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第四話 月蝕〜マスカレード・ナイト
#5 生贄と25人の男達
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祭壇のような台が運ばれてきた。
ふらふらになった花は、されるままに仰向けに寝かされる。
ワンピースはあちこちが切り取られ、大事なところばかりが剥き出しだ。
両手は皮の手枷で頭上に固定されてしまった。
『哀れな生贄につかのまの悦楽を! 《私に触らないで》、5分、5ラウンドです』
司会のコールを受けて、執事服の男がトレイを掲げて登場した。
トレイにはさまざまなあやしい器具が載せられている。
『まずは五名様から』
花束を抱えた男達が我先にステージに上がってきた。
かっきり五人でキャストがストップをかける。
(何? 何をするというの……)
最初の五人に入った幸運なファーストグループは、思い思いの器具を選ぶと、それを手に花を囲んだ。
筆と小瓶を持つ男。極細バイブレーターを握る者。先端がY字になったシリコンスティック。小さな羽根ブラシ。最後のひとりはローションガーゼを手にしていた。
ぬっと立つ男たちに囲まれ、見下ろされ、震えが止まらない。
『触れるなかれ、彼女に直接触れてはいけません。皆さんが使っていいのは、お手元の道具のみ。優しく撫でてあげてください。もちろんのこと、あらゆる穴への挿入は禁止です。では、次のベルが鳴るまで、ドント・タッチ・ミー!』
一斉に腕が伸びてきた。
「あっ、いやっ、あっ……!」
筆先で乳首がくすぐられる。その穂先をかきわけてY字のシリコンが割り込み、尖った胸の先を捏ね回す。
「あっ! やんっ! あっ」
跳ねあがる脚が押さえこまれた。Dだ。ゲストたちは花に触れることはできない。
ゆるく開かされた股間を羽根ブラシで撫でられ、ぞくぞくと痺れが駆け上がった。
「や、ああぁっ」
「足も留めてしまおうか、花」
「あっ、あっ、あああっ、いや、やめて、いやぁ……」
「生贄だしね」
手と同じ太い皮の枷が、足元にもついていた。
「ほら、これでもう動けない。君は磔にされた生贄だ。かわいいよ」
「いや、いや……。ん、ぁんっ……」
「ね、花。身動きできないとさ、そのぶん感じちゃうんだよね」
「やっ、あっ、あっ…!」
「大丈夫。上質なシープスキンをよくなめしてある」
足枷を撫でるDの手が足首をかすめる。
「は、ぁんっ」
「中綿もしっかり入ってるから痛くないでしょ? よほど無茶に暴れなければ跡もつかないから」
そうする間にも、ローションガーゼの男はぴんと張った布で胸を撫で回す。先端を通るたびに乳首がぞわぞわと嬲られて、花は高い嬌声をあげつづけた。
そして狙われた秘部に、筆の男が小瓶の液をたっぷり塗りこめはじめた。
(ちょ、これ。これってどういう……)
花の不安をDが敏感に察知した。
「何が塗られてるか、気になるよね。でも安心して。ただのローションだから」
バイブレーターの男が、足の爪先からねっとりと脚を這い上がってくる。弱いくるぶしや膝裏を見つけられ、間断なく喘がされる。
「あんっ! あっ! ひぁっ」
「……なんてね。そんなわけないでしょ? もちろんヤバい薬だよ。じきに疼いて仕方なくなる。どう? じんじんしてきた?」
(嘘、そんな……)
とろみのある液が筆先から胸に垂らされる。濡れた穂先で勃ちきった乳首をぴんぴんと弾いて、執拗に塗りつけられた。
これがもし本当に媚薬のたぐいだとしたら。
(あ……)
「塗るだけでもすごいけど、粘膜から吸収したら大変なことになっちゃうよ。どうしよう、花。大事なところにも塗られちゃったね?」
「い、いやあぁっ…!」
大洪水の花唇の周囲をバイブレーターが丸くなぞる。本体が挿入されずとも、高速振動が淫核全体に響いて中まで侵透していく。
快楽に免疫のない花の絶頂をひきずりだすには十分すぎる刺激だった。
「んあああああああああああっ! ……っ!!!!」
がくん びくん かはっ──
だがそれだけでは終わらない。
達したばかりの敏感なそこを、シリコンスティックと筆が同時に襲い、胸の先を羽根が、過敏になった二の腕の内側をローションガーゼが、思い思いに煽っていく。
「ああああああああぁ! あっ! や、ぁ……! あ! んっ! いやああああああぁ───……もうやめてえええぇ──」
男達の淫戯は、ベルの澄んだ音が響くまで、みっちり続いた。
花には永遠にも感じる5分だった。
ようやく解放されたのも束の間、悪魔の宣告が花を打ちのめす。
『では、第二ラウンドです。ご希望の方はステージへ!』
次の男たちが祭壇の生贄に群がる。
シンギング・ベルが悪夢の第二幕の開幕を告げた。
次ページへ続く
読んでくださりありがとうございます!
