Two seam

フロイライン

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分水嶺

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練習試合の当日を迎えた。


「監督、栄神がよくウチとの練習試合を受けてくれましたね。」

すみれは栄神に向かうバスの中で小林に質問した。

「ああ、そうだな。フツーなら全国大会準優勝の学校がウチみたいな弱小チームと試合をしても何も得るものなんてないからな。」

「ですね。」

「栄神の高村監督は大学の野球部で一緒にやっててな。それも向こうが一個下の後輩だ。
先輩風を吹かせて無理矢理ねじ込んだんだ。

いや、平身低頭お願いしたっていうのが本当のところだけどな。」

「でも、自分達がどこまでやれるか、気合い入ってます。」

「ああ。頑張ってくれ。
それに、俺も楽しみにしてるんだよ。」

小林は最後部に座り、窓の外をぼんやりと眺める優里に視線を送った。

「監督、いくら栄神とはいえ、優里のボールには苦戦すると思います。」

「そうだな。
もし、水谷が栄神打線を封じ込めたら‥

外野が騒がしくなるかもしれんな。

いやいや、取らぬ狸の皮算用か」


小林はフッと、思わず笑って言った。
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