空白の叙事録〜誰が忘れた罪禍の記憶〜

羽月明香

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【第一鐘〜夜の少年と真白き少女〜】

21 約束Ⅱ

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 トゥリアの笑顔と、約束言ったその言葉にフィンは何を思っているのだろうか。
 それは、未だ感情の在り方が曖昧だと言うよりも、何かを感じてはいても、それがトゥリアに分かってあげられる程ではないだけなのだと、そんな気がした。
 分からない自分がもどかしく、それでもトゥリアは、フィンが乏しく判然としない表情にも小さく頷いてくれる瞬間を見ていた。

 そして、それだけで、トゥリアの浮かべていた優しいだけの笑みは、満面の笑顔へと変化を遂げて行くのだった。

 一緒に行く事自体が約束なのとは少し違ったのだが、そんな事は瑣末事だと思えていた。自分の誘いに頷いてもらった。ただその事実へとトゥリアは歓喜していたのだ。
 ただ、後々、この時のフィンの仕種は、実のところ、了承の仕種等ではなく、トゥリアの告げた言葉の意味をただ確認し、約束がイコール一緒に行く事と言う内容なのだと納得を示しただけだったのかもしれないと思う事になるのだが、今現在のトゥリアは、そんな考え等に、微塵も思い至る事がないのだった。

 そして、それでも結局のところ、フィンのその仕種へと歓喜していられたのは一瞬だけだったのだ。
 どんな形であれ、結果が貰えた事で、トゥリアは今まで気にしていなかった事を意識する。触れ合っている手の暖かさ。次の瞬間には、唐突にトゥリアのもとへと正常とも言うべき平静な心の状態がやって来てしまう。
 別段、先ほどまでが異常だった訳ではないが、ある種の興奮状態ぐらいにはあったのだろう。勢いに任せていたと、トゥリア自身にも自覚がある、けれど、だからこそ自分が一体何をしているのか、そんな極々普通の思考。状況判断をすべき瞬間が、トゥリアへと訪れていた。
 感情と衝動に任せて突っ走った結果なのだ。
 冷めて行く頭の中とは対照的に、顔が朱くなって行く事をはっきりと自覚し、トゥリアにようやくと言うべき気恥ずかしさがやって来ていた。

「・・・って言っても、まずは森から出ないと、なんだけど」

 強引さを意識している話題の転換。やや赤面した顔をごまかすように、湖の周囲を囲む森の木々を見て言葉を口にしたが、それは照れ隠しの為にかなり早口になってしまっていた。
 声が上擦らなかっただけでも、トゥリアは自分を褒めて上げたいぐらいだと思っていた。
 そして、さりげなくも、慌ててフィンから手を離す事も同時進行の行動である。
 自分で握手を求めておいて、何をやっているんだと思わずにはいられない情けなさを自覚し、勿体ないと感じてしまっている未練ありまくりの心に喝を入れたくなる。


「・・・見つけたって、探す前に見つけられたってことなのかなぁ」

 不意に、そんな言葉が、トゥリア自身の口からこぼれ出た。
 思い出す聞いたかもしれない言葉。その言葉は、“かも”と言う不確かさから、今では確かに聞いたのだとトゥリアには不思議な確信があった。
 そして、探してあげるといいと言ったカイの言葉。
 “探す”と見付ける”は行動としてセットなものだ。


「出る?森から・・・?」

 逸れて行くトゥリアの思考を引き戻すのはフィンの呟きだった。

「うん、達成期限の方はライがなんとかしてくれていると思うんだけれど、ちなみに達成期限って言うのは、受けた依頼に対して、いつまでに完了の報告を提出してくださいって言う感じので、それができないと、報酬がもらえないだけじゃなくて、冒険者としての評価にもマイナスがついちゃうんだ」
「信頼は大事」

 納得したかのように一つ頷くフィンの仕種。

「たぶん、ライの方も僕を探してると思うんだけど、どうかなぁ?」

 トゥリアの様子等お構いなしのフィンの問いが、寧ろ今はトゥリアを冷静にしていた。
 ライと合流し森から出る事、それは紛れも無く今、トゥリアが考えなければならない事であり、口に出したライの存在がトゥリアを更に平静にしてくれていたる。

 この広大な森を宛てもなく奔走し、金髪を跳ねさせている仲間の姿がトゥリアの目に浮かぶようで、それこそ密集した葉っぱや蜘蛛の巣をぶち破り、突き出した枝や茂み等の障害を粉砕する勢いで駆けて行くのだろう。
 容易に想像出来てしまうその情景を思い、トゥリアは本格的にまずいと感じ始めた。
 ライはやりかねないのだ。本当にそれはもう、色々と。