ふらふらになった花は、されるままに仰向けに寝かされる。
ワンピースはあちこちが切り取られ、大事なところばかりが剥き出しだ。
両手は皮の手枷で頭上に固定されてしまった。
『哀れな生贄につかのまの悦楽を! 《私に触らないで》、5分、5ラウンドです』
司会のコールを受けて、執事服の男がトレイを掲げて登場した。
トレイにはさまざまなあやしい器具が載せられている。
『まずは五名様から』
花束を抱えた男達が我先にステージに上がってきた。
かっきり五人でキャストがストップをかける。
(何? 何をするというの……)
最初の五人に入った幸運なファーストグループは、思い思いの器具を選ぶと、それを手に花を囲んだ。
筆と小瓶を持つ男。極細バイブレーターを握る者。先端がY字になったシリコンスティック。小さな羽根ブラシ。最後のひとりはローションガーゼを手にしていた。
ぬっと立つ男たちに囲まれ、見下ろされ、震えが止まらない。
『触れるなかれ、彼女に直接触れてはいけません。皆さんが使っていいのは、お手元の道具のみ。優しく撫でてあげてください。もちろんのこと、あらゆる穴への挿入は禁止です。では、次のベルが鳴るまで、ドント・タッチ・ミー!』
一斉に腕が伸びてきた。
「あっ、いやっ、あっ……!」
筆先で乳首がくすぐられる。その穂先をかきわけてY字のシリコンが割り込み、尖った胸の先を捏ね回す。
「あっ! やんっ! あっ」
跳ねあがる脚が押さえこまれた。Dだ。ゲストたちは花に触れることはできない。
ゆるく開かされた股間を羽根ブラシで撫でられ、ぞくぞくと痺れが駆け上がった。
「や、ああぁっ」
「足も留めてしまおうか、花」
「あっ、あっ、あああっ、いや、やめて、いやぁ……」
「生贄だしね」
手と同じ太い皮の枷が、足元にもついていた。
「ほら、これでもう動けない。君は磔にされた生贄だ。かわいいよ」
「いや、いや……。ん、ぁんっ……」
「ね、花。身動きできないとさ、そのぶん感じちゃうんだよね」
「やっ、あっ、あっ…!」
「大丈夫。上質なシープスキンをよくなめしてある」
足枷を撫でるDの手が足首をかすめる。
「は、ぁんっ」
「中綿もしっかり入ってるから痛くないでしょ? よほど無茶に暴れなければ跡もつかないから」
そうする間にも、ローションガーゼの男はぴんと張った布で胸を撫で回す。先端を通るたびに乳首がぞわぞわと嬲られて、花は高い嬌声をあげつづけた。
そして狙われた秘部に、筆の男が小瓶の液をたっぷり塗りこめはじめた。
(ちょ、これ。これってどういう……)
花の不安をDが敏感に察知した。
「何が塗られてるか、気になるよね。でも安心して。ただのローションだから」
バイブレーターの男が、足の爪先からねっとりと脚を這い上がってくる。弱いくるぶしや膝裏を見つけられ、間断なく喘がされる。
「あんっ! あっ! ひぁっ」
「……なんてね。そんなわけないでしょ? もちろんヤバい薬だよ。じきに疼いて仕方なくなる。どう? じんじんしてきた?」
(嘘、そんな……)
とろみのある液が筆先から胸に垂らされる。濡れた穂先で勃ちきった乳首をぴんぴんと弾いて、執拗に塗りつけられた。
これがもし本当に媚薬のたぐいだとしたら。
(あ……)
「塗るだけでもすごいけど、粘膜から吸収したら大変なことになっちゃうよ。どうしよう、花。大事なところにも塗られちゃったね?」
「い、いやあぁっ…!」
大洪水の花唇の周囲をバイブレーターが丸くなぞる。本体が挿入されずとも、高速振動が淫核全体に響いて中まで侵透していく。
快楽に免疫のない花の絶頂をひきずりだすには十分すぎる刺激だった。
「んあああああああああああっ! ……っ!!!!」
がくん びくん かはっ──
だがそれだけでは終わらない。
達したばかりの敏感なそこを、シリコンスティックと筆が同時に襲い、胸の先を羽根が、過敏になった二の腕の内側をローションガーゼが、思い思いに煽っていく。
「ああああああああぁ! あっ! や、ぁ……! あ! んっ! いやああああああぁ───……もうやめてえええぇ──」
男達の淫戯は、ベルの澄んだ音が響くまで、みっちり続いた。
花には永遠にも感じる5分だった。
ようやく解放されたのも束の間、悪魔の宣告が花を打ちのめす。
『では、第二ラウンドです。ご希望の方はステージへ!』
次の男たちが祭壇の生贄に群がる。
シンギング・ベルが悪夢の第二幕の開幕を告げた。
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