようだ。貴族にとって、平民との間にできた庶子なんて、そこらの石ころと同じ。魔力のない平民の娘なんて、醜聞でしかない。
でも、そんなのずるいわ。庶子を生むよりも、頭のおかしい欠陥者を生む方が、醜聞なんじゃないの? 私は、異母妹と違って、頭はまともよ。ガイウス様だって、私といる方が楽しいって言ってるわ。だって、異母妹は、15歳にもなって、人形遊びをしているようなバカなんだから!
ガイウス様がかわいそうよ。爵位のために、こんな女と結婚させらるなんて。
ガイウス様は、結婚相手が欠陥者だったと知って、うろたえていた。だから、私は教えてあげたの。欠陥者とベッドを共にしたら、欠陥がうつるっていう迷信をね。
彼は、簡単にそれを信じたわ。
気味が悪いからと、初夜を中止した。
あいつが側に近寄ることも許さないの。そのかわりに、私をベッドに呼んでくれた。嬉しくて、嬉しくて。このまま死んでもいいって思った。でも、死ななくて良かった。
だって、ガイウス様は、私に最高のプレゼントをくれたもの。
彼の赤ちゃんを。
代わりに赤ちゃんを生むと言い出したのは、私よ。だって、ガイウス様は、私の嘘を信じて、あいつと子供を作ることを嫌がったもの。
跡継ぎはどうすればいいのかと悩むガイウス様に、教えてあげたの。私は、辺境伯の隠し子だってことをね。私が、ガイウス様の子供を生んで、あいつの子供だってことにすればいいんだって。
本当に、良い考えだったのよ。最初は上手くいってたの。
あいつは、本物のバカだったからね。
卵をドレスの下に入れさせて、あいつの妊婦姿を辺境伯に見せるつもりだったの。
でも、ドラゴンが、全てをめちゃくちゃにしてしまった。
「チチナに示談書を持って行かせたよ」
ガイウス様は、おっぱいを飲むディートを見ながら、嬉しそうに言う。
この子が生まれてすぐ、弁護士に示談書を書かせたのだ。
「あいつはサインするかしら?」
「どうかな? 第二夫人の件は、反対するかもしれないね。彼女は、僕を独り占めしたいんだよね。浮気を怒って、裁判するぐらい熱烈に、僕のことを愛しているからね」
「認めさせてちょうだいね。本当は、私が正妻になるべきなのに、我慢したんだから」
「え? それは無理だよ。いくら辺境伯の娘だからって、きみの母親は、所詮は平民だろう? あっちは、由緒正しい東の辺境伯の血筋だよ。あの綺麗な紫の瞳は、東の血族眼だからね」
「そんなの不公平だわ。だって私、赤い目の赤ちゃんを生んだのよ。この子は、ちゃんとした血族眼を持ってるのに」
「まあ、アリーが認めなくても、裁判で勝てばいいか。裁判沙汰になって、父上に叱られると思ったけど、ドラゴンを手に入れれば、許してくれるって。裁判に勝ったら、爵位もドラゴンもアリーも全部僕のものだよね。この子が生まれたおかげだよ。チチナはこれで、絶対に裁判に勝てるって言ってたよ」
裁判を起こされた時は、不味いことになったと思った。でも、女の弁護士は、ありえないような作り話を思いついてくれた。そんな嘘の話で、本当にあいつに勝てるのか不安だったけど、裁判員裁判には、真実なんて関係ないそうだ。裁判員は、自分が気に入った方に票を入れるらしい。だから、彼らに気に入られるように、上手に証言したの。男の裁判員のために、ガイウス様と私のベッドの話をして、楽しませてあげたわ。だって、男ってみんな、いやらしい話が大好きでしょう?
それにね、ディートが生まれたから。この子の赤い目を見せたら、みんなが私の味方をしてくれるはずよ。
だけど、新たな問題がでてきたの。
あいつの欠陥が治ったことだ。ドラゴンの癒しのせいで、あいつの頭は治った。そのとたんに、ガイウス様のあいつを見る目が変わってしまった。
あいつは、貴族の特徴を持っていて、私にはないキラキラした金の髪がある。私と違って、珍しい紫の目をしている。ガイウス様は、女好きだ。特に、綺麗な女が好きだ。私はガイウス様のたった一人にはなれない。そんなの分かってる。でも、あいつだけはダメだ。あいつにだけは、絶対に渡さない。
「ねえ、わたし、がんばったでしょう? すごく痛い思いして、この子を生んだのよ。赤い目をしてるから、きっと、辺境伯も孫だって認めてくれるわ。だからね、一つだけでいいの。わたしのお願いを聞いてくれる?」
「うん。メリッサはよくやったよ。なんだい? 僕にできることなら叶えてあげるよ」
ガイウス様が優しい目をして、私の額に口づけをくれる。
その感触にうっとりしながら、心を込めてお願いする。
「じゃあ、アリシアを殺して。だって、約束したでしょう? 赤ちゃんが生まれたら殺すって」
ガイウス様は顔をしかめた。
「それは無理だよ。彼女は、僕の正妻になってもらうんだから。心配しなくていいよ。君のことも第二夫人として、かわいがってあげるよ。でも、まずは、アリーを愛してあげないとね。今まで、寂しい思いをさせてしまったから。まずは、あの生意気な護衛騎士をクビにして……」
ああ、ガイウス様の悪い癖が、始まってしまったわ。
でも、ね。覚えておいて。それでも、私は絶対にあきらめないわ。
ガイウス様の子を生むのは、私だけでいいの。
あいつには、絶対に生ませない。その前に、私があいつを殺してやる。
今まで、私のものは全部あいつに盗られてきた。辺境伯令嬢の地位も、綺麗なドレスも、ガイウス様の妻の座も。でも、私にはディートがいる。辺境伯もディートを見たら、私を迎え入れてくれるはずよ。奪われたものは、全部取り返してやるんだから。
まずは、第二夫人になるわ。それから、あいつを殺そう。そうしたら、私がガイウス様の正妻になれるわね。ガイウス様だけは絶対に、あいつに渡さないんだから。
295
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳
ロミオ王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
有賀冬馬
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる