オレ、母になる

マシなのは？

「瑛太さん」


晃は、瑛太に向かって話しかけた。


「はい。

なんでしょうか。」



「子作りに関して、フツーで考えればかなり異常な話をしていると思います。

いくら双子とはいえ、自分の代わりに子供を産ませるなんて。」


「それは…」


「それについては色々事情があって、ここにいる四人の間ではある程度折り合いがついた話だと思います。」


「そうですね。」



「ただ、その場に真希が立ち会うということが腑に落ちないんだと。」



「そうです。」


「だったら、こうしませんか。

瑛太さん、あなたもその場に立ち会って下さい。」


「えっ…」


「真希が求めたのは可視化です。

それならば、あなたにもいてもらえると、私も気持ち的にはラクです。」


「あ、いや…

そんなつもりは…

っていうか、他人に見られて、ヤレますか？」


瑛太は、至極真っ当なところを突いてきた。



「たしかにそうですね。


なかなか厳しいものがあると思います。

でも、皆がリスクを背負わないと、こんなめちゃくちゃな話に整合性なんて持たせられません。

あ、いや、整合性なんてどう逆立ちしたって持たせることができませんが。」


「祐希と真希さんはいいんですか？」


瑛太が話を振ると、二人とも戸惑いながらも頷いた。


あり得ないシチュエーションの中に放り込まれる…

瑛太は、怖さを感じたが、ここで逃げたら祐希はどうなる？

などと考えながら最終的には晃の提案に了承した。