オレ、母になる

フロイライン

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説得

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「真希

久しぶりだね。」


祐希が、そう声をかけると、真希は顔を上げ、彼女の方を見た。


「その声、何度聞いてもすごいね。

その容姿だし、全然違和感ないわ。」



「ありがとう。
これにはワケがあって…」


「ワケ?」



「うん。

実は…」



祐希は、自分が或る薬により、性転換をし、完全なる女になった事を告げた。





「うそ…

そんな事があり得るって?」


真希は、祐希の話に、ようやくリアクションが少しだけ大きくなった。



「それがあり得るのよ。

高山教授って人が研究をしていて、ワタシが被験者になったっていうわけ。」


「被験者?

実験台になったってわけ?」



「そう。

幸いな事に成功したわ。」



「でも、祐希

アンタ、前からそうだったの?」



「えっ


何が?」



「ずっと女の子になりたかったのかって、聞いてるの。」



「どうなんだろう…


でも、ワタシと真希は男女の一卵性の双子じゃない?

これって理論上はあり得ない事で…

田子浦教授は、女として生まれてくるべきだったのに、何らかのバグが生じたのがワタシだって…」



「へえ…

そうなんだ…」


真希は、そう言うと、祐希の顔をジッと見つめていたが…



「ねえ

じゃあ、今のアンタは生理もあるの?」



「うん、あるよ。」


祐希は、恥ずかしそうな表情を浮かべながらもハッキリと答えた。
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