「ライはトゥリアを探す。森から出る。迎えに来てくれる誰かがいる」
「え?」

 トゥリアの焦燥に、フィンの抑揚に欠けた声音が冷水となって注がれる。
 浴びせかけられる程の威力ではなくても、一瞬にして平静さを呼び込む何かがその言葉にはあった。

「ねぇフィン、きれいな場所だよね、ここ」
「綺麗な・・・?」

 ふと思う事があり、トゥリアは湖へと視線を向けながらフィンへと話しかけた。
 そして、呟く言葉にフィンもまた湖へと目を向けたのを気配で感じた。

 凪いだ湖面が、夜明けの薄い藍色を弾き、キラキラと幻想的な瞬きを見せる光景。対照的に水底は、夜の闇を映したかのような深い深い青色を湛えている。
 木々のシルエットは、奥行きのある壁のように対岸へと立ち塞がってはいたが、それはかえってこの場所を、外界から隔離された特別な場所であるかのように感じさせている。
 小屋の周辺もそうだったが、ここもまた生き物の気配がなく、ただ静謐の光景が広がっていて、トゥリアは感じたまま綺麗な場所だと声をかけたのだが、フィンの反応は不思議な事に芳しくないように思われた。
 その事を怪訝に思いながらも、トゥリアはフィンを見詰める。そうして歩み寄り、人一人分が佇める程の距離を開けてフィンの傍らへと立った。
 フィンの表情はやはり変わる事がなく、ただ森と湖を映して眺めているだけのそんな瞳にトゥリアは直面する。

 夜明けの光を映す鏡面の湖と同じ色合いの瞳。明る過ぎる陽の光に、力ない星の儚い光は失われてゆく。そういった光の中に佇む白金髪の少女の姿。

「静かで、他のどんなところよりも光が満ちてて、それに・・・ううん、きれいだよ」

 トゥリアは、フィンのいる景色だから、と続けかけた言葉を口に出さないままに途切れさせごまかしてしまう。フィンのいるこの光景こそが本当に綺麗だと思っていたのだが、そこはさすがに恥ずかしかったので口には出さなかったのだ。
 幸いフィンもまた、トゥリアが有耶無耶にした言葉を追求して来る様子もなく、その事にトゥリアが密かな安堵で胸を撫で下ろしていたのは、かなり秘密の話しである。
 それに、湖の光景だけでも、十分綺麗だと表現出来るのも嘘ではなかったのだ。

「・・・そう」

 フィンのそれだけの言葉は素っ気なく、トゥリアにはフィンが何かを思っているかどうにも分からなかった。
 だからトゥリアは自分が思うままだけの言葉を繰り返して口にする。

「うん、綺麗だよ」

 と、そうして、そんなトゥリアの言葉に、ようやくフィンの口もとが微かな微笑みを刻んだ。
 気を付けて見ていても見逃してしまいそうな程微かで、本当に一瞬の微笑。けれど、それはトゥリアの目を引き、これ以上ないぐらいに魅了するには十分だった。
 トゥリアが綺麗だと言った言葉が嬉しかったのだろうか。フィンもまたこの光景を綺麗だと思ってくれているのかと、ほんの少しでも共有出来た感覚を嬉しく思わずにはいられない。

「・・・フィンはここにいたい?」
「ここにいる」

 微笑みの残滓を名残惜しく思いながら、トゥリアはフィンへと突然の話しをふってまで聞かなければいけない事を尋ねた。
 それが本題。
 トゥリアはフィンと一緒に行きたいと望み、手を差し出した。そして、フィンはその手を取ってくれた。けれど、その意思を確認した訳ではなかったのだ。
 
 そして、訪ねるトゥリアの言葉に、フィンのここにいると言うその声は空虚に響いた。
 それは、何処にもいかない言う意思等ではなく、何処か意味の分からない言葉を聞いたと言うような反応だと思った。
 その表明のように、フィンの乏しい表情の中に疑問の様相が示され、首が傾げられていく様子。

「僕はフィンといっしょに行きたい。だから、どうかな?」
「うん?」

 真っ直ぐにトゥリアの双方を見詰めフィンは首を傾げ続ける。
 フィンが発する疑問の声に、何を思っているのかは分からない。それでも、見詰められる瞳に何かを考えているであろう事は分かった。

「フィンをむかえに来てくれる人がいるのかな?」

 先程フィンが呟いた、迎えに来てくれる誰かと言う言葉に引っかかっていた。
 今現在一人であって、トゥリアが放ってはおけないと思っても、そこに誰かとの約束があるのなら、無闇に連れ出す訳にはいかないのではないかとそう思い至っていたのだ。

「私はひとり。誰もいなくて、ずっと、迎えに来てくれるひとが来るまで」
「むかえに来てくれるのは、だれかとの約束なの?」
「・・・分からない」

 伏せ目がちの双眸に、縁取る長い睫毛が白金色の光を弾く様子。

「大丈夫、そばにいるから」

 意識するのは、トゥリアを見詰めた薄い藍色の瞳。
 言葉は意識しないまま、自然とトゥリアの口をついて出ていた。そしてじっと自分を見詰めるフィンへと穏やかに微笑みかける。

