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一章 初夜
9 陥落 ※
しおりを挟む夢を見ていた。
ふわふわと白い光の中を漂っている。
力強い腕に抱き上げられて、広い胸に包まれる。
首に腕を巻きつかせて、肩に顔を埋めると、その人の匂いでいっぱいになる。
深い夜の星のような。
鮮やかな夜明けの海のような。
でも灼熱の炎のようでもあって。
この匂いに包まれると、何も考えられなくなる。
──約束しよう。いつかお前が大人になって、それでもそれを望むなら。………を、お前にやろう。
──おじさま、だいすき。
天高く差し上げられて、ぐるんと天地が旋回した。
*
ずくん──!
暴力的な快感に、いきなり現実に引き戻された。
凶暴に膨らんだ男の主張が、彼女の中を悦ばせている。
「ああんっ──!」
ずんん。
「んうっ」
下から突き上げられる衝撃を逃そうと、身体が無意識に伸び上がる。
思わずしがみついて、自分が男の首に両腕を巻きつけていたことに気づいた。
膝の上に乗せられ、抱き合っているのだ。
どうしてこんな体勢に?!
こんな目に遭わせている当の凶漢に、まるでしなだれかかるように抱きついて。
肩に顔を埋めて、胸に抱かれて。小さな子どものように、しがみついて。
跳ね飛ばすように突き放した。
「いやぁっ」
いや、正確には、突き放そうとした。
いくら身をよじっても、男の楔が深々と彼女を貫いて、律動を刻んでいる。
腰をがっしりと捕らわれ、あぐらの中に落とされている。
逃れようがなかった。
義父は、酷薄な笑みを浮かべた。
上唇に舌を這わせるたくらみめいた表情に、悪い予感が背中を這いずる。
その予感は的中した。
有無を言わさぬ力で彼女の腰を左右からつかむと、ぐるんと回転させ、後ろ抱きに抱き込んだ。
太い杭を突き刺したまま、その火柱を芯にするようにして。
「ひあああっ!!!」
回転の勢いに嬲られた内襞が悲鳴をあげる。
あまりの刺激に、視界が白くかすんだ。
華奢な背中に、男は黒々と影を落として、覆いかぶさっていく。
抜けるように白い背中だ。
肩甲骨が濃い影をつくっている。
まるで、翼をもがれた傷痕のようで、嗜虐心を駆り立てる。
羽根を折られた小鳥は、二度と青空の下を飛ぶことはない。
地につながれ、檻に飼われる、籠の鳥。
男の剛直がぐわんと膨張した。
「ふあっ!!」
体格差を斟酌せずのしかかるばかりか、肩を押さえつけて身動きすら奪って、奥をえぐる。
「あっあっあっ、やっ、これ、だめっ」
耐えきれず、ずり上がろうと浮く腰を押さえ潰すように、ぐりゅ、とねじ込む。
「うんと奥に届くだろう」
いっそ優しいほどに残酷な笑みを浮かべて、男は若妻の耳を弄った。
「あっ!だめっだめっ!待って止めてやめてっ」
「そんなにいいか」
くちゅっ くちゅっ くちゅっ くちゅっ。
「あ!あ!あ!ひ!」
うつ伏せに沈んだまま、閉じた脚の間の隘路をこじあけられ、いいように奥を蹂躙されている。
今まで届かなかったところがごりごりとねじ上げられている。
全身がぶわりと粟立って、指先までさざめきが広がる。
「そこだめっ!やっ、ああっ、あああ」
ぢゅっ ぢゅっ ぢゅっ ぢゅっ ぢゅっ ぢゅっ……。
「ああ、わかってる。ここだろう?」
激しく突き上げるわけでもないのに、後ろから捏ね回される悦楽は重さの桁が違う。
「やっ!あっ!あっ!ああっ!」
熱くたぎった蜜壺の収縮と痙攣が早くなり、波の頂点が近いことを示している。
抽挿も速度を増す。
「出すぞ」
哀れな獲物は、びくんと震えた。
もうどれだけ注がれたか、わからない。
だが、何度放たれても、むごい宣告に慣れることはない。
「孕め。今日一番の奥だ」
言い渡されて彼女がまたひとつ堕ちるのを、男は見たいのだ。
伏した肩がふるふると震え、皮肉にもそれが女の蜜壺をも震わせ、吐精を誘ってしまう。
義父は陶然と目を細め、うっとりと息を逃した。
泣き伏した背中を見下ろして、すり、と、浮き上がった骨を撫でる。
「お前もイけ」
そうして、右から左から手をさしこみ、花芯と胸の頂点を可愛がる。
すでに官能感覚が開きっぱなしになっているところへ、優しく罪作りな指に敏感な極所を二つ同時に愛でられて、濡れそぼった声が哀れなほどに乱れ散る。
そのまま、これまで以上の奥までぐりゅぐりゅと責められ、女は、もはや抵抗することもなく、陥落した。
「ああああああぁっ!!!」
びゅるるる── びゅる── びゅるっ── びゅるっ──
「あ…ぁ……」
「くぅっ」
背後から聞こえた男の掠れ声が、ぞっとするほど艶めかしかった。
その声に耳を犯されて、若妻はまた悦楽の彼方へ連れ去られる。
その時だった。
娘は、その声で名を呼ばれる幻聴を聞いた。
ばらばらになった意識の欠片が優しい光に包まれる。
それはまるで慈愛の褥。
身も心も攫われる。
──あぁ、おじさま。……もっと。
たゆたう身体を義父の楔が容赦なく突き上げる。
びゅるるるっ── びゅる──
いま果てたばかりの男の凶器は、まるで萎えもせずに、娘の胎を犯しつづけた。
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