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第四話 月蝕〜マスカレード・ナイト
#13 落花凄惨
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「1,700」
「1,750!」
『さあ、この可憐な乙女に! あなたがイチから教えてあげてください。快楽に溺れてしまえば、開発された身体はおのずと開花し、淫楽にむせび狂うでしょう。おひとり二発までとはさせていただきますが、そのかわり、時間制限は………なんと、ありません!!』
もったいぶった発表を受けて、会場は司会の期待通りにどよめいた。
制限時間なし。
堪えさえすれば、いくらでも楽しめる。屠る側にとってはたまらない好条件だ。このeclipse(エクリプス)でも、そうそうない。
だが、屠られる生贄にとって、それは終わりのない悪夢を意味する。地獄だ。
「2,000」
「3,000!」
「3,500!」
一億超え。
値上がりの桁が変わった。
「4,000!」
「5,000!!」
「私も5,000!」
「こっちも5,000だ」
カーンと木槌が打たれ、最高額の三人が権利を獲得した。
寝台が入れ替えられ、その間に花は身を浄めて、清楚なスリップドレスを着せられた。純白のスレンダーなドレスは花嫁衣装を思わせる。
「花、行っておいで。ここで見ててあげる」
震えの止まらないまま、花はDの手で最初に最高額を提示した男に引き渡された。
「可愛がってやる。たっぷり楽しもうじゃないか」
「いや、いや、や、あっ…!」
連れてゆかれる。
悪夢のステージに。
足が震えて歩けない。
「助けて、Dさん、Dさん!」
「何を言ってる。あいつがお前を罠にかけた張本人だぞ?」
「Dさん…! お願い、こんなことやめさせ…て……」
花は目を疑った。
あろうことか、手を振るDはにっこりと笑みを浮かべているのだ。
何も知らないうぶな女をこんな目に遭わせて嬲りものにしておいて、どうしてそんな顔ができるのか。
ガラガラと何かが崩れ落ちていった。
「Dさん……」
六本の手が、花の手を取り、肩を抱き、腰に腕を回して、我先にと身体をまさぐる。
「かわいそうに。悪い男に引っかかったな」
「僕たちが慰めてあげるよ」
「口が好きなんだって? 私のをしゃぶらせてあげようね」
「い、いやっ」
崩れそうな膝をなんとか支えて、弱々しく身体をよじる。
そんな他愛ない抵抗などかえって雄を喜ばせるだけなのだと、もう少し冷静なら花にもわかったろう。
だが、そんな余裕は一切なかった。
「いや、やめ……」
「いいね、その怯えた顔。ぞくぞくする」
「生贄の日はこうじゃないとな」
「あ…」
「来なさい。可愛い声を聞かせてもらおう」
「いや、いやっ! いやぁーーー!」
おろしたてのドレスが音を立てて引き裂かれた。
花は手折られ、無惨に散らされて、貪り尽くされた。
長い一組目が終われば、次の屠り手、二組目が壇上に上がる。今度は五人だ。狂乱の宴は、夜更けまで続いた。
次ページへ続く
読んでくださりありがとうございます。
「1,750!」
『さあ、この可憐な乙女に! あなたがイチから教えてあげてください。快楽に溺れてしまえば、開発された身体はおのずと開花し、淫楽にむせび狂うでしょう。おひとり二発までとはさせていただきますが、そのかわり、時間制限は………なんと、ありません!!』
もったいぶった発表を受けて、会場は司会の期待通りにどよめいた。
制限時間なし。
堪えさえすれば、いくらでも楽しめる。屠る側にとってはたまらない好条件だ。このeclipse(エクリプス)でも、そうそうない。
だが、屠られる生贄にとって、それは終わりのない悪夢を意味する。地獄だ。
「2,000」
「3,000!」
「3,500!」
一億超え。
値上がりの桁が変わった。
「4,000!」
「5,000!!」
「私も5,000!」
「こっちも5,000だ」
カーンと木槌が打たれ、最高額の三人が権利を獲得した。
寝台が入れ替えられ、その間に花は身を浄めて、清楚なスリップドレスを着せられた。純白のスレンダーなドレスは花嫁衣装を思わせる。
「花、行っておいで。ここで見ててあげる」
震えの止まらないまま、花はDの手で最初に最高額を提示した男に引き渡された。
「可愛がってやる。たっぷり楽しもうじゃないか」
「いや、いや、や、あっ…!」
連れてゆかれる。
悪夢のステージに。
足が震えて歩けない。
「助けて、Dさん、Dさん!」
「何を言ってる。あいつがお前を罠にかけた張本人だぞ?」
「Dさん…! お願い、こんなことやめさせ…て……」
花は目を疑った。
あろうことか、手を振るDはにっこりと笑みを浮かべているのだ。
何も知らないうぶな女をこんな目に遭わせて嬲りものにしておいて、どうしてそんな顔ができるのか。
ガラガラと何かが崩れ落ちていった。
「Dさん……」
六本の手が、花の手を取り、肩を抱き、腰に腕を回して、我先にと身体をまさぐる。
「かわいそうに。悪い男に引っかかったな」
「僕たちが慰めてあげるよ」
「口が好きなんだって? 私のをしゃぶらせてあげようね」
「い、いやっ」
崩れそうな膝をなんとか支えて、弱々しく身体をよじる。
そんな他愛ない抵抗などかえって雄を喜ばせるだけなのだと、もう少し冷静なら花にもわかったろう。
だが、そんな余裕は一切なかった。
「いや、やめ……」
「いいね、その怯えた顔。ぞくぞくする」
「生贄の日はこうじゃないとな」
「あ…」
「来なさい。可愛い声を聞かせてもらおう」
「いや、いやっ! いやぁーーー!」
おろしたてのドレスが音を立てて引き裂かれた。
花は手折られ、無惨に散らされて、貪り尽くされた。
長い一組目が終われば、次の屠り手、二組目が壇上に上がる。今度は五人だ。狂乱の宴は、夜更けまで続いた。
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