 それはトゥリア自身のかつての記憶だった。
 あの時一人でいたのはトゥリア自身。そして、トゥリアへと向けられる笑顔に優しさはなく、何の知識がなくとも身の危険を感じさせる加虐性すらもそなえた不敵な笑みがその表情にはあった。
 そして、差し延べられる手ではなく、無造作に首根っこが掴まれた。もとからトゥリアに逃げる気はなかった筈だが、トゥリアは有無を言わさずと言った展開のもと、気が付いた時には引きずられていたのだ。
 自分は絶対にそこまではしないと固く誓いながら、それでも、今度は自分が手を差し延べる側なのだと意識する。

「・・・・・・」

 フィンに答えはなく、ただトゥリアを映している綺麗な薄い藍色の瞳。
 トゥリアもまたその瞳を見返していた。
 今は答え等なくて良い。けれど、一緒に旅を続ける上で、何時かは答えてくれたらとそうトゥリアは思ってもいた。

「フィンが“誰か”を見つけるそのときまで、そばにいる。約束するよ」
「約束、うん。そばにいる、よろしくお願いします?」
「そっか、こちらこそよろしくだね」

 瞬かせる双眸にトゥリアは破顔する。
 だから、何故に疑問系と思わなくもなかったが、それでも約束は交わされたのだ。

「うん、でもやっぱりまずは森をちゃんと抜けられるかなんだけれどね」

 気を取り直すように告げた筈が、その内容には困ったように笑うしかない。

「森から、出る」
「そう、森の外へね。でもここが森のどの辺りかも、本当のところ僕にはわからないから、出られるかどうか・・・うん、がんばるよ」
「白き神苑」
「え?」

 頑張るとは言ったものの、どうしたものかと頭を掻くトゥリアへと、淡泊な声音で告げられるのは、聞いた事のない場所の名前。そして、フィンの言葉は更に続いて行った。

「ここはイージスの領域の中心から、北に外れた場所だから、西で南に森を抜ければ夜の果ての地がある」
「夜の、果て・・・?」

 聞いた事のない名称と、突然舞い込んで来た情報がトゥリアを困惑させる。
 正直、理解が追い付いてはいなかったのだが、フィンは構う事なく言葉を続けていた。

「森の中心は、きっと”星辰の祭壇”。夜の果ての地は、星喰いの獣が見た夢の眠る場所」

 やはり聞いた事のない名前だったが、それはこのイージスの森についてのマッピング情報と言う事だろうか。
 イージスの森は、その深部どころか森そのものが、森と隣接する地を持つ西方域オッキデンス南方域メリディエスの王等により禁足域と定められている禁域の地。
 広大な森そのもの面積と、戦いの為だけではなく、探索サーチ隠蔽ハイディングなどの補助的な魔法すらも使えないという特殊な環境に加え、棲息する生き物達が、森の外と比べ極端に強力であり、その生息数も多い事が森の探索を困難なものにしている。
 イージスの森は、森の一部にでも地図作成マッピングに成功すれば、一生生活に困らないだけの報償が王等から支払われるであろうと噂される、探索難易度のかなり高い地域なのだ。

「この湖は、セイリオスの流し続け涙だって、光と嘆きの精霊、セイリオス。ここは本当に、綺麗な場所?」
「・・・泣いていて、でも、哀しいだけで終わらせたりしない。今度こそ」

 唐突に、けれど先程、トゥリアが綺麗だと言った時に首を傾げたのはそう言う事だからなのかと思った。
 悲しみと哀しみ。その涙の末だと言われる湖。綺麗な光景で、でもそう言われてしまうと、胸を締め付ける程の感情がトゥリアを押す潰そうとして来る。

 スフィルではなくセイリオス。そしてフィン。涙を流し続けていた孤独な精霊の事を思い、けれどトゥリアは密やかな声音にフィンへと告げたのだ。
 その為の、“約束”なのだから。と口の中だけで続けていた。
 
「ん・・・トゥリアは行きたい、帰りたい?」
「えっと、行くと帰る?フィンはこの森からの出方を知っていたりするとか?」

 “行く”と“帰る”との、それぞれの言葉の違いに、意味を掴み兼ねる違和感を感じながら、トゥリアはフィンが森についての土地勘を持っているらしいと知り、少なくない希望を感じていた。
 例え、その土地勘がこの辺りのみだったとしても、知識が全くないのと、少しでもあるのでは、生還率が全く変わって来るのだと、各地を旅する冒険者アースウォーカとしてトゥリアは身を持って知っていたのだ。

「森を出る、もしくは、ライと合流したいのだけど、どこかじゃなくて、森の中にいるだれかのところでも大丈夫だったりするのかな?」
「うん?いる誰かのもとへ・・・セフィ、探して」

ーフュイー


 何気ない様子で告げるフィンの声と、何処にいるのか、姿は見えないのに応じ、鳴くセフィの囀ずりだった。
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