フィロス

フロイライン

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忸怩

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「高山先生

ワタシが妊娠しているとすれば、わかるのはいつでしょうか。」


しばしの沈黙があり、黙っていた皧流だったが、ようやく言葉を発し、高山に質問した。


「そうですね。
性行為をしてから三週間経過すれば、妊娠検査薬で判定できるようになるでしょう。」



「そうですか…」



「三浦先生

まさか、そこまで待ってからとか言うんじゃないでしょうね?」


高山が言うと、皧流は少し間を置き、そして、頷いた。


「もし、ワタシのお腹に赤ちゃんがいるのなら、ワタシはその命を奪う事はできません。

ですから、妊娠しているか、していないか、それがわかるまでは、ワタシは男性には戻りません。」



「それじゃあ遅いんです。

もし、その時点で妊娠していなかったとしましょう。

あなたは、そこから男性に戻ったとしても、もう脳が女性脳になっており、二度と戻る事はないのです。」



「わかっています。

でも、もう決めましたので。」


皧流は、頑なに男性に戻る事を拒み、現状を維持する事を高山に宣言した。


高山は、説得がムリと見るや、電話の向こう側にいる竹脇に、相手を変えた。



「和哉。

お前にも大きな責任が生じている事は、私の説明でわかっただろう?」



「はい…」


「だったら、お前が三浦先生と向き合い、ちゃんと話すんだ。


いいな?」



「わかりました。


三浦先生」



「はい、竹脇さん」


「あの…

僕が軽率で無責任な事をあなたにしたために、このような事態を招き、誠に申し訳ありません。」



「いえ。

ワタシも同意しての事です。
お気になさらないよう…」


「しかし、もし

妊娠していた場合…」


竹脇は、そこまで言うと、一旦言葉に詰まり、少しの間沈黙したが、やがて、意を決したように、その続きを話し始めた。
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