オレ、母になる

愛のチカラ

真希は真面目な人間である。

それ故に、今回のように不妊の件等が起きてしまうと、深刻に考えすぎ、そして自分を責めすぎて、心が病んでしまう、

真面目故に、瑛太との情事は、決して許されるべきものではないと本人は頭では思っていたが、夫と弟が目の前で体を絡め合っている光景に耐えられず、瑛太に助けを求めてこのようなカタチになってしまった。


そして…


一線を越える…


そう、文字通り、真希は一線を越えてしまった。

自分の我儘を押し通す形で、祐希に子供を産んでもらおうとした結果が、今の状況であるのに、被害者面して瑛太と関係を持ってしまったことは、全くもって大義名分はない。

だが、その大きな線を越えてしまった今、真希の中で何かが変わってしまったのだった。


今まで心の中に渦巻いていた重苦しい思いが消え、すっかり楽になった。


そうなると、目の前の瑛太の優しさ、愛情が自分の心の中にストレートに入り込んできて、自分も瑛太の事を好きだという気持ちが一気に芽生えてきたのだ。


心の箍が外れた真希は、その全身が強烈な快感に包まれると、彼女自身もまた、その全ての想いが瑛太に注がれるようになっていった。




感極まった真希は、喘ぎながらもハッキリと言った。


「瑛太！


愛してるっ！」


と…


その言葉に、瑛太の感情も一気に揺さぶられたのだった。