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2つの世界
2階
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一階の探索を終え、階段の前へと戻ってきた一行。先程響いたうめき声以外には不可解な現象は特に確認できなかった。しかし、一度きりと言っても怪奇現象。一行は緊張を隠せないでいた。
まだ一階なのに。3階はどうなってしまうんだ?そんな不安が頭をよぎる。
「さあ、次は2階だな。階段気をつけて」
「オーケー」
90°折れ曲がった階段を登り切ると、2階の全貌が見えた。2階の作りは1階とよく似ているが、案内板を見ると左側は客室が並んでるのに対し、右側には「宴会場」という表示がされており、その下には「3階」と表示されている。一度登って、歩いて階段へと向かわされるらしい。なんとも奇妙な構造をしている。
「あ、宴会場ここなのか」
「一階とは作りが少し違うみたいだな」
「え?向こうに3階の階段あんの?どういう作りしてるんだこのホテル・・・」
状態に加え、理解し難い構造に感じる気持ち悪さは増すばかりであった。
一行はまず客室の方の捜索から取り掛かった。
「相変わらずものが散乱してるけど、一階よりはマシだね」
「そうだな、2階はどっちかっていうと崩れた壁とか塗装とかが散らばってるって感じだな」
「客室も・・・おんなじ状態だし」
そう言ってこうじはドアを開けて中を確認する。
ここでこのホテルの客室について説明しておこう。客室には木の引き戸を開けて入るように作られており、それぞれ扉には花の名前と番号がふられている。
そして部屋に入るとすぐ傍にトイレがある。部屋は8畳の畳の部屋であり、窓側に近づくとフローリングに変わっていて鏡・洗面台が壁際に設置されている。
今まで見てきた部屋は、多少違えど大体このような形をしている。
多少雨漏りで朽ちた部屋はあれど、普通から逸脱したものは無かった。しかし彼らの緊張の糸はより張りを強めていた。
「・・聞こえてる?みんな。」
「この音でしょ?」
「そうですね、聞こえてます」
パチッ・・・
ガシャリ・・・
コンッコンコン・・・
ラップ音だろうか、一階では感じられなかった音が聞こえ始めていた。老朽化で軋んだ音だろうか、動物がいるのだろうか、それとも誰かが何かを踏んだのだろうか。確証はできない。だが何かはいる気配がする。
「すっごい気持ち悪いですね」
「うーん、何か一階より嫌かも俺・・・」
それでも探索は続けられ、階段の前へと戻ってきた。次は問題の3階だ。
「階を重ねるごとにひどくなってる気がするんだけど」
「確かにな。3階これ相当ヤバいぞ。こうじ、ちょっとカメラ渡すからちょっと行ってきて。」
「なんでだよ。」
「今日の晩飯奢るから」
「いや、飯で釣ろうとするなよ」
雰囲気を和ませようと、冗談を交えつつ少しずつ階段へと近づいていく。
途中にある宴会場へと差し掛かった。
「うわぁ、ゴミだらけじゃないか」
あたりには座布団・木製の家具・ビニールゴミなど散乱しており、悪臭が立ち込めていた。
「うわっ臭え!ここなんでこんなに臭いんだ?」
「何か変なものでも捨てられてるんじゃないの?」
そういってこうじは一歩踏み入って中の様子を伺おうとした。
「うわぁっ!?」
覗き込んだこうじは激しく驚き、後ろへのけぞった。
「何だっ!?何があった!?」
一瞬にして凍りつく現場
「びっくりした・・・!あれ・・・」
こうじは手前を持っていたライトを向けた。
まだ一階なのに。3階はどうなってしまうんだ?そんな不安が頭をよぎる。
「さあ、次は2階だな。階段気をつけて」
「オーケー」
90°折れ曲がった階段を登り切ると、2階の全貌が見えた。2階の作りは1階とよく似ているが、案内板を見ると左側は客室が並んでるのに対し、右側には「宴会場」という表示がされており、その下には「3階」と表示されている。一度登って、歩いて階段へと向かわされるらしい。なんとも奇妙な構造をしている。
「あ、宴会場ここなのか」
「一階とは作りが少し違うみたいだな」
「え?向こうに3階の階段あんの?どういう作りしてるんだこのホテル・・・」
状態に加え、理解し難い構造に感じる気持ち悪さは増すばかりであった。
一行はまず客室の方の捜索から取り掛かった。
「相変わらずものが散乱してるけど、一階よりはマシだね」
「そうだな、2階はどっちかっていうと崩れた壁とか塗装とかが散らばってるって感じだな」
「客室も・・・おんなじ状態だし」
そう言ってこうじはドアを開けて中を確認する。
ここでこのホテルの客室について説明しておこう。客室には木の引き戸を開けて入るように作られており、それぞれ扉には花の名前と番号がふられている。
そして部屋に入るとすぐ傍にトイレがある。部屋は8畳の畳の部屋であり、窓側に近づくとフローリングに変わっていて鏡・洗面台が壁際に設置されている。
今まで見てきた部屋は、多少違えど大体このような形をしている。
多少雨漏りで朽ちた部屋はあれど、普通から逸脱したものは無かった。しかし彼らの緊張の糸はより張りを強めていた。
「・・聞こえてる?みんな。」
「この音でしょ?」
「そうですね、聞こえてます」
パチッ・・・
ガシャリ・・・
コンッコンコン・・・
ラップ音だろうか、一階では感じられなかった音が聞こえ始めていた。老朽化で軋んだ音だろうか、動物がいるのだろうか、それとも誰かが何かを踏んだのだろうか。確証はできない。だが何かはいる気配がする。
「すっごい気持ち悪いですね」
「うーん、何か一階より嫌かも俺・・・」
それでも探索は続けられ、階段の前へと戻ってきた。次は問題の3階だ。
「階を重ねるごとにひどくなってる気がするんだけど」
「確かにな。3階これ相当ヤバいぞ。こうじ、ちょっとカメラ渡すからちょっと行ってきて。」
「なんでだよ。」
「今日の晩飯奢るから」
「いや、飯で釣ろうとするなよ」
雰囲気を和ませようと、冗談を交えつつ少しずつ階段へと近づいていく。
途中にある宴会場へと差し掛かった。
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「うわっ臭え!ここなんでこんなに臭いんだ?」
「何か変なものでも捨てられてるんじゃないの?」
そういってこうじは一歩踏み入って中の様子を伺おうとした。
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「何だっ!?何があった!?」
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こうじは手前を持っていたライトを向けた。
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