オレ、母になる

帰結する先は

祐希と真希の双子の姉弟と、晃と瑛太


この四人に共通しているのは、真面目であるということであった。


マジメ…

マジメである四人が、倫理観もクソもないような行為に身を投じたのである。

子供ができない、晃と真希の夫婦のために、性転換して妊娠ができる体になった祐希が、代わりに出産をするという、いわゆる代理母の役割をするという‥
それも、人工授精ではなく、実際にセックスをするというやり方で。

そして、無事に出産できれば、生まれてきた子供を真希に引き渡すという、その部分ではまさに代理母の役割そのものであった。


しかし、依頼した張本人である真希が、その行為を弟と夫がする事に耐えきれず、その場に立ち合う事を求めた。

瑛太も加わり、初めて行われた、いわゆる着床実験で、祐希と夫のセックスを目の当たりにした真希は、嫉妬に狂い、衝動的に隣にいた瑛太と関係を持ってしまった。

ここまでは、夫と弟に対する腹いせ的な感があったが、真希にとって、予想外の状況に陥る事態となる。

体の関係を持つという、いわゆる一線を越えた瞬間に、真希の中で何かが変わったのである。

それまで抱えていた心の闇がすっかり消え去り、気持ちが晴れたような気がした。

そして、そんな彼女の心を救ってれた瑛太に対し、強い愛情が芽生えたのだった。

対する瑛太も同じ思いであり、まあ祐希と晃も愛情のベクトルが変わってしまった。

四人の真面目さが招いた当然の結果であると言えた。